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Posted on 2013/07/29 01:30
  • ライブレポート
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鬼の右腕

誘い込まれたふしぎの世界

ほかのステージに比べてルーキーアゴーゴーには特定の色を持たない。なのでいつも、カラーは出演するルーキー達が染めていく。早耳のリスナーが興味本位で集まったりするが、最終的には集まった人達の気持ちの向きはバンドが支配するのだ。バンドセットの中央にスティールパンを置いた女性4人のバンド。今年のルーキーでひときわユニークな存在感を持っていたのがこの鬼の右腕だ。変拍子や特異の音でダブのようなワールドミュージックのようなオルタナティブなフレーバーを奏でる彼女たちは、ルーキーに神秘性を持ち込んだ。

一曲目は彼女たちの魅力がそこにふんだんに詰まった曲、”くちゃ”。声を重ねたイントロからベースライン、単音のギター、ミニマルな変拍子がどんどん重なる。抑揚を持たせた物語のような進行を経て、ラストの音の高なりの時には「うわっ…」と初見の人は驚きを伴って魅入る瞬間に立ち合うこととなるだろう。その入り口をくぐれば、あとは不思議の森に身を委ねるだけだ。

複数色を折り重ねた鬼の右腕の色に、居合わせラオーディエンスが染まっていく。小林うてなのエキゾな歌声と手元のスティールパンを主軸にした楽曲を楽しんだかと思えば、4人全員がリコーダーを合奏するところから始まる曲も出てくる。音楽的好奇心を否応なく刺激するそのアンサンブルに、目は釘付けだ。

ステージ後半には右腕を肥大化させた赤鬼、青鬼が現れ、ステージや客席を踊り歩くシーンも。あまりに大きな腕はお客さんに当たるなどコントロールも難しいように見えたが(笑)、そういった演出も含めて独自の空間に努めていた鬼の右腕。異国の舞踏会に迷い込み、気づけばそこに身を任せたような感覚に我々を誘い、湯船のようなひとときを楽しませてくれた。

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