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7/25 FRIRED MARQUEE

SLOWDIVE

美しくも儚い音

今年、ニール・ハルステッド、レイチェル・ゴスウェル、クリスチャン・セイヴィル、サイモン・スコット、ニック・チャップリンというオリジナル・ラインナップで19年ぶりに再結成を果たしたスロウダイヴ。スペインのバルセロナで開催されたPrimavera Sound 2014を皮切りにワールドツアーを開始し、バンド結成以来はじめて日本の地を踏むことになった。

定刻より3分ほど早く、ブライアン・イーノの“Deep Blue Day”が流れ出し、ステージ上には「Slowdive」の文字が写し出される。レッドマーキーに詰めかけたオーディエンスはこの日一番の声援を上げ、5人のメンバーの登場を迎える。バンドの紅一点、レイチェルは金色のワンピースを着て登場。他のメンバーはTシャツにジーンズといったラフな出で立ちだ。

何十年もの間、多くのファンが待ち望んだライヴは、バンドの名前を冠したナンバーである“Slowdive”で幕を開けた。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやジーザス&メリーチェインといった轟音系とはひと味違ったシューゲイザーの甘美なメロディが、暑い、熱い、初夏の兆しを忘れさせてくれる。レイチェルからの「観に来てくれてありがとう」という言葉とともに、2曲目に演奏されたのは“Avalyn”。繊細なギターと緩やかなベースが凛とした美しさをつくりだし、レッドマーキーを優しく包み込んでいく。

中盤に入って披露されたのは“Machine Gun”、“Souvlaki”といったスロウダイヴのことを「シューゲイザー」や「轟音系」といったジャンルの括りでは語れないことを物語る楽曲たち。ニールとレイチェルの溶け合うようなツイン・ヴォーカルに、クリスチャンのギターから繰り出されるフィードバックノイズ。そして、腹の奥底から突き上げてくるかのようなニックのベースに、小刻みなリズムを安定して繰り出すサイモンのドラミング。淡々とした中にも美しさや儚さを感じさせ、感傷的な気持ちにも、夢見心地にもさせてくれた。

終盤、“Alison”の演奏後には「みんなありがとう。素晴らしかったよ!」とニックから感謝の言葉もあった。ラストはピンク・フロイドの初代ヴォーカリストであるシド・バレットのカヴァーである“ Golden Hair”。原曲はたった2分足らずのこの曲を徹底的に貫かれた叙情性により、6分を超える格調の高い曲へと変貌させ、レッドマーキーに詰めかけたオーディエンスを白昼夢の世界に誘った。

近年、シューゲイザーの象徴的存在であるマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの度重なる来日や、ポスト・ロックが浸透し、モグワイやエクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイといった轟音系のライヴを観られる機会が増えた僕たちにとって、今日のスロウダイヴのライヴは真新しさだったり、未知との遭遇といったような衝撃はなかったかもしれない。だが、僕たちが何故轟音を愛するのか、音に包まれることに喜びを感じるのか、そして、美しくも儚い刹那の瞬間を愛するのか、そういった大切なことを思い起こさせるライヴであったことは間違いない。

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