LORDE
17歳にしてもはやレジェンド!奇跡の歌が降り注がれた
ライブが始まるずいぶん前からレッドマーキーは満員御礼。期待と緊張が混ざり合った独特の空気感の中、17歳の歌姫を待ち受ける。真っ白い衣装に身を包んだ彼女がステージに登場すると、オーディエンスからは地鳴りのような大、大、大歓声。フジロッカーたちがどれほどこのステージを心待ちにしていたか、そのリアクションだけでもよくわかる。ミニマムなビートとダークなアンビエンスがレッドマーキーに響き、1曲目は”Glory And Gore”。LORDEの低く、神秘的なエナジーに満ちた歌声がフロアに解き放たれていく。
体を大きくゆっくりとくねらせ、髪を振り乱しながら歌う彼女は、ひと言で言えば神憑っている。妖しいパフォーマンスで披露した”Biting Down”での佇まいは、まるで一つのインスタレーションのようにも見えるほどだ。かと思えば、「コンニチハ!私ハLORDEデス」とたどたどしい日本語でのMCがなんともチャーミング。大歓声に迎えられた”Tennis Court”を歌い終えると、オーディエンスの盛り上がりに驚いていると語る。1曲1曲が、本当にクライマックスのような盛り上がりなのである。彼女自身も興奮を抑えられなくなったのだろう、”Buzzcut Season”ではついにステージから飛び降りて歌っていた。
大ハンドクラップに迎えられた”Swingin Party”、イントロで大歓声が起こった”400 Lux”と、曲が進むたびにレッドマーキーの恍惚感はどんどんと加速していく。LORDEもステージで踊りまくりながら”Ribs”を熱唱。そしてオーディエンスが最高潮の歓喜に包まれたのは、LORDEの名を世界に知らしめた”Royals”だ。レッドマーキーはシンガロングが鳴り響き、フロアが笑顔で埋まる。けして派手なサウンドではない。でも、こんなにオーディエンスが幸福に浸るのは、彼女の歌声が持つ魅力ゆえだ。LORDEは激しく体をくねらせて歌い、フロアが歓声と合唱で埋まる。きっと”Royals”を聴くたびに、この光景を思い出すのだろう。「“贅沢”より大事なものがあるんじゃない?」と彼女は歌う。そう、本当の豊かさって、きっとこういうかけがえのない瞬間のことを言うに違いない。
コーチェラやフジロックのようなフェスティバルのステージが自分の夢の一つだったとLORDEがMCすると、オーディエンスからは温かい拍手と歓声が上がる。LORDEもオーディエンスも、いま夢の中にいるのだ。”Team”では紙吹雪が舞い、レッドマーキーが喜悦に染まる。ラストの”A World Alone”は、フジロックのグランドフィナーレに相応しい華やかな熱狂を呼び起こした。ライブ後のレッドマーキーは、フジロックの最後の最後に決定的な瞬間を目撃してしまったという、放心状態にも似た余韻に包まれていた。誰がなんと言おうと、今年のベストアクトはLORDEに決定!
posted on 2014.7.27 20:30
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