FUJIROCK EXPRESS'10 » 苗場食堂 http://fujirockexpress.net/10 フジロック会場から最新レポートをお届け Mon, 13 Sep 2010 16:31:08 +0000 ja hourly 1 http://wordpress.org/?v=3.0 石橋英子 http://fujirockexpress.net/10/?p=4859 http://fujirockexpress.net/10/?p=4859#comments Tue, 03 Aug 2010 14:52:38 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4859
 遅目の夕飯の時間帯だったせいか、ステージ前では石橋英子の登場を椅子に座ってのんびりと待つ人が多く目立った。彼女はシンガーソングライターでありピアニストでありドラマーでもある。ライブや音源では、山本精一、七尾旅人、灰野敬二、ナスノミツルなど名だたるアーティストと共演しており、楳図かずおの作詞作曲した「むかしトイレがこわかった!」をみんなの歌で歌っていたりもする。知れば知るほど石橋英子への興味は深まるばかりだ。さて今日は誰と一緒に演奏するのだろう。

 苗場食堂のステージに登場した石橋英子とともに現れたのは、ドラムの山本達久とヴァイオリンの勝井祐二(ROVOなど)。メンバーの2人をを紹介し軽く挨拶をしてから美しいピアノのイントロ「帰郷」がスタート。キーボードだけのサウンドから徐々にドラムとヴァイオリンが重なってゆき音に滑らかな厚みがついてくる。

 あたりに音が充満すると、苗場食堂の中だけでなく目の前の小高くなった場所も、ワールドレストランの入り口も素敵な空間に早変わり。レストランでディナー、なんて背伸びしたお洒落の空気ではなく田舎に帰って畳の上でくつろいでいるような落ち着いた感覚だ。のんびり食事をしながら、お酒を飲みながら生演奏が聴けるだなんて贅沢なんだろうか。あぁ、私も椅子を持ってくればよかった。

 美しい演奏にのせて「Postcard from Ghost」では「まるつぶれ めっためただ」「アル中になればよかった」などというドキっとするような歌詞が、家族団らん的な雰囲気の客席に容赦なく刺さる。刺さりはするが不快感や嫌悪感は感じないのが彼女の魅力の1つなのだろう。その証拠に演奏が終わったとき苗場食堂を埋め尽くした拍手は、とても暖かさに溢れていた。
_MG_5714 _MG_5737 石橋英子 KKM_8471 KKM_8430

写真:輪千希美
文:名塚麻貴

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RIDDIM SAUNTER http://fujirockexpress.net/10/?p=4957 http://fujirockexpress.net/10/?p=4957#comments Sun, 01 Aug 2010 16:45:25 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=4957
リディムサウンターはきっと若い人の音楽なんだろうと勝手に思い込んでいた私は間違っていた。苗場食堂という不思議な偶然勃発地帯で見たから、きっとそういう巡り合わせなんだと思う。今年のフジロックの締めがここで本当に良かった。

「(フジロックのみなさんは)雨に強いと聞いてますが、大丈夫ですか?」と表れたメンバーは5人。フジロック3日目の苗食のステージには、乗り切らないほどのエネルギッシュなパワーが溢れていた。

リディムサウンターを見て印象的だったのは、フルートの綺麗な音色とコーラスのハーモニー、トランペットや鉄琴など多彩な音色。それを乗せた軽快でハッピーなリズムに体を動かさずにはいられなかった。そんなテンションの中でも客席に投げかけるように丁寧に歌うボーカル田中の姿には目が離せない。

「まだ踊れますかー?」最終日、最後の最後まで楽しみたいお客さんの勢いは止まらない。スカ要素のある”I’m Dabbling”や3拍子の入った”Waltz of The Twins”など多様な音楽性でどれを聴いてもみずみずしくフレッシュな楽曲だった。ラストの曲が終わってもコールは鳴り止まず、アンコールは”What Comes After The Parade”で大きな手拍子とラララの大合唱。ステージは小さいながらも、とてつもない一体感が会場を覆っていた。
KKM_8697 KKM_8751 KKM_8812 KKM_8979 RIDDIM SAUNTER

写真:輪千希美
文:千葉原宏美

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カジヒデキ http://fujirockexpress.net/10/?p=4950 http://fujirockexpress.net/10/?p=4950#comments Sun, 01 Aug 2010 16:41:52 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4950

 登場するアーティストもあとわずかになったフジロック最終日の夜。苗場食堂のステージ周辺はいまだかつて無いくらいにギッシリとお客さんで埋まり、そして「彼」が登場するのを待っていたのだった。
 
「こんばんは、カジヒデキです(はあと)」

 あぁ全てのセリフに(はあと)を入れたい。ノンジャンルの出演者を誇るフジロックに、ついにミスター・スウェーデン、カジ君の登場である。集まれ森ガール! 集まれオリーブ女子!

 カジ君を中心にRiddim Saunterのメンバーが参加するパーカッション、ドラム、フルートで構成されたバンドは、アコースティック仕様。”パッション・フルーツ”からライヴは始まり、ハーフパンツに麦わら帽子姿のカジ君が「さぁみんな一緒だよ(はあと)」と客席に声をかけるのは”甘い恋人”。デスメタルの人が乱入して苗場食堂のステージが真っ赤な血で染まる……ような事はなく、お客さんも一緒にサビで大合唱。

 フジロック開催前、テレビ番組でブライアン・バートンルイスに苗場に連れて行かれたというカジ君。番組の中でフジロックのお客さんをテーマにしたという”ロックと長靴”を作曲したのがきっかけで、急遽フジロックへの出演が決まったのだという。フジロックのお客さんに捧げるというこの曲、苗場食堂の空気にもピッタリハマって、ほんとにポップでキュート(はあと)。

 後半はギターを持ち替えて、ロックモードのカジ君。再び降り出した雨にも全然負けないお客さんの熱気に、「サンキュー、ソーマッチ(はあと)」と嬉しそう。かつてCMソングにもなった”LA BOUM ~MY BOOM IS ME~”ではオアシスエリアのお客さんも大盛り上がり。本編終了後には熱烈なカジ君コール(アンコール)が起こり、急遽予定に無かった”ヘイ・ヘイ・ベイビー・ポップ”が演奏され、お店のお客さんまでも盛り上がっていた。カジ君が去り際に言っていたのけれど、「サンキューフジロックピーポー(はあと)」。そう、まさにそんな一体感を見せていたのだった。

_MG_5746 _MG_5748 KKM_8493 KKM_8520 カジヒデキ

写真:輪千希美
文:小田葉子

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Gellers http://fujirockexpress.net/10/?p=4576 http://fujirockexpress.net/10/?p=4576#comments Sun, 01 Aug 2010 11:50:42 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4576

 「あのギターの人、トクマルシューゴさんですよね?」

 「もうすぐ終わってしまうなぁ」的な寂しさをほんのり感じ始めたフジロック三日目の夜。苗場食堂にて「Gellers」のサウンドチェック風景を眺めていると、お客さんにそう尋ねられた。

 「Gellers」は2007年にルーキー・ア・ゴーゴーのステージに登場したバンドだ。直後に活動を休止してしまいとても残念だったのだけれど、今年になって復活し、再びフジロックのステージに登場してくれる事になった。メンバーには海外でも高く評価され、2009年のニューズウィーク誌で「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれてしまった(!)アーティスト、トクマルシューゴがギタリストで在籍している。しかし、彼らに対して特筆すべきは、そこではないのだ。

 メンバーと機材が乗りきった苗場食堂のステージは、もうすでにギュウギュウといった感じ。そしてそれはお客さんも同様で、そんな中、ライヴは始まった。

 ”M”でピアニカを吹いて見せるヴォーカル&キーボードの田代。彼はルーキーステージ出演の時もキレまくっていたのだけれど、今年の苗場食堂でも衝動のままにキレて大暴れ。”Buscape”の演奏中にドラムセットにダイヴし、機材を破壊する。しかしこのバンドが本当にオソロしいのは、それでもどこか冷めた(覚めた)視線の演奏が併行し続ける所だ。

 彼らの演奏の裏では、グリーンステージでトム・ヨークが登場する「ATOMS FOR PEACE」が演奏中だった。「アレ見ないで俺ら見るなんてバカか!」なんてMCで言われてしまったのだけれど、壊れたステージセットを直しているインターバルの間、トクマルがギターでさりげなくレディオヘッドの”Creep”のワンフレーズを爪弾いて見せた。すかさず反応するお客さん。そしてコッソリと続き始めた歌と演奏が、結局最後にはお客さんもサビで一緒にアンセム状態、大音量演奏で大盛り上がりに。こらこらこらっ。でも、まぁ、面白かったからいいか。

 機材が復活した演奏終盤、”9 teeth Picabia”でメンバー全員、狭いステージで蠢くようにキレ始める。ステージに座り込んでギターを抱えこみながら演奏を続ける川副。トクマルはギターを置きドラムスティックを持ったかと思うとシンバルを乱打し始めた。止む事なく演奏は続いている。ス、スゴい、コワい。
 
 行動に対する理論立てが存在せず、好きな事に対して一切の妥協がない子供の衝動。時としてオソロしいそれらは大人になるにつれ理性とか分別とかそういったものでねじ伏せられてしまうけれど、「Gellers」にはDNAとしてそのまま存在してしまっているのだ。彼らはそんな、稀有なバンドなのであった。

_MG_5712 KKM_8274 KKM_8333 KKM_8357 Gellers

写真:輪千希美
文:小田葉子

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ONE SHOT http://fujirockexpress.net/10/?p=3657 http://fujirockexpress.net/10/?p=3657#comments Sun, 01 Aug 2010 02:23:03 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=3657
 Flogging Mollyのライヴ帰り、苗場食堂から聞こえてくる音に導かれそのままライヴを覗いてみたら、予想以上にかっこいいので、そのまま全部見てしまった。演奏していたのはOne Shotという4人組のバンドで、初日のオレンジコートに小宇宙を映し出したMAGMAのメンバーを中心としたバンドだそうだ。

 音楽的にも本家・MAGMAの影響でプログレシッヴ・ロックの血をすすっているが、反復の多用やガラっと予想不可能な展開へと向かっていく辺りからは、最近のミニマル・ミュージックやマスロックと親和性があるようにも思える。それを可能にしてしまう職人と呼ぶべき卓越したテクニックには目が釘付けにさせられた人も多いだろう。高音から低音まで自由自在に、またジャンルを幅広く横断する堅牢な構築力にもまた惹かれるものがある。軽くのつもりで見ていたら、まさか最後まで見てしまうとは思いもよらなかった。それもこれも彼等の音楽に予想以上に惹きつけられたからだが。その引力の大きさはMAGMA譲りということのなのかもしれない。ギター、ベース、ドラムが火花を散らすように音符を乱れ打つ様子には驚かされたし、そこにジャズっぽいニュアンスの電子オルガンが絡み、独特のニュアンスを持ったプログレへと昇華。確実に新たな視界をこじ開ける、そんな力を秘めた世界がOne Shotの音楽からは創造されるのだ。

 音に誘われるままに覗いてみたライヴで、まさかここまで興奮できるとは思っていなかった。こういった楽しみを感じられるのも、そこら中で音楽を楽しめる環境があるフジロックならではだろう。ちなみに彼等は8月1日~3日まで東京でライヴを行う予定。気になった方々はぜひとも足を運んでみて、この独特のニュアンスを持った音世界を堪能してほしいものだ。

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写真:近澤幸司
文:伊藤卓也

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MORIARTY http://fujirockexpress.net/10/?p=3646 http://fujirockexpress.net/10/?p=3646#comments Sun, 01 Aug 2010 02:07:57 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=3646 _CH13908 _CH13918 _CH13935 _CH14084 _CH14094
写真:近澤幸司

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THE 9 MILES http://fujirockexpress.net/10/?p=3200 http://fujirockexpress.net/10/?p=3200#comments Sat, 31 Jul 2010 19:00:23 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=3200

 ホワイトステージからグリーンステージにかけて、多くの観客が溢れ返り苗場食堂に到着するまで1時間と経過してしまうはめに。かなりの時間を要して到着したところ、レゲエやロックなど多彩なジャンルを取り入れた5人編成のTHE 9 MILESがタイミングよく登場してくれた。

 初盤にはヴォーカルとコーラスの息がピッタリ合った、「ゼイタクトイキ」などのナンバーを演奏。歌詞の純粋さもさることながら、透明感のある歌声が心地よい風を吹き込んでくれる。加えてバンドの音からも、季節や風景を感じるところも嬉しい。

 そしてラストナンバーには、「ツキが廻る頃」」を。終演が近づくにつれて、ようやくメンバーの緊張がほぐれたように感じた。今回は苗場食堂という小さめのステージだったものの、ステージが広いときのパフォーマンスは一体どのような感じなのだろうか。いつか見ることができる日を、心待ちにしたいと思う。

 また彼らは7月7日に、アコースティックアルバム『宇宙船』をリリース。いつものバンドスタイルからは、またひと味違った魅力が詰め込まれている。歌とピアノのみや歌とギターそしてパーカスだけという、シンプルな楽曲もチェックしてほしい。

THE 9 MILES _CH002 _CH003 _CH004 _CH005

写真:近澤幸司
文:松坂愛

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Rory McLeod http://fujirockexpress.net/10/?p=3031 http://fujirockexpress.net/10/?p=3031#comments Sat, 31 Jul 2010 12:09:44 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=3031

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写真:横山正人

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MUSTANG http://fujirockexpress.net/10/?p=2480 http://fujirockexpress.net/10/?p=2480#comments Sat, 31 Jul 2010 02:33:27 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=2480

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写真:横山正人

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豊田勇造&YUZOBAND http://fujirockexpress.net/10/?p=2487 http://fujirockexpress.net/10/?p=2487#comments Sat, 31 Jul 2010 02:32:47 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=2487

_OK10676 _OK10713 _OK10767 _OK10769 豊田勇造&YUZOBAND

写真:岡村直昭

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ガンジー石原&糸車 http://fujirockexpress.net/10/?p=2114 http://fujirockexpress.net/10/?p=2114#comments Fri, 30 Jul 2010 11:52:01 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=2114

結論から言ってしまえば、面白かった。最高だった。そしていろいろ突っ込みたくなった。

まず、ガンジー石原&糸車とあるが、ガンジーという名前が、あのインドの「非暴力、不服従」の指導者マハトマ・ガンジーからとられているそうだ。糸車と書いて、インド風に「チャルカ」と読む。ガンジーの描写をするときに、決まって脇にあるあれだ。

本家ガンジーは痩せている印象だ。目の前にいるいくらか肥えた「ガンジー」も、きっと昔は痩せていて…と、そんな感じだったのだろう。ひょっとしたら、親交があった中島らもが付けたのかもしれない。が、似ているかもしれないと思う一方で、藤子不二雄Ⓐの自伝的作品、「まんが道」に出てくる満賀道雄に見えて仕方がなかった。ショックを受けたら真っ黒になって眼鏡が割れそうだ…とか思ってすみません。

リード・ギターとリズム・ギター、コーラスとベースが女性で、ドラムがいて、件のガンジー石原は真ん中でアコースティック・ギターを構えて歌う布陣で、マイペースながらも激しいロックをかき鳴らしていく。左太ももに穴の空いたパンツを履き、あの「金鳥」(大日本除虫菊)の柄が散りばめられているサイケなアロハ、そのうえに満賀道雄の笑顔が乗っかっている。MCはさすが文系といったもので、軽い調子ではあるが、言葉遊びなどを交えていた。

『人間はカトリセンコウ』という作品を発表しておきながら、一向に「金鳥柄のアロハ」には触れない。ヒッチコックが「爆弾」の存在を示しつつ、まるで違う映像を差し込む有名なじらしの手法のような…実はそんなに考えていないのかもしれないけれど、ユーモアが詰まった歌詞には、風呂に涙(tear)で「フロンティア」などなど…なるほどと膝を打つ描写が山ほどあった。アロハに触れないのは狙いか否か…そんなことで疑心暗鬼になっている私は、すでにガンジー石原の術中に落ちているのかもしれない。

写真:横山正人
文:西野太生輝

th_IMG_7931 th_th_IMG_7791 ガンジー石原&糸車 th_th_IMG_7833 th_th_IMG_7915 ]]>
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