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Posted on 2013/07/26 20:30
  • ライブレポート
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BRAHMAN

雨間のグリーンステージで見た奇跡

ライブ開始直言まで降っていた大雨が、嘘のように上がった――。始まりからそんな奇跡を起こしたBRAHMANは、大袈裟でなく神がかったパフォーマンスを披露してくれた。

観客からの怒号のような歓声に迎えられたグリーンステージに登場したBRAHMAN。TOSHI-LOWがフィールドを睨みつけるステージ中央に仁王立ちすると、1曲目に“初期衝動”を叩きつけるように演奏。会場からはオイコールが巻き起こり、ダイバーが続出する。「2年前の苗場でも言ったとおり、三陸の小さなライブハウスでも、今日立ったこの場所が俺たちの死に場所。BRAHMAN、はじめます!」というTOSHI-LOWの言葉を合図に、グリーンステージは爆発的な感動と興奮に包まれていく。体の底から声を振り絞るようにして歌うTOSHI-LOWのボーカルと、濃密で重厚なグルーヴを響かせるバンドアンサンブル。4人はまるで解き放たれた野獣のようにステージ上で躍動する。中盤、“deep”、“BASIS”を立て続けると、会場からは歓喜の声が上がり、ステージ前方のモッシュピットからは汗が湯気となってもうもうと立ち込める。ものすごい熱量だ。

“賽の河原”では血の涙を流すドクロがステージに映し出され、“鼎の問“では原発事故後に福島第一原子力発電所の中で作業した人たちの写真と言葉が投影されていく。“最終章”では被災地の様子を写した映像をバックに、憎しみや悲しみ、行き場のない思いを音で叫ぶように、壮絶なるサウンドを響かせていく。グリーンステージはあっけに取られるように立ちすくむ人や、衝動を抑えきれずモッシュピットへと駆け出す人、喉をからしてシンガロングする人と、みな千差万別ながらもBRAHMANが奏でる音楽と、突きつけてくるメッセージの重みを受け止めている。

“ANSWER FOR…”では歌いながらTOSHI-LOWがモッシュピットの中へ飛び込み、観客に支えられて担ぎ上げられた状態で熱唱する。これには会場は狂喜乱舞する。TOSHI-LOWよくあれだけ体を預けた状態で、厳然として歌えるものだ。腹の据わった思い、強烈な覚悟を感じる。それにしても歌っているTOSHI-LOWを支えている人は、一生の誇りになるだろうな。観客に担ぎ上げられた状態で、“PLACEBO”を演奏し、さらに「自分自身で、目を覚ませ!」と“警醒”を披露。

「去年さ、3日間晴れたっつうから、(髪を)片側だけじゃく両側剃ってきたわけ。そしたらさ、そんなわけないよね、フジロック」とMCで観客を爆笑させるTOSHI-LOW(BRAHMAN MC全文書き起こしはこちら)。とことんストイックに、張り詰めた緊張感の中で感情を爆発させるようなライブをする一方、MCでは爆笑を誘う。ただ、話が忌野清志郎、そして原発事故に及ぶと、笑いは消え、シリアスな空気感に包まれる。「フジロック初日、グリーンステージ。今日もたくさんのことをこのステージに教わりました。変わらない日常、変わらない世界、変わらない自分、本日――雨の中、ありがとう――青天の霹靂」と、いつものセリフに温かい一言を添え、“霹靂”をプレイ。そしてラストに披露したのは、“The only way”だった。TOSHI-LOWは最後までモッシュピットの中で、観客の手を強く握り締めながら、何かを探すように遠くを見つめながら歌っていた。

モッシュピットの観客とハッチしながら帰っていったTOSHI-LOW。鬼気迫るパフォーマンスを見せたBRAHMANがステージを去ると、再び強い雨が降り始めた。鳥肌が収まらないのを感じながら、この雨間に見たステージをきっと忘れることはないだろうと確信した。目の裏に焼き付けられるような鮮烈なライブだった。

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