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7/25 FRIGYPSY AVALON

アトミック・カフェ トーク【津田大介・加藤登紀子・後藤正文・TOSHI-LOW】

未来と自分の生き方を問うトークセッション

「テーマ、重くない?」とTOSHI-LOWが冒頭に語った今回のアトミック・カフェ トークは、原発問題がテーマ。津田大介を進行役に、後藤正文、TOSHI-LOW、加藤登紀子がそれぞれの活動を通した反原発の思いを語り合った。

去年行われた参議院選挙の投票率が、過去3番目の低さの52.6%だったことが何よりショックだったという後藤は、「ミュージシャンとして何ができるか分からないけど、『誰かがやるだろう』って静観してる人を焚きつけるにはどうしたらいいんだろうってことを考えてます」と語った。自身が編集長を務める新聞「THE FUTURE TIMES」を発行するなど、反原発問題について積極的に発信していることの手応えを津田に聞かれると、「元々、そんなに友だちがたくさんいるわけでもないし、話があるヤツがたくさんいたわけでもないです。だから、僕の中では、こうやってTOSHI-LOWさんと知り合ったり、ネットを介して自分が思っていることと同じようなことを考えてる人や自分の考えをさらに深めてくれる人が世の中にいるってことが自分にとって希望、明るい事実なんです」と答えた。また、「2〜3年で何かが変わるとは思っていない。10年後に、あの新聞(「THE FUTURE TIMES」)を読んだ高校生とかに影響を与えたい」と継続し続けることの大切さを強調し、さらに「今日明日だけチヤホヤされたいわけじゃなくて、自分たちが作ってるものが50年後の中学生にも真新しく響くような何かが宿っているような言葉とかメロディーを選びたいと思っていて。ナイーブかもしれないけど、そういう風にやっていくしかないと思う」と自身の音楽活動の思いについても述べた。

「基本的に、現場を見に行って感じることが好き」というTOSHI-LOWは、最近、福島第一原子力発電所で働いている作業員と飲みに行っているのだという。「いわきの飲み屋で最後はずっとプロレスの話をしてて、『ジャンボ鶴田が最強なんじゃねえか』って結論で話が終わるっていう」と彼らしい角度から、原発問題について語っていく。原発問題に対して、どうアクションしていけばいいかという問いかけには「こういう人(加藤登紀子)の子分になったらいいんじゃない?俺さ、アースデイ東京2013に出演した時、熱が出てて。トッキー(加藤登紀子)に挨拶に言ったら『おにぎり、食べなさい』って言われてさ。で、おにぎり食べたの。これって、桃太郎で言うところの猿なんじゃないかなと(笑)。そっからもう子分だよ、食べちゃったから」と語ってオーディエンスを爆笑に包む。「とにかく自分が嫌だなと思うことは、社会がなんだろうが一人でも言うことが大事なんじゃないかなって思う。周りから『そうじゃない、そんなことしちゃいけない』って言う人はいっぱいいるけど、思ったら一人でもやる。とにかく一人でも立ち上がる、一人でも進んでいくってことをすごく大事にしている。社会を巻き込まれるかどうかわかんないけど、まず『社会って誰?』っていったら、俺が社会だから。俺が社会の代表だし、その代表である俺が自分の社会をまず変えるために、一人でもやる」と自身のスタンスを語ると、ジプシーアバロンからは拍手喝采が起こった。

加藤登紀子は、「右とか左とかっていう話があるけど、今は私たちの抱えている現実が本当に大変。思想も大事なんだけど、それ以上に現実がものすごい問題が抱えているんです。私は日本の社会が後ろ向きになっていることがものすごくヤバイと思う。福島の事故をなかったことにしたいぐらい、保守性になっている。世界中は、特にドイツなんかは、この3年間で猛烈に自然エネルギーが伸びています。世界が一歩前の時代に向かってるのに、日本は逆に、昔にしがみついている気がします」と、原発事故以降の世界の動きに日本が逆行していると指摘。「トッキーとオノ・ヨーコが殴り合ったら、どっちが勝つの?」というTOSHI-LOWからの問いに、「なんで私とヨーコさんが殴り合いしなきゃいけないの(笑)。だったら、安倍さんを呼んできて殴り合いさせてよ」と返すと、オーディエンスから大歓声が起こった。長年、反原発を訴え続けてきた彼女は、「自分がマイノリティになったとしても、一人でもやると思うけど、私は心の底から、戦争は嫌で原発は嫌で、ちゃんと楽しく生きていたくて、子どもを守りたい。それは、99%のマジョリティの気持ちだって信じてます。だから、私がどんな人たちが目の前にいたとしても私の思いは絶対に届くと思って歌っているし、これからも歌っていきたいと思います。私たちの心の中には、生きたいという素晴らしい思いがいっぱいだと。それを信じてます」と、トークに真剣に耳を傾けるオーディエンスに語りかけた。

司会進行を務めた津田は、「これはTOSHI-LOWさんと6月にこのアトミックカフェのイベントで一緒にトークした時に出た話で、すごく良いなと思ったことなのですが、音楽は聴いた人に誇りを与えることができます。それに対して言葉は、誇りを与えるというよりは、どっちかと言えば悟るためのツール。良い音楽を聴いて、誇りを得る。そしてトークやメッセージを通して悟りを得る。この両方の要素を持ち帰ってもらって、一人ひとりが自分は何ができるか考えてもらうことから、変わってくると思います。フジロックがそういう宿題の場だと思って、また来年、お互いその宿題についてお酒を飲みながら語り合う。そんな場になっているのがフジロックの良さなんじゃないかと思います」と最後に語り、アトミック・カフェ トークをまとめた。

極暑の時間帯にもかかわらず、たくさんのオーディエンスがジプシーアバロンに集まり、4人のトークに聴き入っていた。きっとこのアトミック・カフェ トークが、それぞれのオーディエンスの心に強く問いかけるものがあったに違いない。(文中敬称略)

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