BOMBAY BICYCLE CLUB
この日一番の完成度の高さを誇るステージ
夕方6時を過ぎて日も落ち、苗場に風が心地よく吹いている。しかし、ここレッドマーキーは、来たるバンドの登場を待ちわびた人たちの熱気でむせかえりそうな状態である。そう、これからロンドン北部出身の要注目ロックバンド、ボンベイ・バイシクル・クラブが満を持して登場するのだ。
会場に流れていた曲が止み、最新作『So Long, See You Tomorrow』の”Overdone”のイントロがループしはじめる。バックに新譜のジャケットを思わせる3つの円からなるイメージ映像が映し出されると、バンドがゆっくりとステージに登場した。フロントマンのジャック・ステッドマンがその出だしを歌いはじめるだけで、フロアから大歓声が飛び会場内の熱が一気に上昇する。いかにフジロッカーズからの注目度が高いステージかということがうかがえる瞬間だ。
今日これまでに観たステージの中で、これが一番の完成度の高さを誇ったステージだったと言っても過言ではない。それほど完璧なステージだった。彼らの楽曲群の質の高さは折り紙つきだが、それをライヴという一期一会な場で異次元なレベルへと飛翔させるバンドメンバーそれぞれの個の力がすごい。それは、ベースとドラムのビートを基調にバンド全体から出力される音に圧倒された”What If”において最も顕著に感じられた。
更にここで特筆しておきたいのが、オーディエンスをのせるツボを押さえた楽曲群を、確実に支えるバックの映像と照明の使い方だ。中でも”Shuffle”の時にバックに映し出された音に合わせて踊る何とも愛らしいガイコツの映像は、楽曲の持つコミカルさとも相まって、フロアのオーディエンスにうけまくりだった。そして、照明をその楽曲の質感や展開にしっくり来る色を、絶妙なタイミングで入れてくる。
セットの構成力や、無理なくフロアを沸かせるパフォーマンス力も半端なく高く、とにかく会場は終始大盛り上がりだった。”Always Like This”で周囲の人たちと肩を組んで飛び跳ねたあの瞬間は、今も脳裏に焼き付いている。この異様なほど完成度の高いステージは、ある意味とてもフジロックらしいステージだったと言えるだろう。多くのアーティスト/バンドが、他では観ることができない特別な演奏をするのがフジロックである。やはり苗場には、ミューズが住んでいるのかもしれない。ふとそう感じたのだ。
-Setlist-
Overdone
It’s Alright Now
Shuffle
Lights Out, Words Gone
Whenever, Wherever
What If
Evening/Morning
How Can You Swallow So Much Sleep
Home By Now
Feel
Luna
Always Like This
Carry Me
posted on 2014.7.25 18:20
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