MANIC STREET PREACHERS
共に歩んでいくバンド
マニック・ストリート・プリーチャーズは、年を経れば経るほど「味」が出てくるバンドであって、昔の曲を演奏しても、そのときに出せる音が違うし、その時々でその年齢にふわさしい音が出せるバンドなのだ。一緒に歩いてきたファンたちは、自身のそれまでとバンドに重ね合わせることができる。思い入れを作りやすいバンドなんだといえる。デビュー時の彼らはそうした「味」を出すことを否定していたことを考えれば皮肉なものである。だけど、その成り立ちは一層「味」を際立たせているのだ。
マニックスは、2日目ホワイトステージのヘッドライナーとして登場した。グリーンステージではアーケイド・ファイアが同時間帯でライヴをやっていて客席がかなり埋まっていたけど、こちらホワイトステージもそれなりにお客さんが集まっていた。デヴィッド・ボウイの「ア・ニュー・キャリア・イン・ニュー・タウン」が流れてメンバーが現れる。この曲はデイヴィッド・ボウイがベルリンに移住して音楽活動をしているときのもので、マニックスも新しいアルバムではドイツなどのヨーロッパ大陸に傾倒したものになっている。あのころのデヴィッド・ボウイに重ね合わせているようだ。ステージ背後には新譜『Futurology』のジャケットをあしらったバックドロップが飾られていた。アンプや客席にウェールズの旗がみえる。
いきなり”Motorcycle Emptiness”ではじまる。お客さんたちも、最初からのキラーチューンに歓声が上がった。。ヴォーカル/ギターのジェームス・ディーン・ブラッドフィールドは、歌うのをお客さんの合唱に任せる。1stから新譜までまんべんなく選曲されていた。やっぱりとくには初期と中期の曲は盛り上がる。前半に演奏された”Everything Must Go”、続いて”Suicide Is Painless”は懐かしくて涙が出てきそうだった。
ジェームスは洗いざらしのワイシャツにネクタイを締め、ジャケットを羽織っているので、完全にサラリーマンのおじさんにみえる。ベースのニッキー・ワイアーはパンツ姿で、以前は履いていたようなスカートを履いていない。ドラムのショーン・ムーアの正式メンバー3人と、サポートのギタリストとキーボーディストの5人編成である。
90年代半ばに失踪して戻ってこないリッチー・エドワーズのことを忘れないし、アコースティックセットで”The Everlasting”。この曲でジェームスの歌とギターの上手さが存分に発揮されたり、”You Love Us”でステージ狭しと暴れまくったりと、バンドの魅力を堪能できた。そしてやっぱり個人的なハイライトは”A Design for Life”で合唱になったところ。やっぱり思い入れもたっぷりあるし、このゆったりした重厚な曲は年を重ねるごとに魅力を増していくし、涙が出る。
ラストは”If You Tolerate This Your Children Will Be Next”。アンコールなしでメンバーは去っていった。もともとはアンコールをおこなわないバンドなんだから別にいい。もうちょっと聴きたい曲もあったけど、それでもいい。マニックスがこうして苗場にきてくれて、元気に演奏してくれたのだからそれで十分だ。
posted on 2014.7.26 22:00
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