BIFFY CLYRO
ストイックに真っ向から勝負
初めて楽曲を聴いた時に感じた「ストイックに真っ向から勝負」という、そのイメージがホワイト・ステージに立つ3ピースバンド、ビッフィ・クライロのライブを通して、再度頭の中に降り注いでいく。サポート・メンバーとして鍵盤とギターを含めた5人編成と、いつも以上にさらに厚みを増してはいるが…それでもあのメンバー3人がどれだけバンドアンサンブルを追求し、どれだけ鍛え磨き上げているかは一目瞭然だ。1歩後に下がってしまいそうになるくらいの強烈な圧(夜の時間のホワイト・ステージだっただけにメンバー3人の照明が煌々しく見え、その佇まいにもドキリとさせられた)、空気がビリビリッとするような重量感のあるサウンド自体がそれを物語っていた。
彼らが持つそもそもの熱量に比例してか、ライブスタートと同時にすでにメンバーの3人は上半身裸! 集まったオーディエンスも各々怒濤のように歓声を挙げていくけれど、”Different People”の冒頭がゆっくり鳴り響くと、その歓声が少しながら静まっていく。というより、静まらざるを得なかったのだろうか。一聴き手としては声を出すのも忘れてしまうくらい、ボーカル&ギターのサイモン・ニールの歌と美しいメロディに打ちひしがれてしまっていた。ただ美しいというよりは、その中に心の起伏も内包しているような、そんな手触りがある。
そして、“That Golden Rule”、 “The Captain”、”Sounds Like Balloons”と、ハードコアというか、グランジというか、衝動性があり、スピード感のあるナンバーを立て続け演奏。思うがまま自由にかき鳴らしていくサイモンのギター、唸りを上げるジェームズ・ジョンストンのベース、安定感と正確さを持ちながらもダイナミックなベン・ジョンストンのドラム…。それを前にメンバーと同じく上半身裸になっていくオーディエンスがいたり、モッシュも起きたり、とにかく沸きに沸く。ただ、こんなに純粋なエネルギーに満ちたメンバーの姿を見ればどうしたって感情が高ぶるし、合唱しやすいナンバーばかりだけに一緒に声を上げて歌いたくなってしまうのはもう自然な流れだろう。バンドとオーディエンスが固く結びついていく様を目にしているような気持ちにもさせられた。
彼らの魅力の1つとして、「動」と「静」のコントラストがハッキリしているところも挙げられる。バンド編成であれば、中盤に披露された”Biblical”もそうだろう。途中、サイモンだけがステージに残り、”God & Satan”を弾き語りしていく場面も。全13、14曲程度演奏してくれただろうか、その中だけでもこの彼らの明暗をじっくりと感じられるステージだったな、と思う。最後の最後には、フジロックと集まったみんなに対して敬礼を。どこまでも飾らないバンドである。
posted on 2014.7.26 20:00
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