UPENDRA AND FRIENDS
ネパールの風が木道亭に吹き抜けた
こういうアーティストが見られることこそがフジロックの醍醐味といっても過言ではない。これから木道亭に出演する、ネパール出身のキーボード奏者、ウペンドラ・ラル・シン率いるトライバル・ジャムバンド、ウペンドラ・アンド・フレンズも、まさにそういったアーティストの類いに入る。ネパールの民族音楽なんてワールドミュージックが好きでなければ、普段はなかなか出会えないものだ。少し肌寒い風が吹く木道亭に、ほぼオンタイムでネパールから来たミュージシャンたちが登場した。
ウペンドラが弾くキーボードから幻想的なサウンドが広がり、そこへネパールの民族楽器、バンブーフルートの美しい音色が重なると、さらにタブラやマダルといった打楽器がトライバルなリズムを繰り出す。思わず体が動いてしまった。バンブーフルートは4種類ほどが用意してあり、曲によって変えて演奏していたが、その音色はまるでネパールの高原に吹く風を思わせる。いやいやネパールなんて行ったことないのだ。しかし目を閉じると、紺碧の空高くに舞う鷹や、険しい高山の山道でヤクを連れて歩くネパールの人々の風景が浮かぶようだ。心がすっとするような響きなのである。
終盤にかかったとき、木道亭に太陽の光が差し込んだ。朝からぐずついた天気が続いたので、太陽の明るさがとてもありがたい。そのとき演奏されたのは、キーボードとバンブーフルートのみで奏でられる“Wind Of Naeba”。そう、フジロックに既に出演済みのウペンドラは、苗場をテーマにした曲を作ってくれているのだ。それがあまりにも美しかったので、是非フジロッカーズたちには聴いてほしい。ラストにかけてはテンポを上げて手拍子を促したり、各楽器のソロが入ったりして、木道亭の観衆からもかけ声が上がる。ステージ終了後「ここに呼んでくれてありがとう」と何度もお礼をいうウペンドラの姿が印象的だった。遠い国ネパールの優しい風が木道亭に吹いた。
posted on 2014.7.27 16:10
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