フジロック前夜祭の前日、フランスのラ・ルーダが都内でライヴを行った。現地では、現代のマノ・ネグラと呼ばれているようだが、そのたたずまいはいちいち格好良いため、どちらかといえば洒落た雰囲気を持っていたネグレス・ヴェルトに近いかも知れない。スカを基本にポルカ、ミュゼットなどの小技を織り込んで、フジ前夜祭の前夜祭的な位置づけのイベントを盛り上げていた。

写真・文：西野太生輝

スペインのアラゴン自治区からやってきたマヤカンは、独自の言語であるアラゴン語と土地に伝わるバグパイプ「ガイタ」をセットに組み込んで、音楽を通して自分たちの文化を伝えている。ライヴの最後に持ってきたのは、ネグ・ゴリアック（フェルミン・ムグルザがかつて結成していたバンド）の楽曲、”ゴラ・エリア”。これこそが、彼らの気持ちを代弁している。バスク語の「ゴラ・エリア」とは、「がんばれ、地元（バスク）」という意味で、バスクよりも比較的スペイン寄りとされるアラゴンにおいても、自身のアイデンティティはスペインではなく、やはりアラゴンの旗のもとにあったのだ。

写真・文：西野太生輝