FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTRED MARQUEE7/26 FRI

BIGYUKI

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Photo by リン Text by 梶原綾乃

Posted on 2019.7.27 11:22

耳の奥から、揺れる痺れる

ビッグユキこと平野雅之は、ニューヨークを拠点として活動する日本人キーボーディスト。名門音楽大学を卒業し、セッション・プレイヤーとして活動中だ。ジャズをベースに多ジャンルに広がるサウンドメイクのセンスと生みの速さとで、リスナーはもちろん、ミュージシャンからの信頼も厚い。ロバート・グラスパーは彼を「日本のロバート・グラスパーだ」と言ったとか。そんな話題を聞きつけたのか、深夜のレッドマーキーはかなりの混雑で、前方もぎゅうぎゅうだった。

さて編成はビッグユキ(key,syn)にランディ・ラニヨン(gt)、ティム“スミソニオン” スミス(dr)の3人。見てわかるとおりのバンド・セットだ。ビーンと張り詰めた重低音が響きわたり、“2060 Chiron”が始まる。繰り広げられたのは、レッドマーキー深夜にぴったり、ゴリゴリのトラップ・ミュージックだった!全身で浴びるローサウンドは、耳がめくれ上がるんじゃないかと思ったし、耳の底から震えを体感する。カット&ペーストを繰り返すようなバックトラックは邪悪な音をしている。同じくトラップ・ライクな“Burnt N Turnt”は、繰り返されるメイン・フレーズを、ビッグユキのシンセサイザーから、ランディのギターへと移していったのが衝撃的だった。ああいうフレーズを、ギターで再現するだなんて、想像すらできなかった。彼の紡ぎ出す音は多くの驚きにあふれていて、気がつけばその魅力にズブズブとはまっていく。ここは沼だ。

もちろん、“Red Pill”のような、ジャズに重心を置いた楽曲も。階段を急いで駆け下りていくようなピアノのイントロが印象的だが、録音や打ち込みではなくその場で演奏しており、その滑らかな音色とピアノの運指に釘付けとなる。また、Travis Scott“Antidote”のリミックスを披露し、現代ヒップホップに接近。ヒップホップを生演奏でという試みは、以前より取り組んでいたようだが、ヴォーカルありの楽曲でも彼のローは出し惜しみないのが気持ちいい。

私は彼らに対して「ジャズの人」という思い込みを持っていたのかもしれない。だとしたら大変失礼だった。彼は「研究者」だ。トラップ、ダブステップ、ソウル、R&Bなどに接近し自分のものしていく——そんなセカンド・アルバムの世界観をライヴでも見事に見せてくれた。誰から見ても彼らは挑戦的で、超絶テクニックだった。SNSのタイムラインには彼の目撃者たちの声が溢れ、より多くの人に伝わっていくことだろう。

ぜひ、次はホワイトステージで。ローをバリバリと鳴らしながら、酔わせてほしい。

[写真:全10枚]

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