FUJIROCK EXPRESS'10 » GREEN STAGE http://fujirockexpress.net/10 フジロック会場から最新レポートをお届け Mon, 13 Sep 2010 16:31:08 +0000 ja hourly 1 http://wordpress.org/?v=3.0 ATOMS FOR PEACE http://fujirockexpress.net/10/?p=4511 http://fujirockexpress.net/10/?p=4511#comments Sun, 08 Aug 2010 14:50:17 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4511 続きを読む ]]> ATOMS FOR PEACE

 今日音楽業界では有名バンドのメンバーが別プロジェクトを組むのがちょっとした流行だが、バンド名のごとく“原子力級”なバンドがフジロック最終日のグリーン・ステージにお出ましだ。レディオヘッドのボーカルのトム・ヨークとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのベースのフリーという、現代オルタナティブ・ロック界のアイコンを二人据えているだけでもお腹いっぱいなのに、それを陰で支えるのがレディオヘッドやトラヴィスなどのプロデュースでお馴染みの、音楽業界のトップ・プロデューサー、ナイジェル・ゴドリッチときたもんだ。さらにはR.E.M.でドラムスを担当していたジョーイ・ワロンカーとブラジル出身のマルチ・プレイヤーであるマウロ・レフォスコが演奏に加わるとあれば、ライブ観る前から悪くなるはずがない。そう思っていた。

 だが、私は真のアーティストの底力をなめていたかもしれない。これは以前、ボブ・ディランの来日公演でも感じたことなのだが、一流のアーティストは観客が期待の上の上をいくようなことをやってのけてみせる。彼らが造りだす音は、トムの楽曲にフリーのベースによってファンクネスが加わって、ナイジェルによって全体のバランスが整えられた音・・・・・・なんて単純な加算式で導き出せるようなものではなかった。

 無感情で無機質で機械的なエレクトニカ・アルバム『The Eraser』の楽曲は、トライバルなリズムが加わることによって熱を帯び、感情を持ち、野獣のような躍動感で耳に迫ってきた。それは今年のグラストンバリー・フェスティバルででトムとジョニーによって奏でられたシンプルでアコースティックなアレンジとも全く異なるもので、一音先の展開さえ読めなかった。音のプロ集団のプライドがぶつかり合うような鉄壁の演奏に支えられ、トムはレディオヘッドのときよりもいささかリラックスした様子。お馴染みのトム・ダンスもいつもより激しい。フリーもレッチリのときほどとまででは言わないものの、あのお馴染みの動きでスラップベースを鳴らしてみせる。トムとフリーが対峙してギター×ベースバトルを繰り広げる姿は「かっこいい」の一言で、観客からも大きな歓声が沸き上がった。

 一通り『The Eraser』からの楽曲を演奏した後、中盤に挟まれたのはトムのソロコーナー。ギター一本で奏でられた”I might be wrong”、ピアノ弾き語りによる”video tape”と、レディオヘッドの楽曲が、シンプルなアレンジで演奏された。これまでの攻撃的なステージの様子とは一変、夜の苗場がトムの暖かな声に静かに包み込まれていった。

 バンドのメンバーが再度ステージにあがってからも、特にレディオヘッドのキラーチューンを演奏するわけでもなく、淡々とステージは進んだ。途中のMCで「次の曲はThe BeatlesのPaperback Writerだよ」なんてギャグを言いつつ子供のように笑っていたトムに、最後の最後までかわされた気分だ。グリーンステージの後方までみっちりと集まった観客も、ライブ後にステージを去る熱狂的な歓声で送るというよりは、彼らの演奏に圧倒されて拍手をするのがやっと、というように見えた。こんなにも「置いてけぼり」感を味わったライブはかつてなかったように思う。ただそれと同時に、こんなにも鳴らされる一音一音に身震いを覚えたライブもなかった。

 タンクトップから胸毛が覗くトムも、ピアニカを吹くフリーも、コーラスをするナイジェルも、この先そう観ることはできないだろう。そして今晩聴いたあの音も、二度と同じように鳴らされることはないだろう。これぞ一期一会のライブの醍醐味。2010年夏、この一瞬の夢のようなステージを目撃できたことがだただ嬉しい。

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[setlist]
1. The Eraser
2. Analyse
3. The Clock
4. Black Swan
5. Skip Divided
6. Atoms For Peace
7. And It Rained All Night
8. Harrowdown Hill
9. Cymbal Rush

-Thom Yorke solo part-
10. I Might Be Wrong
11. Give Up The Ghost
12. Videotape

13. Paperbag Writer
14. Judge, Jury and Executioner
15. Hollow Earth
16. Feeling Pulled Apart By Horses

写真:前田博史
文:本堂清佳

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MUSE http://fujirockexpress.net/10/?p=2188 http://fujirockexpress.net/10/?p=2188#comments Sun, 08 Aug 2010 14:40:42 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=2188
今年、数々のフェスティバルでヘッドライナーを飾り、その勢いにとどまることを知らないミューズ。自分が1stアルバムの「ショウビズ」の”マッスル・ミュージアム”に衝撃を受け熱狂していた頃から月日が経ち、今や世界中から注目されるアーティストである事実は信じがたいもののように思えた。しかしそれは、今日のグリーンステージの一幕により、確信に繋がっていた。

ライブの開始は予定時刻より10分以上押して始まった。始まりは最新アルバム「レジスタンス」から”アップライジング”。グリーンステージは後ろの方までびっしりと人で埋め尽くされ、大歓声と大合唱のもと再び迎え入れた。そしてかき鳴らすスクラッチで始まる”スーパーマッシブ・ブラック・ホール”。ギターボーカル、マシュー・ベラミーのどこまでも高くのびる艶やかな美声が苗場を包み込んだ。夕方の雨は重たい湿気を残していったが、霧に包まれ不気味ささえ感じるステージはぴったりの演出になっていた。

”ニュー・ボーン”で一変して旧曲に。待ってましたとばかりに飛び跳ね、踊り出す人たちの光景がレーザーライトからこぼれた光に映る。この曲を聴いていた当時を思い出しながら、人で埋め尽くされた会場を見るのは圧巻だった。そうかと思えば3rd「アブソリューション」から”ヒステリア”が。攻撃的なベースのイントロが耳にこびりつく。スポットライトを浴びたマシューはここぞとばかりにギターソロを見せつける。そして再び新譜からの”レジスタンス”。選曲は新旧が織り混ざり、そのひとつひとつが違和感なく耳に届く。

終盤は”タイム・イズ・ランニングアウト”、”スターライト”でクラップの嵐。グリーン・ステージでの一体感、星のない夜空に、光を突き刺す。激しく重たい音と美しいメロディ。ひとつのカテゴリーに収まることのないエネルギッシュなライブは、初日を飾る堂々たるステージとなった。

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写真:古川喜隆
文:千葉原宏美

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サメ、現る http://fujirockexpress.net/10/?p=6271 http://fujirockexpress.net/10/?p=6271#comments Wed, 04 Aug 2010 21:42:35 +0000 org-riko http://fujirockexpress.net/10/?p=6271 グリーンステージ入り口付近にて、サメ発見!

あまりにも目立っていたので、カメラに納めさせていただきました。
左の彼が持っているボード、何に使うのか気になるところです。

苗場がスキーリゾートだから!?

文・写真:近藤英梨子

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グリーンステージで揺らめく旗 http://fujirockexpress.net/10/?p=6219 http://fujirockexpress.net/10/?p=6219#comments Wed, 04 Aug 2010 20:34:51 +0000 org-riko http://fujirockexpress.net/10/?p=6219

フジロックでちらほらと見かけるのが、旗を持つお客さんの姿。実はコレ、モデルとなったイギリスのグラストンバリーフェスティバルでは定番となるフェスの楽しみ方の一つで、前列から後方までものすごい数の旗が上がります。

今年のグラストでフジロックの旗を振ってくる予定だったのですが、ポールを入手できず、振らずじまいに終わってしまいました。そこで今回、フジロッカーの協力により、フジロックで見事リベンジを果たすことができました。ありがとう!

振るならばやはりイギリスのアーティスト! ということで、日曜日のグリーンステージ、オーシャンカラーシーンにて。日の丸とユニオンジャックが並んだ手作りの可愛いオリジナル旗を少し振らせてもらうことに。ライブ中、他にも「振らせてください」と女の子や外国人の方が声をかけていて、みんな気になる様子でした。

いざ振ってみると、ポールが旗に絡まったり、ずっと腕を上げているので1曲降るだけで意外に重かったりと、見ている以上に大変。でも貴重な体験ができ、楽しかったです。

終わった後は旗を持ったフジロッカーに声をかけて集合写真(ちゃんと撮れてなくてすみません…)。外国人のお客さんも飛び入り。

旗が気になる!と思ったあなた、ぜひ来年のフジロックでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?ポールは、旗用のものでなくでも釣竿やテントのポールで代用できますよ。

文・写真:近藤英梨子

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CHRIS CUNNINGHAM http://fujirockexpress.net/10/?p=3150 http://fujirockexpress.net/10/?p=3150#comments Tue, 03 Aug 2010 16:00:26 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=3150

キモイ、怖い、痛快、凄い!

フジロックに来ている、特にクリエイター達にこれほど強烈なカウンターパンチを浴びせてくれた人もいないのではないか。

通常、どんなアーティストでもステージ上のサウンドと映像がマッチしてひとつの作品として完成されているケースは稀で、大抵の場合、映像は“添え物”である場合が多い。また、「アレコレ口出しした結果」と思わされるような欲望丸出しのものも見られる。映像と音が一体となったステージなんてなかなか拝めるものではない。こんな2時間映画より強いインパクトをグリーンステージでやってのけるとは…この先、こんな空間を体験できることがフジロックであるのだろうか?

“肉体”にこだわり抜いた彼の映像は多くが人間の裸体である。裸でボコりあう男女に炸裂するビート、寝ている間に顔をアレコレやられる子供は、まるで繰り出されるノイズがいたずらしている様だ。時折差し込まれるグッチのフローラの映像がキレイで、逆に怖かったりする。…センパイ勘弁して下さいよおなかいっぱいっスと言いたかった人も多かったのではないかと思うくらい、振り向くと口を開けてポカーンとしている人、人、人…ああ、ラバージョニー!気味が悪いのに忘れられない。

完璧な映像と音のリエゾンからレーザーが山に向かって発せられる。足もとの水たまりにグリーンの光が反射して見とれる。ここはどこ?

こんなエグイ映像ばかり作っている本人が普通にイケメンってところも意外性があって良い。ブサイクなら好感度アップ。まあ顔は何でも良い。大体ステージ真っ暗で映像以外なにも見えなかったから。

重ねて言うが、フジロックに来ていながらクリス・カニンガムを見なかったクリエイターはyoutubeでも何でも探してみるべし。そして散々、後悔して、高いお金払って、どこか海外に飛んで行ってでも見るべし。その価値はある。

何度でも言う。いやはや、エライもん見せられてしまった。

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写真:森リョータ

文:mimi

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SCISSOR SISTERS http://fujirockexpress.net/10/?p=4927 http://fujirockexpress.net/10/?p=4927#comments Sun, 01 Aug 2010 15:58:09 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=4927
強くなる一方の雨は遠慮を知らず、さすがに参る。足元がピカピカ光り、気を抜けばマンガのようにひっくり返る危険すらあるのに、奥地から戻ってきた人たちも、グリーンステージから発せられる磁力によって、どんどんとモッシュピットに吸い込まれていく。時間よ止まれ。そう願う人たちの最後の宴がいよいよスタートした。

フジロック前にリリースされた4thアルバム、その名も『Night Works』。高らかと、Sissor Sistersの代名詞を宣言したこのアルバムは、まさに原点回帰。胸のはだけたジャケットに、遠めからみてもどうやら網タイツから半裸を経て、最後にはパンイチに……深夜の物好きが集まる名残惜しさもどこへやら、ジェイクの本気具合にただただ爆笑。姐さん!そう呼ばれる人は、きっと美人と強さとエロさを持ち合わせた人だと再確認させてくれるのが、胸元の大きく開いたレザーのドレスに、濃い目の化粧のアナがジェイクの隣に凛々しく立つ。

『Night Works』からの曲を中心に、ジェイクとアナの極上エンタテイメントは、夫婦漫才の掛け合いのように、お互いステージの端と端で投げかける視線が遠くなっても、ぶれることのないジェイクとアナ。時として、スクリーンにどアップで映し出されるのは、アナに支配されたジェイクとのいけない情事。世の中のあらゆるすべての事柄の原点=支配者と被支配者の関係を表す縮図の原点ともいえる人間の生々しい面を惜しげもなく曝け出した。それはタイトでポップな曲であればあるほど、オーディエンスが狂おしく踊れば踊るほど、相反する支配と被支配の関係が鮮明になっていった。前回、フジのステージに立ったのは、2006年のホワイト・ステージ。あの時には、バンドよりもステージが遥かに大きく見えたのに、この日はどうしたことか、グリーン・ステージが小さく見え、完全に3万人のオーディエンスを一気に飲み込んだ。

Scissor SistersはScissor Sistersであるのに、メディアによって、そして世界中の人たちによって、Scissor Sistersが勝手に独り歩きしてしまい、Scissor Sistersが本来のScissor Sistersでない時期もあった。こういうことはScissor Sistersに限らず、超破格のビッグ・ウェーブを起こしたバンドにはよくあること。Scissor SistersがScissor Sistersであることを勝手に操作され、Scissor SistersがScissor Sistersであることを見失いかけた時期もあったという。だがScissor SistersがScissor Sistersであることを堂々を証明してくれた。フジロック最終日、最後まで天はフジロッカーズに微笑むことはなく本格的に降ってきた雨とは裏腹に、原点回帰して、晴れ晴れとしたScissor SistersであるScissor Sistersがそこにいた。
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写真:前田博史
文:ヨシカワクニコ

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DONAVON FRANKENREITER http://fujirockexpress.net/10/?p=4156 http://fujirockexpress.net/10/?p=4156#comments Sun, 01 Aug 2010 14:40:41 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=4156

 その場にいるだけでも、思わず顔が緩んでしまうライヴ。フジロック内で最も大きいステージにも関わらず、DONAVON FRANKENREITERのステージは常にアットホームな空間が広がっていた。

 なぜかTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」がSEとして流れ、集まったオーディエンスのボルテージがアップ。けれど当の本人は、いたって自然体のままステージに登場。そして演奏がスタートすると、輝かしい音たちがどんどん散らばっていく。思わず体を揺らしてしまうほど、リラックスできる歌とサウンドだ。ただひたすら、音に身を任せていたように思う。

 夏にピッタリ合うナンバーを数曲披露してくれたところで、ステージ後方に用意していたクーラーボックスからビールを手にする彼。すると手に持ったビール缶を観客に渡し、乾杯するなんてことも。彼が誰からも愛される理由が分かった気がした。また、覚えやすいメロディが特徴的な「Free」に入る前には、数多くのビーチボールが観客のいる場所へと投げ込まれていく。ビーチボールを空高く上げながら、大合唱していくオーディエンスたち。気付くと自分も一緒になって、合唱に参加してしまっていた。彼の音楽は、とてつもなく幸せな雰囲気が漂っているのだ。

 後半戦に演奏された「It Don’t Matter」では、ステージを降りてオーディエンスにマイクを向ける彼。しかもひとりの観客に歌わせてしまうという、とびきりのサプライズを用意。しまいにはマイクごと渡してしまい、一人ひとりたらい回しに歌う一幕も。見ているだけでも、至福の気分にひたれる時間だった。

 一瞬にして人を笑顔にしてしまう彼のステージ。こんなにもハッピネスに満たされるライヴに、立ち会えたことがなにより嬉しい。

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写真:穂谷益代
文:松坂愛

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MASSIVE ATTACK http://fujirockexpress.net/10/?p=4764 http://fujirockexpress.net/10/?p=4764#comments Sun, 01 Aug 2010 13:27:00 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4764
今年に入って5枚目のアルバムとなる『ヘリゴランド』を発売したマッシブ・アタック。前回フジロックに登場した時もアルバム『100th Window』直後の2003年だっただけに、もしかして…と思ったファンもいたのではないだろうか。実に7年ぶりのオリジナルアルバムをたずさえた苗場でのライブは、前回と同様に異常にクオリティの高いサウンドとビジュアルにあわせて強いメッセージを宿したものであり、フジロッカーズの心に深く重い問いを投げかけていた。

アトモス・フォー・ピースの興奮が覚めやらぬグリーンステージ。風鈴のような鈴のような音色のSEが響くなか、青い照明に3Dことロバート・デル・ナジャの姿が浮かび上がり、「ユナイテッド・スネイクス」からライブはスタートした。白い閃光が走る中スモークがたかれ、最終日のヘッドライナーの登場を目撃した客席から、静かだがたしかな喜びを伴った歓声がわき起こった。マルティナ・トップレイ・バードを招いて「バベル」、「ライジングサン」と『ヘリゴランド』からのナンバーが披露され、おさえた展開ながら隙のない完璧なステージにグリーンステージの客席がさざ波のように揺れ始める。

レゲエの雄ホレス・アンディを招いての「ガールアイラブユー」に続いて、「サイケ」、「フューチャープルーフ」、そして名曲「ティアドロップ」。細身でキュートなマルティナが発するハスキーで芯のある独特の歌声が夜の苗場に染みていくにつれ、雨脚が強まる厳しい環境がおだやかな浮遊感に包まれていく。アルバムとは全アレンジが異なることも手伝って、何度も繰り返し聞いた楽曲がまるで別の作品のように感じられた。

ステージ中盤からは再びホレス・アンディを招いての「エンジェル」、「セーフフロムハーム」、「イナーシアクリープス」といったおなじみの楽曲が立て続けに演奏された。マッシブアタックといえばメッセージ性の強いビジュアルの展開がライブでの大きな魅力であるが、前回のフジロック同様日本語にローカライズされた彼らのステージは若者を中心としたフジロッカーズに衝撃を与えた様子である。

たとえば、アウンサン・スーチーやネルソン・マンデラらの談話を引用するという形で自由や民主主義についてのメッセージが投げかけられる「セーフフロムハーム」では、雨の中大はしゃぎしていたカップルが楽曲が進むにつれてだんだん静かになり、最後にはふたりで手を取り合ってじっとスクリーンを見つめるようになっていた光景が印象的であった。また、「イナーシアクリープス」では、3万匹のミツバチが消えたニュースや捕鯨問題をはじめ、一般のマスコミでは大きく取り上げられないようなメッセージ、国内の政治や芸能といったトピックスが次々にスクリーンでとりあげられ、モッシュピットにいる熱心な観客の中からも「キツイな」「メッセージ性強すぎて、ヤバイ…」といったひとりごとが聞かれるほどであった。

マッシブアタックの楽曲に触れて感じるのは、ただ騒いで発散したり感動して涙するだけではなく、魂の深い部分まで降りていってじっくりと考える契機としても音楽は大きな力を持っているということである。その意味で、今回のステージもまた大成功であったといえるだろう。しかし、自由や民主主義、あるいは大手マスコミが取り上げないようなディープなニュースといったモチーフは911を経てリーマンショックを経験した現在の私たちには若干古くさく感じられるのも事実であろう。

今進行している、現在の私たちに、7年ぶりに現れたマッシブアタックはどのようなメッセージを投げかけるのか。その姿勢は、アンコール最後の曲に選ばれた『ヘリゴランド』10曲目の「アトラスエアー」とそのビジュアルにあらわれていたように感じられる。ステージには線画で自転する地球が映し出され、国境を越えて飛行機が飛んでいく様子が航空路線の形で描写されていく。続いて表示される、たくさんの国旗。そしてそれと同列に表示される「ジョンソンアンドジョンソン」や「マクドナルド」「アップルコンピュータ」といった多国籍企業のロゴーマーク。それは私たちの住む社会は市場経済を中心に回っていることを改めて示すものにも見え、私たちは個人の力ではあらがうことができない「何かに」支配されているのではないか?という問いをフジロックという非日常に浮かれている私たちに突きつけているようにも感じられた。

デーモン・アルバーンの登場こそかなわなかったものの、フジロックフェスティバル2010の大トリとして大きなインパクトを残したマッシブアタック。ステージ終了後「雨の中ありがとう」との言葉を投げかけたロバート・デル・ナジャとメンバー全員の笑顔が、そのステージの成果を証明していたといえるだろう。

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写真:前田博史
文:永田夏来

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BOOM BOOM SATELLITES http://fujirockexpress.net/10/?p=4362 http://fujirockexpress.net/10/?p=4362#comments Sun, 01 Aug 2010 09:17:24 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4362

俺たちが日本のブンブン・サテライツだ! というような自信と誇りに満ちたライヴだった。

ブンブン・サテライツはフジロックに何度も出演して縁が深いので、ホーム/アウェイでいえば、ホームといってもいいくらいだけども、グリーン・ステージに立つのは初めてである。ホワイト・ステージでは存分に力をみせている(2005年のライヴはDVDとして商品化されたくらい)けど、大きさが2倍となるグリーン・ステージではどうなのか。グリーン・ステージが大きすぎて力不足を露呈したバンドだっているのだ。

演奏が始まると、お客さんはだんだん増えていって、泥田のようにぐちゃぐちゃになっているPAブース脇のスペースまで埋まるようになった。それは、もちろん次に演奏するバンド目当ての人が多かったからなんだろうけど、ブンブンへの反応をみていると、そういったお客さんを巻き込んでいくだけのパワーを存分に発揮できたのだ。

それはブンブン・サテライツがグリーン・ステージにふさわしい音楽的なスケールの大きさを獲得したからだろう。今までホワイトステージで聴いてきた”Fogbound”や”Kick It Out”や”Dress Like An Angel”の激しさや、音の厚みが何倍にもなってグリーン・ステージの隅々まで届くようになったのだ。

ライヴは”Easy Action”で始まった。ヴォーカル/ギターの川島はステージ駆け巡りお客さんを煽る。川島のギターはハードで、ラウドで、かつ鋭く、中野が操る電子音や攻撃的なベースと一体となって迫力を生む。川島はギターの、中野はベースの、フライングVを持っているのだけど、二人が並んでそれを上に掲げ、お客さんを沸かせた。この日の一番の聴きどころは”Stay”のゆったりとしてスケールの大きい音像をグリーン・ステージで十分に再現できたことだ。またひとつステップアップして、次の段階に進んでいることを確認できたものだった。

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写真:前田博史
文:イケダノブユキ

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VAMPIRE WEEKEND http://fujirockexpress.net/10/?p=4222 http://fujirockexpress.net/10/?p=4222#comments Sun, 01 Aug 2010 07:50:48 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4222

ロックにとっての「垣根」は、昔はルールとか政治とか、社会的なものに対し存在していたように思う。しかし最近では、もっぱら垣根は音楽ジャンルに対して建てられ、そして昔と同じようにその垣根を若き才能が飛び越えていく様を見せているようだ。ロックの名を冠した苗場の夏が音楽の多様性に満ちたものであったり、アメリカから来たこのバンドが、インディーロックのフォーマットでワールドミュージックを取り込んでみたりするように。

さわやかさ的にはちょっと惜しい空模様に対し、ステージ上にヒョロリと現れたハーフパンツ&パステルカラーのヴァンパイアウィークエンド。のっけからスカのように裏拍でメロディーを走らせる「Holiday」でじっと待っていたオーディエンスの体をほぐしにかかった。音源やクリップでのポップな印象は、再現される曲の楽しさや外見からそのままである。けれども意外にも音の足腰はしっかりとしており、ローファイなペラペラ感にニヤニヤするというよりは、彼らのエッセンスでもある中南米〜アフリカのリズムに身を投じるような感覚でライヴを堪能させてくれる。

今年の名盤として年末頃にまたあのジャケと対峙させられそうな『Contra』からだけでなく、ファーストアルバムからもバランスよく楽曲が披露される。中でも盛り上がったのは中盤の「A-PUNK」であろう。ギター、キーボード、そして声というカラフルな音のレイヤーが、軽やかだけどブレないリズムの上で弾む。広いグリーンステージのクラウドが揺れ、後方でもなんとなくの姿勢で見ていたであろう人が徐々に身を踊りに変化させていく様子も見られた。

フェスティバルにふさわしい、祝祭の彩りを見せた時間だった。願わくば晴天の下で、というわがままも出てきそうな彼らのカラフルなサウンドは、高い再現性をもって鳴らされた。だが、やっかいな曇天もまた、彼らの多様性の中に内包されたのかもしれない。だって僕と、その他多くの人は、彼らの時間を使ってずいぶんと体を揺らされていたわけだもの。

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写真:穂谷益代

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OCEAN COLOUR SCENE http://fujirockexpress.net/10/?p=4009 http://fujirockexpress.net/10/?p=4009#comments Sun, 01 Aug 2010 04:49:12 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4009

 曇り、時々晴れ、微風というフジロック3日目昼間のグリーンステージに登場したのは、オーシャン・カラー・シーン。何度かフジロックには登場しているので、お馴染みのバンドである。すでにベテランといっても差し支えない年月を重ねたバンドであり、その年月からくる貫録や余裕をステージ上で十分に発揮していた。

 始まる前は、ビートルズの『アビー・ロード』が流れていて、いかにもという感じがほほえましい。登場してまずは、”The Riverboat Song”から始まる。賑やかなギターリフが鳴りステージ前のお客さんは歓声を上げる。早くもハンドクラップを要求してステージ前が応える。それをみてご機嫌な表情でビールを飲むヴォーカルのサイモン。続いて演奏されたのが、”The Circle”。『モーズリー・ショールズ』2連発でオールドファン歓喜の流れである。

 ”Profit In Peace”では、ドラマーのオスカーが歌いだしのヴォーカルを取り、サイモンが本編を歌う。この「平和には利益がある」というストレートすぎる反戦ソングは最近のオーシャン・カラー・シーンで繰り返されるメッセージである。そして、お客さんたちに「Don’t wanna fight no more~」とサビを合唱させる。”Magic Carpet Days”のマンドリン(?)はローディの人が演奏する。このローディの人はテルミンを演奏したり陰ながら活躍していた。

 新しいアルバムの曲をもっともっとやってくれた方がよかった。中盤は少しマッタリしすぎたかなと思えるだけに、”Sing Children Sing”とか”Rockfield”とか、やってほしかったのが正直なところ。もしかしたら、苗場のユルい空気に感化されたのかもしれない。締めに”Hundred Mile High City”、そして”The Day We Caught The Train”とみんなが待ち望んでいた曲を演奏。”The Day We Caught~”では、サイモンがコーラスを促し、それに応える。思えば99年の3日目のグリーンステージでもこの今日で大合唱したことを思い出し、10年経っても変わらなさに感慨にふけり、そしていまだに、この場でこの曲を聴くことができることに感謝してしまうのだ。

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写真:穂谷益代
文:イケダノブユキ

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ASIAN KUNG-FU GENERATION http://fujirockexpress.net/10/?p=3805 http://fujirockexpress.net/10/?p=3805#comments Sun, 01 Aug 2010 03:07:48 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=3805

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写真:穂谷益代

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太陽キターーー! 9:00 苗場の空 http://fujirockexpress.net/10/?p=3594 http://fujirockexpress.net/10/?p=3594#comments Sun, 01 Aug 2010 00:07:35 +0000 org-riko http://fujirockexpress.net/10/?p=3594

久しぶりに、太陽がサンサンと輝いています。体中が痛いけど、晴れパワーで頑張れる!そして、毎年早すぎる!!と思ってしまうのだけど、本日がフジロック最終日。悔いのないよう遊び倒しましょう!

ゴミの分別もよろしくお願いします。
世界一クリーンなフェスを作るのはあなた!

(あの鐘を鳴らすのは… 鳴らしたい人はドラゴンドラに乗って天上界へGO!)

そして、晴れているけど道は一部ぐちゃぐちゃしています。足元が滑りやすいので気をつけてください。

文・写真:近藤英梨子

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南半球からコンニチワ~ http://fujirockexpress.net/10/?p=3530 http://fujirockexpress.net/10/?p=3530#comments Sat, 31 Jul 2010 22:57:34 +0000 org-riko http://fujirockexpress.net/10/?p=3530 今年でフジロックも14回目。海外からのお客さんも増えてきました。

オーストラリアから遊びに来ていた、初フジロックの4人組をパチリ。海系のかぶりものが、とってもお似合い!


「フジロックは、いつも泥んこなの?」と聞かれました。
もちろん答えはイエスで!

ちゃんとトレッキングシューズを履いていて、少し驚きました(笑)。
私も一度はビッグデイアウト(オーストラリアのフェス)に行ってみたいです。

 

文・写真:近藤英梨子

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スタッフエリアも遊び心いっぱい http://fujirockexpress.net/10/?p=2874 http://fujirockexpress.net/10/?p=2874#comments Sat, 31 Jul 2010 22:30:32 +0000 org-riko http://fujirockexpress.net/10/?p=2874 川やちょっとした道端で戯れるgonchan、木の上の目玉などフジロック会場には、遊び心がいっぱい。それは、スタッフエリアも同じです。ここで一部をご紹介。

 

アーティストも通るグリーンステージへ続く道には、通るだけで楽しい仕掛けがあります。

まず、駐車場からの入り口では、シャンデリア風の飾りが揺れています。コレは奥地のハバナナイトにあるものと同じ。

そして、道の両側にはハットが2つ。


もしかして、忘れ物…!?と思ってよく見てみると柱にしっかりと固定されていました。

グリーンステージ側に行く橋の手間では、ちょい悪gonchanが見守っています。

そして、橋はゴールドのリボンと赤いバラでちょっと豪華に。

 

文・写真:近藤英梨子

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JAMIE CULLUM http://fujirockexpress.net/10/?p=2931 http://fujirockexpress.net/10/?p=2931#comments Sat, 31 Jul 2010 17:00:31 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=2931

 ただ淡々とピアノを演奏するわけではなく、1曲という短い時間の中でも最大限のステージングを披露してくれるジャズ・シンガー。それがピアノを自由自在に操ることができる、JAMIE CULLUMだ。

 約6年ぶりにグリーンステージに立つ彼は、4月に来日公演を開催するなど勢力的な活動を展開中。しかも1月には、なんと約4年ぶりにアルバム『ザ・パースート』も発表している。日に日に勢いが増している彼は、一体どのようなステージを見せてくれるのだろうか。目の前に起きる光景を想像しながら、出番を待ちわびていた。

「盛り上がっている?」という彼の一言から、ライヴの本編がスタート。鍵盤を力強く弾くと思えば、急にステージ上を走り回っていく彼。しかもピアノの上に登り、そのままの状態で歌うなんてことも。といってもどのような場面でも、歌を大切に紡ぐことは決して忘れることはない。いつもありったけの力を注ぐように、メロディを繋いでいくのだ。息づかいまでもが繊細で、時おり聴いているだけで涙腺が潤んでしまうことも。

 またラスト曲の前に彼はステージを降り、ハイタッチをしながらオーディエンスが集まる通路まで走りぬけてしまった。すると一瞬にしてハイタッチを求める人達が集結。柔軟性のある彼の姿に、思わず惹かれずにはいらなかった。

 新世代のジャズ・ミュージシャンと呼ばれる彼。今後もさらに表現者としての新境地を開拓してくれるはず。彼が作る音楽の渦に、早くも飛び込みたいという気持ちばかりが膨らんでいる。

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写真:熊沢泉
文:松坂愛

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KULA SHAKER http://fujirockexpress.net/10/?p=3027 http://fujirockexpress.net/10/?p=3027#comments Sat, 31 Jul 2010 14:19:42 +0000 brown80000v http://fujirockexpress.net/10/?p=3027

 ライブ前にざっと降り注いだ雨がけだるい湿気を残した昼過ぎのグリーンステージ。最前列では青春時代にクリスピアンに青春を捧げたであろう女子達が、今もその当時と変わらぬ乙女な眼差しでステージを見つめていた。そんな熱い視線の中、クリスピアンは、赤いスキニーパンツに黒いジャケットを羽織り、首にはぐるぐる巻きのストールと、乙女達の夢をいつまでも壊すことがない王子様スタイルで登場。この細さにこの白さ、相変わらず肉は食べていないんだろな。

 ・・・・・・とゴメンナサイ、どうしてもクリスピアン王子の話題から入ってしまうけれど、これはクリスピアンのソロプロジェクトではなく、あくまでもKULA SHAKERのステージ。ベースはベレー帽にジャケットという紳士スタイルでキメたアロンザ、ドラムはニット帽にハーフパンツというスポーティーなスタイルのポール、キーボードは結成時メンバーであるジェイではなく、太いもみあげに真っ白な服が素敵なヘンリー、という編成だ。

 2007年に出演したときと同様に昼間のグリーンステージでの出演となった彼ら。今年のステージには、愛するKULA SHAKERだからこそ、苦言を呈したい。ライブの直後に私の頭の中を巡ったのは、6月にリリースした『Pilgrim’s Progress』のリードトラックである”Peter Pan R.I.P.”だった。この曲に込めた想いについてクリスピアンは、「夢を持たない大人になることは悲しいことだけれど、大人になりきれないピーターパンのような人間もダメだ、そのバランスは難しい」と、そんなことを言っていた。この話はバンドについても当てはまるのではないだろうか。昔の良さを変わらずに保つことと、新たなスタイルを確立すること、そのバランスもまた難しい。だが、ときにはピーターパンを葬る勇気も必要だ。

 今回演奏された楽曲は、”Hey Dude”、”303″、”Govinda”と、フジロックを含むこれまでの来日公演では必ず演奏されてきた彼らの定番曲ばかり。『HUSH』のEPに収録されていた”Under the hammer”を演奏するなど往年のファンには嬉しい選曲もあったけれど、新譜からは”Peter Pan R.I.P.”など3曲、再結成後の復帰作となった前作『Strangefolk』からは1曲も演奏されなかった。しかも新譜への観客の反応は、正直寂しいものだった。彼らは通算4枚目となるオリジナルアルバムを出したばかりの“現在進行形”のベテラン・バンドなわけで、極端なことを言えば昔からのライブ定番ソングを封印する潔さもあっていいように思う。このままでは新たなライブ定番ソングは産まれない。いつの日かフジロックでも懐メロバンド的扱いになってしまうんじゃないか・・・・・・なんていうのは私の杞憂だろうか。

 たまたま近くで観ていた外国からのお客さんに「Do you know this band? ナツカシイね!」なんて言われちゃって、昔からのファンの私はなんだか悲しかった。”HUSH”の冒頭のかけ声を「イチ、ニ、サン、シ!」と日本語で叫んだり、公開録画でファンからの質問に答えたりと、近年のファンサービス旺盛でお茶目なクリスピアンもいいけれど、ちょっと近寄りがたい雰囲気があったストイックなあなたがちょっぴり懐かしかったりして。うーん、乙女心は複雑。

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写真:直田亨
文:本堂清佳

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ROXY MUSIC http://fujirockexpress.net/10/?p=3177 http://fujirockexpress.net/10/?p=3177#comments Sat, 31 Jul 2010 13:48:53 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=3177
 2日目グリーンステージのヘッドライナー(その後にスペシャル・ゲストとしてクリス・カニンガムが登場する)を飾ったのはロキシー・ミュージックである。ジョン・フォガティ後から降りだした雨は一時期強くなり、地面はぬかるむ。お客さんのテンションは微妙なものになってしまった。正直、満員とはいえないけど、おれにとっては、フジロックでロキシーを観ること自体が夢のようなことなので気にしない。

 少し時間が押してバンドが登場する。ブライアン・フェリー、フィル・マンザネラ、アンディ・マッケイのオリジナルメンバーと、オリジナルメンバーで一時期バンドを離脱していたけど正ドラマーの座に返り咲いたポール・トンプソン、黒人のコーラス嬢4人、ベーシスト、サイド・ギターに若手っぽい男子、キーボードに最近ずっと関わっているコリン・グッド、ブライアン・イーノ(電子音を出す)とエディ・ジョブソン(ヴァイオリン)の役をやるのは、セクシーなコスチュームに身を包んだルーシー・ウィルキンズという女性である。

 まずは、”Re-Make/Re-Model”で始まる。スクリーンには、過去のアルバムジャケットなどのロキシーのエロ名場面が次々と映し出されていく。後は、ベスト・オブ・ロキシーというような選曲で、前半と後半は激しめで、中盤は比較的まったりとした曲を並べた。アンディのサックス、ピアノ、ヴァイオリンが奏でる”Tara”から、長いピアノソロを経て”A Song For Europe”に入っていくところが、非常に美しい。霧に包まれ、ひんやりとした空気が漂う苗場に染み込むようだった。

 ジョン・レノンが亡くなったときに追悼として発売されて、イギリスで1位になった”Jealous Guy”は、フェリーの口笛がいつ聴いても切ない。この曲の次から再びテンポアップ。昨日、!!!(チック・チック・チック)がカヴァーしていた”Virginia Plain”。「恋はドラッグ」とフェリーの美学を象徴したような”Love Is The Drug”と続き、”Editions Of You”では、なんと布袋寅泰がゲストで登場。ギターを手にしてマンザネラと共演する。彼自身98年以来(?)のフジロック出演であり、ロキシー好きを公言していたので念願のステージだったことだろう。フェリーのソロで大ヒットした”Let’s Stick Together”(原曲はWilbert Harrison)、最後の”Do The Strand”まで、3曲布袋は参加していた。

 フェリーのステージパフォーマンスは相変わらずのもので、変なクネクネ踊りとか全く変わらない。美しい音響、暗い世界観(”If There Is Something”、”In Every Dream Home A Heartache”など)、思わず笑ってしまうアクションなど、いろんなものが混然一体となったフェリーのワンマンワールドが、苗場の山の中でも存分に発揮されたステージだった。もっともっとたくさんの人たちに観てもらいたかったけれども、おそらく初めてロキシーに触れる人もいるかと思う。そういう人に何か残るライヴになったら本当にうれしいと思う。
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写真:熊沢泉、文:イケダノブユキ

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JOHN BUTLER TRIO http://fujirockexpress.net/10/?p=2790 http://fujirockexpress.net/10/?p=2790#comments Sat, 31 Jul 2010 11:30:37 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=2790

オーガニックな空気が漂う楽曲から、ハッとさせられるほど強い意志を感じるナンバーまで幅広く聴かせてくれるJOHN BUTLER TRIO。彼らは昨年メンバーチェンジを行い、今年の3月に約3年ぶりとなるアルバム『April Uprising』をリリースした。そして10月に単独ジャパン・ツアー「JOHN BUTLER TRIO JAPAN TOUR」を控える中、フジロック2日目のグリーンステージへ。

まず1曲目「Don’t Wanna See Your Face」のイントロが鳴り響いた途端、体の内側で何かがパチンと弾けるような感覚に。まるで奥底の部分から、気持ちを解放してくれるようである。そして以前より自由度やポップ感が高まったことで、誰しもがより思うようにリズムを感じ取っているようだった。

また、ギター・ボーカルのジョン・バトラーがひとりで演奏する場面も。音を鳴らしながらアコギのボディをリズミカルに叩くなど、胸が高まるようなパフォーマンスを見せてくれる。彼の演奏の加速度と同じように、オーディエンスのテンションも徐々に沸点に近づいていくよう。

終盤にはドラムのニッキー・ボンバと一緒になって、他の2人のメンバーも手にスティックを。そしてドラムセットの両隣に立ち、置かれたタムでリズムを刻むなんてことも。そこには何のしがらみもない、ピースフルな自然空間が広がっていた。

曲が終わるたびに起こる大歓声の中で、彼らの進化した姿をじっくり堪能することができたこの日。今後の日本でのライヴは、大阪を皮切りに広島や東京、横浜を巡る単独ツアーだ。彼らはこの先も止まることなく、日々突き進んでいくに違いない。

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写真:北村勇祐
文:松坂愛

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JOHN FOGERTY http://fujirockexpress.net/10/?p=3010 http://fujirockexpress.net/10/?p=3010#comments Sat, 31 Jul 2010 11:07:56 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=3010

 まさに、雨を見たかい? このライヴは最後の曲”Proud Mary”から降りだした豪雨によって伝説になった。

 フジロック2日目、まだ明るさが残るグリーン・ステージにジョン・フォガティが登場した。始まる前は、クリームやジミ・ヘンドリックスやザ・フーが流れていて、オヤジ大歓喜の選曲だった。バンドは、ギターが3人(うち、ひとりはヴァイオリンやパーカッションなども兼ねる)、ベース、キーボード、ドラムスという編成に、ジョンで7人である。ジョンは青いチェックのシャツにジーンズ姿でアメリカの労働者風の格好。まずは、”Hey Tonight”から始まる。

 ジョンは元気いっぱい。力強い声で歌い、ステージを右へ左へ走りまくる。選曲はいちいち書かないけど、要するにベスト・オブ・CCRだったのだ。CCRの名曲の数々がフジロックで聴けるという幸福をお客さんたちは噛みしめていた。たくさんの人たちが待っていた名曲中の名曲”Have You Ever Seen the Rain?”はライヴの中盤に披露された。喜ぶステージ前のお客さんたちに、ジョンは大合唱を促し、モッシュピット周辺の人たちはサビを頑張って歌えていた。続いて演奏されたのは、ロイ・オービソンのカヴァーである”Oh Pretty Woman”。最近、ジョンのライヴで演奏されている曲で、みんな知っている曲だけに大盛り上がり。

 ジョンのソロの曲”Big Train”では、ジョンのギターとヴァイオリンとのソロバトルがあったし、”Keep On Chooglin’”のイントロではへヴィメタルのギタリストのようなアーミング、そしてライトハンド奏法までやる。またソロの曲”Centerfield”では、野球バット形のギターが登場。歌詞で「ジョー・デマジオ」と歌うところを「ドント・フォーゲット・イチロー」と変えていた。

 あとは”Bad Moon Rising”などヒット曲大放出。やっぱりストレートなロックンロールは間口が広くてたくさんのお客さんの心を掴めるのだろう。そして”Proud Mary”で盛り上がり締めくくって、雨だったのだ。 

写真:熊沢泉、文:イケダノブユキ

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WE LOVE JOHN FOGERTY http://fujirockexpress.net/10/?p=2710 http://fujirockexpress.net/10/?p=2710#comments Sat, 31 Jul 2010 04:51:33 +0000 nobuyuki http://fujirockexpress.net/10/?p=2710
 ここは、グリーンステージ裏あたりにあるので、一般のお客さんは見ることができないのだけど、このようなモノが作られて、ジョン・フォガティが大好きだという思いが伝わりますな。

写真・文:イケダノブユキ

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HAWAIIAN6 http://fujirockexpress.net/10/?p=2517 http://fujirockexpress.net/10/?p=2517#comments Sat, 31 Jul 2010 03:00:57 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=2517

一日目と同じく、朝はよく晴れて、気温も高くなっていた。まさにHAWAIIAN6にはぴったりなシチュエーションである!登場するやいなや、ベースのトオルがオーディエンスを煽る煽る。もう暴れたくてしかたないキッズたちの火に油を注いでいるよな状態に見えた。「天気いいなー!思いっきり遊ぼうぜー!」とドラムの畑野がエンジンをかける。Light And Shadow、Fantasy、Song Of Hateといずれもアルバムの1曲目を飾る曲を並べるあたり、かなりの攻撃態勢であったことが伺える。いきなりトップギア過ぎる!オーディエンスも負けじと応戦する。

「素晴らしい景色ですね!この景色を見て、なんて自分は気の小さい人間なんだろうと思いました。あーーこの景色みんなにも見せたい!見せれますかね?」
と言ってカメラを合わせ、ステージ横のスクリーン上に畑野の視界を映し出した。
畑野はフジロックのステージに立てることを誇りに思うと言っていた。みんなでその思いを共有したかったのだろう。そんな畑野の粋な計らいに心が躍る。選ばれた人間だけしか見ることのできない景色を目の当たりにして、フジロックのデカさを改めて確認した気がした。

特に印象的だったのはあの場にいた人たちの表情である。
HAWAIIAN6の3人はスクリーンに大きく顔が映し出される度、本当にいい表情を浮かべていた。満足げであり、とても堂々していた。お客さんもBlack Out、A Cross Of Sadness、The Black Crows Lullaby、Magicなどの新旧キラーチューンのオンパレードに喜ばずにはいられない、といった感じの笑顔であった。

最後は諦めない歌、Ever Green。ひとつのことを続けること、ひとつのことが変わらずにあり続けること、その難しさを彼らは語る。選ばれた者だけが見ることのできる景色を、見ることができる人たちにも苦悩は絶えないはずだ。そんな中でもHAWAIIAN6は絶対に諦めない。いつだってそうだ。それが彼らであり、だからこそ私たちはそんな彼らを見て勇気をもらえるのだ。

写真:北村勇祐
文:岡安いつ美

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THEM CROOKED VULTURES http://fujirockexpress.net/10/?p=2094 http://fujirockexpress.net/10/?p=2094#comments Fri, 30 Jul 2010 15:57:47 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=2094

 怪物だった。まさしく怪物だった。

 クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オム、フー・ファイターズのデイヴ・グロール、レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズというロック界のカリスマ達が強固な集合体となったオールスター・バンドがついに苗場に姿を現した。ひとりひとりでも、超人でありカリスマであることはいうまでもないのだが、この3人が化学反応を起こしたライヴは、前述したとおりに怪物級の破壊力。脳裏に胸にその圧倒的にヘヴィな音塊を焼き付ける凄まじさは尋常ではなかった。

 オープニングで3人の姿が確認できたときから興奮を隠しきれなかったが、雨を切り裂き、地鳴りを巻き起こすオープニング曲「No One Loves Me & Neither Do I」から魂を貫かれた。デイヴのドラム乱れ打ちに、ジョシュ・オムのギターが狂ったようにうねり、ジョンのベースが経験と厚みを加味して、分厚いサウンド・ウォールを形成する。70年代のロックのヴァイヴから、ブルースやハードロックのフィーリングを加味し、グランジ~ストーナーをも完ぺきに飲み込んだその音楽の前に震えを覚えてしまった。各々のジャンルで頂点を極めた者たちが集まっただけにそれは当然というべきかもしれない。嵐のような彼等の音楽は、CDで聴いたときと太さがまるで段違いだった。経験と技術に裏打ちされた3人の融合が、さらなるカオスを伴って粉骨砕身の音塊と化している。

 当然ながら、彼等はCDを一枚しかリリースしていないため、そこからの出典がほとんどだったが、その中でも「Elephants」と「New Fung」が特に格別の2曲だったように個人的には思う。鼓膜をぶった切る衝動の連続だった。また、凄まじいジャム・セッションに発展していき大きな磁力となった曲もあったし、剛直なハードロックからサイケ・ブルージーな曲まで幅広く披露。老獪ながらもこの極太のグルーヴ、比類なき強靭なダイナミズム、次元がちょっと違う。また、その演奏している佇まいも画になり、感じられるワイルドな雰囲気がとてもかっこいい。もはや年齢など関係ないカッコよさがThem Crooked Vulturesには存在するのだろう。

 それにしても本当に終始、圧倒されっぱなしのライヴだった。こんなライヴに出会えたのも久しぶり。ステージから発せられるとてつもないオーラも凄くて、この3人のカリスマ性は不変だということだろう。ジョン・ポール・ジョーンズが終盤でピアノを鮮やかに披露してくれたことも、目撃した皆様には強く印象に残っているはず。願わくば、短期のプロジェクトで終わることなく、またThem Crooked Vulturesとしての雄姿を見られることができれば幸いだ。

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写真:古川喜隆
文:伊藤卓也

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MUTEMATH http://fujirockexpress.net/10/?p=1782 http://fujirockexpress.net/10/?p=1782#comments Fri, 30 Jul 2010 14:00:59 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=1782

 目で追うことができないほど、予想もしないライヴを繰り広げてくれたMUTEMATH。ニューオリンズ出身の4人組バンドである彼らは、パフォーマンス集団と思えるほど一つひとつの動きがエネルギッシュだった。

 元気があり余っている観客たちに応えるかのように、まず鳴らされたのは「The Nerve」。ヴォーカル・キーボードのポール・ミーニーやギターのグレッグ・ヒルも、始めからステージ上で激しく動き回るという勢い。中盤に入ると、静寂を感じる楽曲も。ただ静かな音だとしても、ゆったり聴くということはない。それほど音楽に対する、気迫を感じられるのだ。まるで音や言葉に、力強い生命が吹き込まれているよう。

 そしてより一層パワフルになり、機材の上に登り足を広げて飛び降りるなんてことも。さらにはステージに降りて、持っていた手持ちのキーボードを観客に。一瞬一瞬を逃したくないと思ってしまうほど、どの場面をとっても申し分ない。しかしこんなにも度肝を抜かれるとは、思いにもよらなかった。

 終盤では、鍵盤を弾きながら逆立ちまでしてしまうヴォーカル・キーボードのポール・ミーニー。一方ではドラムのダレン・キングがスティックを手にし、ステージやスピーカー周辺を歩き始める。そしてあらゆる場所や物を叩き、楽曲に音を加えていく様子。曲の最後の方には、ベースのロイ・ミッチェル・カルデナスがドラムを演奏する一幕も。スタートからラストまで、一切見る側に余裕を与えない時間を届けてくれた。

 ひとまずこんなにも心を揺さぶってくれる、ライヴバンドに巡り会えたことがなにより嬉しい。次の日本でのライヴまで、5月に日本盤化として発売されたばかりの『リセット』をもう一度聴き倒そうと思う。まさに、何度でも見に行きたいと思えるようなステージだった。

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写真:穂谷益代
文:松坂愛

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KEN YOKOYAMA http://fujirockexpress.net/10/?p=1999 http://fujirockexpress.net/10/?p=1999#comments Fri, 30 Jul 2010 10:38:04 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=1999

MUTEMATHのライブが終わってすぐ、タイミングを見計らったかのように雨脚の強くなってきたグリーンステージ。また雨か…と4年前のKEN YOKOYAMAのステージを思い出していた。

4年前とは横山以外全員メンバーが違う。Ken Bandがほぼ日本人になり(ドラムのダーマンは日本語がわからないという設定です)Ken Bandの久しぶりのフジロックというよりは別のバンドを見ている気になっていた。

ライブの始まる時間が近づくと、SEなしでKen Bandが登場した。一曲先にやりますと言ってRaindrops Keep Falling On My Headが披露される。雨ですら楽しい気分になってしまう!「Ken Bandやります!」という横山のいつもの掛け声でライブが 始まった。Kill For You、Pressureとファストチューンが続き、雨なんかおかまいなしにモッシュ、ダイブの嵐が起こる。いい歳であろう人たちがダイブを終え、きらっきらの笑顔で、モッシュピットへ帰っていく姿を何度も見た。誰でもKen Bandのライブではキッズに戻ることができるのだ。

Running On The Winding Road、Ten Years From Now、Still Burningと普段のライブであれば終わりの3曲、と言い切ってしまっていいほどの曲が終わった後、少しの沈黙があった。すると誰もが聞き慣れたあのイントロが流れ出した。Hi-STANDARDのSTAY GOLDだ。後ろから次々と人が走ってきて、モッシュピットへなだれ込んでいく。みんな顔がゆるみっぱなしだった。久しぶりに見た、なんて人は不意打ちであっただろう。予定調和ではない盛り上がり方であった。「まさか聞けるなんて思わなかった」という声が聞こえた。この奇跡の瞬間に立ち会えた人は本当に幸運だと思う。

さてKEN YOKOYAMAのフジロックのステージ、次はいつになるのだろうか。今から待ち遠しいものだ。

写真:深野輝美
文:岡安いつ美

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