FUJIROCK EXPRESS '21

LIVE REPORTROOKIE A GO-GO8/22 SUN

STAP Sigh Boys

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Photo by 白井絢香 Text by 三浦孝文

Posted on 2021.8.22 14:18

ここからはじまる未来への歩み

 今回の出演アーティストをブラウズしていて強烈に目に留まったのが、本アーティストのSTAP Sigh Boys。インド風の女装?アイルランド?そして高円寺在住?プロフィールを読んでもよくわからない。これは目撃するしかないと、新人アーティストの登竜門的ステージのROOKIE A GO-GOへと急いだ。

 例年は場外エリアだったが今年は場内で、苗場食堂ステージが昼間の時間にROOKIE A GO-GOとなる。以前はDJテントのブルーギャラクシーがあった辺りだ。長椅子が備え付けられ、間隔を空けて座るよう注意書きが施されている。ステージが完了次第、毎回消毒を徹底していて、ここでも主催者の絶対に感染者を出さないという覚悟が見て取れた。

 開演前からかなりの席が埋まっていて、注目度の高さがうかがえる。開演時間になると、突飛な音が飛び交う中、四方に黄色の立ち入り禁止のテープが貼られた緑のシートで全身が覆い隠された状態で登場。バックバンドを務める3ピースバンドのNeruQooNeluは白衣姿と、この出で立ちに興味をそそられたのか、前方の席を確保しに移動するオーディエンスが散見された。顔を少し出して歌っていたが、途中でシートをはがすと、両肩に肩を組みあっているように見えるキャップをかぶった人形2体が現れた。「基本的に初めてのライヴですから、めちゃくちゃ緊張してます!」という中で、みんなで肩を組んで僕の音楽を楽しんでほしいと気持ちが伝わってきたし、曲の最後に大歓声の音を入れたりして、この環境下でも最大限盛り上げようとする創作している様子には好感しかなかった。

 基本は、面白いサンプル音を入れ込みながらのベースが先導するファンキーなインディーロックだ。NeruQooNeluのKajiが出力するベース音は腰にビンビン来る。座って静かに観ていても身体の揺れを止めることができない。6週間前にはバンド形態としてのSTAP Sigh Boysは存在しなかったとのことで、「本当に本当に助けられた」と感謝の意を表していた。Black Flagを思わせるエキセントリックに疾走するハードコアチューンもB級感たっぷりで大好きだ。

 ラストの”You Could Be Love”でバンドが生み出す渾身のグルーヴの中、カズーを吹き鳴らしまくって爽快に完了。拍手が続く中、何とも恥ずかしそうにステージを後にした。初めてにして、フジロックという大舞台でのライヴは、可能性にあふれていた。ここをきっかけに、STAP Sigh Boys流の面白い表現をどんどん磨いて、出して爆発させていってほしい。彼の今後の一手に大期待だ。

[写真:全10枚]

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8/22 SUNROOKIE A GO-GO