LIVE REPORT GREEN STAGE 7/30 SUN

LORDE

もう女の子じゃない。

 伝説になりそうな2017年フジロック3日目、グリーンステージの女性シンガー3連発。バース、掛布、岡田のごとし。YUKIがゴージャスなバックバンドで年齢不詳な可愛さを振りまいたあと、ロードの登場である。この後、宇宙最高のビョークが控えている。北の最果てからきたビョークに対し、若き南半球代表として若干20歳のロードがどんなステージをみせてくれるのか。

 まだ明るさが残っているグリーンステージ。ケイト・ブッシュ(この人も今日のグリーンステージに出演してもおかしくない)の「Running Up That Hill」が流れて登場する。黒いタンクトップとロングスカート(ワンピースかも)にアディダスのスタンスミスを履いている。

 まずは、「Tennis Court」で始まる。ディスクロージャーとコラボレーションした「Magnets」と続く。新作『Melodrama』と前作『Pure Heroine』と割合はだいたい半々くらい。ステージ上を右へ左へ舞い踊る姿に魅了される。以前観たときがまだ17歳くらいだったのだけど、そのときから格段に綺麗になっている。スクリーンに映る彼女の顔をずっと眺めていたくなる。ステージ中央にはドラマーと両脇にキーボードというシンプルな編成。エレクトロニカな音に寄ったものだけど、ロードのヴォーカルの強さが印象に残るように組み立てられている。

「Homemade Dynamite」「The Louvre」など新譜の曲が生き生きと表現される。長いMC(すいません英語が聞き取れなかった)のあと、ステージの端に座ったままで歌われたバラード「Liability」がじんわり心に沁みてきた。一転して躍動感ある「Supercut」、やはり大ヒット曲の威力はすごかった「Royals」の盛り上がり。そしてスタンスミスを脱いで「Team」では、フォトピットに降りて最前列のお客さんにタッチしながら歌う、だけでなくモッシュピットの中に入って歌う。裸足だけど大丈夫? 今回のステージで感じることはパフォーマーとしての成長、そして貫禄がついて余裕もあるし大物感が備わっていること。この後がビョークだとしても問題ない。もう「女の子」じゃなかった。そしてラストの「Green Light」の盛り上がりはすごかった。強靭なビートに押し上げられて、ロードの歌が強さをどんどん増していき、ステージ前はものすごい盛り上がりをみせたのだった。

 Photo by 平川啓子  Text by イケダノブユキ Posted on 2017.7.31 01:36