FUJIROCK EXPRESS'10 » WHITE STAGE http://fujirockexpress.net/10 フジロック会場から最新レポートをお届け Mon, 13 Sep 2010 16:31:08 +0000 ja hourly 1 http://wordpress.org/?v=3.0 難波章浩 -AKIHIRO NAMBA- http://fujirockexpress.net/10/?p=4231 http://fujirockexpress.net/10/?p=4231#comments Sun, 08 Aug 2010 14:45:19 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=4231

ライブの始まるほんの10分前のことだ。灰色の空が、青空に変わった。同時にホワイトステージの気温も上がっていく。難波章浩の11年ぶりのフジロックのステージを山の神様も待ちわびていたようだ。
ステージにはマイクスタンドが一本。楽器もきゅっとタイトにまとめてある。3ピースのシンプルなバンドセットが設置してあるだけであった。

ステージに姿を見せた難波はこう言った。
「人生一度しかないから楽しもうぜ。俺の話を聞いてくれよ。」
輝く日々からライブは始まった。のっけからCDで聞いていた音とは全く違う曲を聞いているような印象であった。難波のボーカルは力強く響き渡る。ああこの瞬間をどれだけ待ちわびただろうか。

難波さんお帰り!というオーディエンスの声が上がると自然と拍手が起こった。「俺はロックしていくよ、俺はロックを鳴らし続けるよ。6月9日生まれの難波章浩の告白でした!」と私たちに決意を告白してくれた。難波のステージングは大きいステージでもライブハウスで見ているような距離感の近いものであった。

そして難波もSTAY GOLDをフジロックのステージで演奏した。少しアレンジが加えられてはいるが、この曲を難波のボーカルで聞くと笑いながらも泣きそうになった。この曲の特別感は一体なんなのだろうか。イントロを聞きつけた多くのキッズがフロントエリアめがけて押し寄せてくる。途中に柵のないホワイトステージではその勢いが尋常ではなかった。

個人的な感想にはなるが、私は今日このステージで初めて、ベースを持って歌っている難波を生で見た。活動休止をしているアーティストには思いを馳せることしかできない。形は違えども、再び難波の力強い伸びやかな歌声を聞くことが叶ったことが私は嬉しくてならない。これからもたくさんの感動を私たちに与え続けて欲しい、そう思えるステージであった。

写真:深野輝美
文:岡安いつ美

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FOALS http://fujirockexpress.net/10/?p=4406 http://fujirockexpress.net/10/?p=4406#comments Fri, 06 Aug 2010 13:57:40 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=4406
 予想を遥かに超える凄まじい爆発力だった。2年前にミッドナイト・ジャガーノーツとのツーマン・ライヴで目撃した時は、あどけないながらも性急なビートと緻密な構成力で踊れるロックを表現していたが、よもやここまでの進化を遂げているとは驚くほかない。踊れるロックよりも深遠なるスケールを広げた最新作『トータル・ライフ・フォーエヴァー』が飛躍的進化の伏線になっていることは確かだが、ライヴでは1stの踊れる要素と2ndのスケール観と深みが見事なまでに融合しあう、迫力のステージを披露してくれた。

 細かく丹念なギターワークが海のように深く広い世界観を編みこんでいく「Total Life Forever」からライヴはスタート。驚くほどにメランコリックな波動が紡がれる中で、そこに繊細に溶け込むVo&Gのヤニスの歌声が意識を妙に引っ張り出してくる。続けざまの「Cassius」では、快楽中枢を直に刺激する踊れるロックへとすぐさま仕様変更。2年前に体験したときとは、段違いの強靭なアンサンブルとグルーヴが強烈に襲いかかってくる。1stの曲では性急なビートで畳みかけ、2ndではじっくりと聴かせる、そういった構図が間違いなく存在したが、その相互補完によって昂揚と快感は一層増幅される仕組みになっていた。緻密な構成に基づきながらも、客席に向いたエネルギッシュな演奏もそれに拍車をかけていたように思う。「Red Socks Pugie」ではダイナミックなアレンジが施されていて、よりグルーヴィな演奏に昂揚感はさらに高まることに。ライヴ・バンドとしての進化/深化はこういったところからも伺えた。

 特に楽しみにしていた「Spanish Sahara」では、見事なまでのアンサンブルに鳥肌が立った。丁寧に紡がれた強く優しい音が触れ合い、密に融合しあって、美しいエモーションとミステリアスな光で覆われた奇跡のような世界を描いていく。この色鮮やかな音の波動がまた心を揺さぶる。徐々にカタルシスへと導くような大らかな空間がそこにはあった。

 終盤の「Electric Bloom」では、ヤニスがタムで加勢しての怒涛のリズム乱れ打ちが、以前見たときよりも遥かにパワーアップを遂げていたし、最後に演奏された「Two Step, Twice」ではテクニカルかつスリリングなバンド・サウンドがクライマックスで苗場の空に轟く爆音へと発展し、昂揚の臨界点を超えた。鳥肌が立つ圧巻のラストに、客席からは満足げな表情がこぼれていた。文句なしのライヴと言いたいぐらいの出来だったと思う。しかしながら、こんなスゲーことをやってる中で、ヤニスが5,6mはあるスピーカーによじ登って観客を煽るという、やんちゃな姿を見せていたのも印象深い。若くやんちゃな部分がまだまだ顔を出す辺りには、妙なうれしさを覚えたりもした。

 緻密な構成力とセンス、そして静・動と硬軟のコントラスト生かしながら、ホワイト・ステージに集まった人々の熱を最大限にまで高めたFoals。ライヴ・バンドとして予想を超える著しい成長を感じさせたライヴに出会わせてくれたことを本当に感激したい。個人的にもフジで見た数々のライヴの中でも強く思い出に残るステージのひとつだった。

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写真:古川喜隆
文:伊藤卓也

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LCD SOUNDSYSTEM http://fujirockexpress.net/10/?p=4743 http://fujirockexpress.net/10/?p=4743#comments Fri, 06 Aug 2010 13:55:40 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=4743
 今年5月に発売した3枚目のフルアルバム『This Is The Happening』をLCD Soundsystemとしての事実上のラスト・アルバムと宣言した、ジェイムス・マーフィー。有終の美を飾るのにふさわしいこの傑作を引っ提げて、もしかしたら最後になるかもしれないフジロックの舞台に登場した。

 夕暮れ時から幻想的な闇夜に落ちていく時間帯のホワイト・ステージが今回の舞台となったが、即効性も遅行性も備えたLCDのダンス・ミュージックの気持ちよさに終始酔ったライヴだった。熊みたいなでかい体をしたオッサン(本当に巨体だった)とその彼を取り囲むように陣取るバンド・メンバーの6人が紡ぎだすポスト・パンク~ダンス・ロック~エレクトロニクスを優雅に操る革新的サウンドは、クールに統制されながらも魔力のような快楽性を秘めている。ベース、ドラム、パーカッションの肉体性の強い人力パワフル・グルーヴを下地にジェイムスの熱のこもったヴォーカル、うねるギター、ユニークな電子音が濃厚に絡み合う。そのツボを外さないダンス・ビートが本当に気持ち良すぎて困る。神経の一本一本に響く音というか、それが精妙に紡がれて心身の解放を促していく。当然、その音に誘われるように会場もゆらゆらと揺れっぱなし。シンプルに踊り狂える「Drunk Girls」や独特のフレーズが耳にこびりついて離れない「Pow Pow」などアッパーな内容で苗場を席巻していた。もちろん、この心地よい昂揚感は緻密な理論や人間の構造や特徴を計算した上で、リズムを設計しているからだとは思うが、ロック譲りのダイナミズムや人力による有機的な熱気が伝わってくるからこそノリやすいとも思える。人力で創り上げるが故の気持ちよさ、それがあるLCDの存在感は大きい。

 しかし、LCDのライヴ中は、今年のフジの超目玉であるトム・ヨーク率いるジェイAtoms For Peaceへの移動が絶えなかった。曲が終わるごとにホワイトの人数がだんだんと少なくなっていくのを見ているのはつらいものが・・・。多分、始まった時の2/3ぐらいには減っていってしまっただろうか。それでも彼等が創造した孤高のダンス・フィールドには終始、小刻みに揺れされ続け、もしかしたら最後になるかもしれない時を十分に堪能することができた。まさしく、至福の時間。ずっとこの音を浴びて、踊っていられたらと何度も思わされた。ちなみに、ジェイムス・マーフィーは深夜0時からは、ソロDJとしてレッドマーキーを賑やかに踊らせていた。

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写真:森リョータ
文:伊藤卓也

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BELLE AND SEBASTIAN http://fujirockexpress.net/10/?p=4842 http://fujirockexpress.net/10/?p=4842#comments Sun, 01 Aug 2010 14:24:18 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4842

 なんか、こういう終わり方もいいかなと思った。

 フジロック最終日、ホワイトステージの締めくくりに登場したのはベル&セバスチャンだった。おそらくアトムス・フォー・ピースが終わって流れてきたと思われるお客さんたちで、ホワイト・ステージはほぼ満員状態になった。夜霧が低いところまで下がってきて、小雨が降るような天候。かなり冷気に包まれていた。始まる前はファウンテンズ・オブ・ウェインが流れている。

 なんだか、大音量だとか、音の迫力だとか、そういうのばっかりを聴いていると、あんなにバンドのメンバーがたくさんいるのに、淡々とした音楽をベル&セバスチャンは聴かせてくれた。おそらく新曲”I Didn’t See It Coming”で始まり、”I’m A Cuckoo”、”Step Into My Office, Baby”とポップで軽快な曲が続く。スチュアート・マードックはジャケットを着用。スチュアートはふるまいはロック・スターのパロディを演じているかのようだ。

 ステージの上にいるのは、いつもの7人プラス、日本人の男女4人のストリングスなので、しっとりとしたストリングスの美しい響きが染み入る。スチュアートを中心に、プライベート・パーティを楽しむかのようなライヴだった。「マタふじ二モドッテコレテウレシイ」「ヤマデウタウノガスキ」と挨拶したり、ステージに客を上げて踊らせたり、ステージ上に虫が(カブトムシ?)迷い込んできたとかで、ビートルズの曲のイントロをスティービーが次々とつま弾いて歓声を上げさせ(”A Hard Day’s Night”とか数曲)て、鼻歌的に”Ticket To Ride”演奏し始めたけど、グダグダになってやめたとか、”If You Find Yourself Caught In Love”でスチュワートはステージを降りて、客席にダイヴをおこなった。ダイヴというのがベルセバらしくないのだが、十分遊んでいる感じが、むしろ良い。アッパーでも感動でもなく、こうしたユルく3日間を終わらせるのもいいと思えたライヴだった。

 ラストのラストは”Legal Man”。スチュワートは最後の挨拶をおこなう「キヲツケテ、カエッテ、オヤスミ」。では気をつけて帰りましょう。

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写真:古川喜隆,文:イケダノブユキ

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IAN BROWN http://fujirockexpress.net/10/?p=4658 http://fujirockexpress.net/10/?p=4658#comments Sun, 01 Aug 2010 12:44:17 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=4658
 両足を軽く開き、胸の前で両手を合わせ、軽くひと呼吸。そして軽く頭を垂れる。Ian Brownの登場に、沸き上がりながらもIan Brownに合わせて、ライヴの前の最後の深呼吸……そんな気持ちでふーっと一息つくと同時にとあるベース音が響き渡る。地の底から噴き出した大歓声。あぁあぁぁぁぁああぁあぁあぁぁ、たった一音ですべてを悟ったオーディエンスはきっと年齢層高めなはず。まさかの禁じ手、”I wanna be adore”。これがライヴが始まった数秒後とは思えない歓喜と情けなさとが入り交じるカオスと化した。

 これはなかったことに、そしてこれからこそがIan Brownのライヴなのよ、と心に言い聞かせやっとのことで平常心を取り戻すことに専念する。5回目のお祝いに専念する。ここからはやっとやっと太極拳、いやIan Brown拳とも言えるしなやかな動きに、スローな動きの一瞬一瞬にすべての神経を行き渡らせるようなサウンドと、期待を裏切らない、ざ☆イアン・ブラウン節を取り戻した。徹底的に太さと重さを極めたベースラインと、後ろ乗りの重たいドラムに支えられ、徹底的にぐだぐだな、でも本人に至っては気持ちよさこの上ないと意気揚々にIan Brown様のおなぁりぃ。まさに、Ian Brownのための、極上歌謡ショー。

 もうキーが外れたとか、そんなミリ単位のクオリティなんか求めていない。こんな下手○○な人がライヴなんてやっていいのかよ……はいはい、どうぞご自由に。Ian Brownに限っては、そんなミリ単位のクオリティにより歌われた日にゃあ、ね。あんなに気持ちよく堂々と、Ian Brown節を炸裂させられる人なんて他には絶対いないし、それを不快感ゼロ、むしろ、こちらの最高の高揚感へと変えさせてくれるのは、Ian Brownしかいない。もう随分と年を重ねてきているし、これからも着実に年を重ね、マンチェスターの永遠のならず者、極上の称号を手に入れても、このIan Brown節だけは磨きをかけていってほしいと切に願う。そしてもう最後はさらっと”Fools Gold”。もう驚きもしないよ。

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写真:古川喜隆
文:ヨシカワクニコ

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ザ・クロマニヨンズ http://fujirockexpress.net/10/?p=4384 http://fujirockexpress.net/10/?p=4384#comments Sun, 01 Aug 2010 09:35:09 +0000 jet-girl http://fujirockexpress.net/10/?p=4384  「現在お座りになっているお客様、次のバンドは大変な混雑が予想されます、お立ち頂けますようお願い致しまーす。」

 それまでマイチェアでくつろいでいたお客さんに、ホワイトステージのスタッフより声がかけられ始めた。日も暮れかけ始めたフジロック二日目。着々と流れ込むお客さんで、ホワイトステージはパンパンになり始めていた。

 「ありがとう。あいたかったよ!」

 ”弾丸ロック” で幕を開けたザ・クロマニヨンズのライヴ。前のめりスタイルで現れたヒロトが”タリホー”で腕をブンブン振り回して見せる。ステージで跳躍する姿は、相変わらず重力を感じさせない。

 中盤、”草原の輝き”でヒロトの鳴らすハープが背後の山々にバリバリと吠えるように響き渡った。演奏後、着ていたTシャツを脱いでいたヒロトは脇の下をタオルでワシワシと拭いてみせて、いたずらっぽく笑っている。

 「やあ!気持ち良かったからちょっと今日は長かったけど。これからまたテンポを上げていくので。みんなも一緒に歌ってくれー。」

 そう言ってヒロトが客席に呼びかけると、”グリセリン・クイーン”から再び演奏を疾走させ始めた。スクリーンにはたびたびメンバーのアップが映しだされる。ほのかに浮き出ている腕や首元の血管がスクリーンにあらわになるたびに、あぁ、血の通った人間の音だなぁ、なんて当たり前の事を改めて実感して、こちらの胸もアツくなってくる。

 「あぁ楽しいなあ。どこで演るのも楽しいよ? でも、こんなロックンロールが大好きな人がいっぱい集まってくれると本当に、ホーム! 世界中にアウェーは無いような気がして。ただいまぁ!……今なんか、上手にまとめた(笑)」そう言って、言葉の終わりに、おどけてみせるヒロト。

 ヒロトはなぜ変わらないんだろう。見た目? そうじゃなくて。持っている中身、持っている魂みたいなもの。演奏が終わると、ギターの真島がマイクに近づき、客席に向かって「おつかれさーん! またね。」と言って去って行った。これからも、きっと彼らは変わらないんだろうな。 

文:小田葉子

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RIDDIM SAUNTER http://fujirockexpress.net/10/?p=4243 http://fujirockexpress.net/10/?p=4243#comments Sun, 01 Aug 2010 08:05:44 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=4243

一昨年のレッドマーキーから一段ステップアップ、リディムサウンター今年はホワイトに登場だ。オーケストラを率いてのステージで、登場のBGMは荘 厳だがメンバーはすでにはじける空気満タン。バンドの核弾頭タイチがいきなり客席をあおりながら配置に付いた。前夜祭にでたキュビズモグラフィコVの チャーベさんをパーカッションに迎えての布陣。この時点で何かすごいことがおきそうな予感がふつふつとわいてくる。

Vo.のケイシが現れ、”Sweet&Still”がスタートすると、オーディエンスはもちろんのこと、なによりメンバーがものすごい勢い で走り始めた。そうとうこの場にいられるのがうれしいらしい。広いホワイトステージを隅から隅までカヴァーするように全員で大暴れだ!担当楽器や持ち場がくるくると変わるのがこのバンドの特徴でもある のだが、今日は本当にめまぐるしい。この人たちはペース配分という言葉を知らんのか?というくらい。ちょっと油断すると決定的瞬間を見逃してしまう!バッ クのオーケストラチームが思わず笑ってしまうほどのやんちゃっぷり。気がつけば、タイチがドラムを飛び出しステージ前方も乗り越えて、お客さんのエリアに まで降りてきてしまった。何度もフジロックでライヴを観ているけれど、お客さんにまみれて歌った人を見たのは初めてだ。さらに「タイチ、交代」の声でケイ シまでも!なんて型破り。でも決して憎めない。「終わるのヤダけど、ラストです!」の声を聞いた時は、こっちも終わってほしくなくて涙が出そうになった。 このかわいくてカッコいいやんちゃ坊主たちをずっと観ていたかった。

ホワイトの上空には怪しい雲が立ちこめはじめていたけれど、ライヴ中に雨は降らなかった。リディムサウンターの勢いが雨雲を押し返したに違いない。

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写真:深野輝美
文:輪千希美

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Matt & Kim http://fujirockexpress.net/10/?p=3960 http://fujirockexpress.net/10/?p=3960#comments Sun, 01 Aug 2010 04:16:00 +0000 kuny http://fujirockexpress.net/10/?p=3960

「あんなに笑顔だったら、ほんとこっちも楽しくなるよね」、曲の合間にお客さん同士がとびきりの笑顔でこんな会話をしていた。いやぁ、本当にその言葉につきるのが、昨日のアバロンに続いて、最終日のホワイトステージのトップバッターとして登場したMatt & Kim。「こんな朝早くからこんなに来てくれて本当にありがとう!!!!!」とマット。

ほんの数畳に収まってしまう2人の基地、ドラムセットとキーボードというコンパクトさはアバロンではちょうどいい大きさであっても、ステージも広く、高く、フォトピットというオーディエンスとの溝は、Matt & Kimのバンドの性質や、バンドとオーディエンスの密着性から考えるとほんの少しだけ不安要素となっていた。

いやぁ、本当にごめんなさい、マットとキムよ。最終日の朝イチのホワイトでこれだけのお客さんが集まり、最後には、全員が両手をあげて、あれだけの数のとびっきりの笑顔を見られるとは思っていなかった。エガちゃん風三点倒立にあと一歩! というマットのやんちゃぶりは今日も止まらず、楽器の前に出てきた2人の、いっやん、あっはぁんな動きが、大々的にスクリーンに映っちゃった時ったら。さらには2段に積まれたスピーカーに達、人差し指をかざしたかと思うと、ホワイトステージを支える支柱にもするすると登っていく。下には10人ほどのスタッフが慌ててスピーカーを支える一幕もあった。

ライヴの大枠の流れやもっていき方は昨日とほぼ同じだったけれど、あぁ、それ知ってる、なんて思いは一度もさせられなかった。ラストは”Daylight”。昨日までよりも少しは明るい空だけど、そろそろこんなステキなお客さんたちに、太陽さんよ、ステキな青空を見せてあげてね、そんな意味もこもったかのような1曲であっとゆう間のライヴを終えた。初めての来日で、これだけの笑顔を自分たちがお客さんに与え、さらにぷらすして、あれだけのお客さんの賞賛を得たことのお礼か、ステージ袖に下がらず、最後に向かったのはステージの下、とびきりの笑顔でありがとうというオーディエンスの元だった。

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写真:深野輝美
文:ヨシカワクニコ

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MGMT http://fujirockexpress.net/10/?p=3264 http://fujirockexpress.net/10/?p=3264#comments Sat, 31 Jul 2010 14:43:34 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=3264
あぁ、神様ぁぁぁあぁぁ! ステージに登場したメンバーを観て、思わずひょうきん族の懺悔のコーナー、白塗りの神様か、森ガールならぬ、森ボーイという言葉を連想したのは私だけか!? 2日目の夕方ホワイトステージでは、クロマニヨンズ、One Day As a Lionからの超満員も満員の流れに続き、本国、アメリカだけではなく、イギリスでも先日のグラストでも2ndステージでの出演……とんでもない化け方をしている真っ最中のMGMTを一目見ようと、とんでもない数の人がホワイトステージになだれ込み、どの角度から攻め込んでみても、私の身体が入る隙間もないくらいにパンパンに膨れ上がっていた。その熱気は、ステージすぐ前の2割ほどのカオスゾーンと、静観派8割という構造になっていた。

2日目も雨が降り、わっくわっく感を疲労感が超える時間帯であることや、気になるアノ曲を観てみたい! ということを考慮しても、ちょっとだけ異様な光景にも見えた。MGMTがバンドとして大きくなっていくスピードを、期待という一見聞こえのいい言葉が一瞬で追い抜かしてしまって、バランスが悪くて、異様に映ったというか。MCや一部のパートでは、ウィスパーヴォイスとなって、煮え切らなさを感じさせられるヴォーカル。いや、悪くはない。これが今のMGMTそのものなんだから。

ただ、笛1本でメロディラインで始め、徐々に楽器を、そしてヴォーカルラインを加えて行くMGMTワールドへの引き込み方や、”Weekend Wars”の後半の、混沌としたあっちの世界へと誘うかのようなインスト部分の音の構築は、色の3原色に加えて、鈍くてMGMTにしか発色することのできないもう1つの色を苗場へ放っているようだった。ざわ〜っと足下から何かが体内に広がる感覚を何度となく覚えさせられた。比較的飄々と、じっくりと静観させるというライヴの流れはMGMTの思惑通りだったとしたら、何たる末恐ろしい子供たちよ。2枚のアルバムの制作には、デイヴ・フリッドマンやソニック・ブームという、幾何学的音楽の異端児も関わっているというのが、水の中に絵の具を1滴落とすと、透明の水と絵の具の色が融合しようと滲んでいくかのように、それぞれの曲から伝わってきた。

2割のカオス、8割の静観ゾーンが一気に熱狂の渦になったのは、”Time To Pretend”。そう、みんなはこの曲を待っていたのだ。ステージでギターの弦から花火に持ちかえて、持ってぐるぐる回し、奥地から戻ってきた人も、いっしょになって隅から隅まで笑顔の輪が広がっていった。まだまだのびしろのあるバンドであることは間違いない。
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写真:深野輝美 文:ヨシカワクニコ ]]> http://fujirockexpress.net/10/?feed=rss2&p=3264 0 STRAIGHTENER http://fujirockexpress.net/10/?p=3080 http://fujirockexpress.net/10/?p=3080#comments Sat, 31 Jul 2010 14:30:06 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=3080
「4年ぶりのフジロック、ワールドカップみたいだな」というホリエアツシのMCが特に印象に残っている本日のライヴ。緊張しているというMCもあったが、それを吹き払うかのように、とてもアグレッシヴな姿勢が目立っていた。一昨年4人体制になって着実に進化/深化したストレイテナーは、気合十分なパフォーマンスで、バンドのポテンシャルの高さを十二分に伝えてくれた。

久々のフジロックのステージに興奮してか、グルーヴィな演奏が印象的な「KILLER TUNE」、雷鳴のようなリフが炸裂する「クラッシュ」、心地よい嵐が吹く「Melodic Storm」と一気の畳みかけでライヴはスタート。いきなりエンジン全開でオーディエンスの興奮を誘い、大きな歓声があがる。4人になったことでのダイナミズムより強さと迫力を増しているのが印象的だが、詩的なメロディや感情的な歌が胸に響いてくるところがテナーの良さとして挙げられるだろう。その鋭利な部分と叙情的な部分の絶妙なバランス感覚がまた人を惹きつける。新境地と呼べそうな「Man-Like Creatures」では叙情的な美しい前半から、シンセが視界を開けるように慣らされた瞬間に4つ打ちのデジ・ロックへと変貌を遂げて、人々を躍らせにかかる。4人体制になった進化がこの1曲だけでもわかることだろう。また、時折繰り出す日向のスラップ・ベースの気持ちよさ、見事な手さばきと力強さで牽引するドラマー・ナカヤマシンペイがテクニックもまた目に焼きつく。

ヒット・シングルの「CLONE」に続いてはピアノをフィーチャした感動的なバラード調の「Six Day Wonder」を披露。この曲のアレンジが原曲と結構変わっていて、ファンにはサプライズの1曲となっただろう。終盤に演奏した「BERSERKER TUNE」も破壊力が3割増しで、とてつもない昂揚感を伴っていた。その勢いを持ったラスト2曲は「Little Miss Weekend」と「Discography」を演奏し、今日一番の興奮をもたらした。終了後には、4人そろってステージ前に肩組んで整列し、深々と一礼をしてステージを後に。その姿に客席からは大きな拍手が送られていた。

途中のMCで「これからも日本のロックをよろしくお願いします」と謙虚に語っていたが、今日は日本代表として、しっかりと責務を果たしたと思う。凄くいいライヴであった。

*一部、間違った記述があったことを訂正して深くお詫び申し上げます。
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写真:深野輝美
文:伊藤卓也

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ONE DAY AS A LION http://fujirockexpress.net/10/?p=3061 http://fujirockexpress.net/10/?p=3061#comments Sat, 31 Jul 2010 12:33:57 +0000 brown80000v http://fujirockexpress.net/10/?p=3061

開演前。ホワイトステージ周辺からは「ざわ…ざわ……」という音が聞こえてきそうだ。クロマニヨンズ終演直後に突如降り始めた雨がこれまでの熱気をリセットしてもなお、満員のオーディエンスの体の奥から湧き上がる期待と興奮が漏れて止まない。若干の緊張も交えて静まり返っているのに、彼ら彼女らの内に秘めた気持ちがまるで音ととして聞こえてくるようで、開演前の空気はなにやら落ち着かないざわめきがあった。

15分押しの後、出てきたのはまず韓国の楽器工場の従業員らによる解雇反対演説。肩透かしを食いながらも「レイジやワンデイアズアライオンも支援しています」の言葉に大きな反応を返すオーディエンスがいた。そんなこんなの待ち切れなさの限界直前、サポートメンバーのジョセフ、元マーズボルタのセオドア、そしてレイジアゲインストザマシーンのザックデラロッチャが現れた。ドラム、キーボード、そしてボーカルの3人が横並び。過剰な照明の演出も、大げさなSEもない、無骨なステージセットである。

ギミックに富んだ音、変則的なリズム、メロディーが入るボーカル…レイジの違いが分かりやすい「Ocean View」がフジロック最初の音だった。ロックの常識であればギターが担当するはずの歪みがかったキーボードの音や、力強くあれど緻密なドラミングの上を弾むザックのラップは、当たり前ながらあのザックそのものであった。髪をバッサバッサと揺らしながら眉間と口角をしわ寄せながら、搾り出してぶつけられるライム。期待どおりの力強さと荒々しさを浴びながら、オーディエンスは高揚以外に何ができよう。

曲間にザックの笑顔や日本語MCなんかも挟みながら、ステージが進行していく。燃え尽きるその時を目指して轟々と音が鳴りもみくちゃになるというよりは、知的発見と感嘆を同時に与えてくれるようなライヴである。キーボードとドラムとマイクだけで構成される3ピースということは信じられないままで、それでも音は力強いという不思議。大きなモッシュピットが生まれたりはしないが、そぼ降る雨も後に蒸気として上っていく。さあ次は何を見せてくれるんだ?!そんな期待を幾度か繰り返したところでライヴは終了。演奏されたのは8曲であった。

たった1つのEPだけでトリ前という時間帯、そして雨でも一向に引かなかった混雑。そんな指折りの注目度となった40分のステージは短くもあれど、知的興奮を満たすには十分だった。青白い炎が我々の期待を焦がしつくし、そして支配した夜の出来事である。

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写真:深野輝美

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bloodthirsty butchers http://fujirockexpress.net/10/?p=2860 http://fujirockexpress.net/10/?p=2860#comments Sat, 31 Jul 2010 10:11:21 +0000 brown80000v http://fujirockexpress.net/10/?p=2860

フジロック3回目の出演となる bloodthirsty butchers。7年振りの登場は、遂にホワイトステージへ。同郷の怒髪天に続く、まだまだ時間も早い2組目。たくさんの人が待ちわびるどんよりとした苗場の空の下、新譜の1曲目と同じく “フランジングサン” でライブは始まった。
序盤、盛り上がりをみせた “ファウスト” から次を待ちわびる会場に、吉村がチューニングをしながら「昨日酔っ払って、携帯なくして。恥ずかしい写真が入ってるから見つけたら教えて下さい。お礼します。裸で海に入っている写真があって……中身だけでもいいんだけど」と笑わせる。そして「ほんっとに気持ちいいな。ありがとー! ホワイトステージ!」と、楽しくてしょうがないといったやわらかい表情を見せる。
bloodthirsty butchers はきっと、少しずつ少しずつ今日みたいな厚い雲を掻き分けながら、不器用にひたすら真っ直ぐ前だけを見て進んできたのだと思う。昔っから芯は少しもブレていない。いつだって真向勝負。相変わらずの一本調子の歌もそうだ。だから観ているこちらも目を逸らすことができない。
名盤『kocorono』からの“2月/February” そして “ocean” へと、より一体感をます会場に吉村が両手を広げ天を仰ぐ。遂には、脇を絞めた両手カマ手振り……。なんだ、あのキャラは……。歳とったのね。 「今日はまだ7月だから、ギリギリ間に合うと思う」。 “7月/july” が会場に響き、7月の終わりを告げた。小松の投げキッスを残して。

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写真:中島たくみ

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THIRD EYE BLIND http://fujirockexpress.net/10/?p=2981 http://fujirockexpress.net/10/?p=2981#comments Sat, 31 Jul 2010 10:07:58 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=2981
 親しみやすいメロディとポップな曲調、エッジの立ったロック・サウンドで90年代後半にビッグ・ヒットを記録したロックバンドTHIRD EYE BLIND。名曲が数多く詰まった最大のヒット作であるセルフタイトルのデビュー作は聴き倒したという人が多いのではないだろうか。今年5月にはELLEGARDENの細見が率いるthe HIATUSとスプリット・ツアーをしていたことも記憶に新しいところ。胸を熱くし、心に染み込むその音楽は、今聴いてもまるで色あせることなく逞しい輝きを放っているのが、今日のステージでも感じ取れた。

 ベースとドラムのセッションのような形からライヴはスタート。硬質なリズムで徐々に盛り上げつつも、すぐにメンバー全員がそろい、大らかサウンドと伸びやかな歌声でホワイト・ステージを包む。この滋味深く力強いパフォーマンスからライヴならではの躍動感とダイナミズムを感じさせつつも、強みである一緒に歌えるヒット・ソングを軸にして観客の心をつかんでいく。やっぱりこの歌声とメロディは本当に染みるなあ。曲を全く知らない人も自分たちのフィールドに巻き込むようなキャッチーさがあって、自然とこの輪の中に入っていける。苗場という舞台に負けない音の馬力もまた良く、スティーヴンのヴォーカルにしても、男くさいコーラスにしても勇壮に盛り上げてくれる所がよい。アッパーな「Losing A Whole Year」には熱くさせられたし、「Graduate」といった力強さと繊細さを備えた曲もまた、胸を熱くしてくれる。

 その後も新旧の曲を次々と披露。終盤にはお待ちかねのメインディッシュがいよいよお出まし。バンドのアンセムといえる超名曲「Semi-Charmed Life」を、ホワイト・ステージに集まった人々と共に苗場の空に向かって一斉に大合唱。「トゥットゥトゥ、トゥトゥルットゥー」と一緒に歌えるこの一体感、この爽快感、この昂揚感、半端なく気持ちよい。THIRD EYE BLINDのハイライトは間違いなくここだった。歌と風が幸せを運んでくるような、そんな素敵な一時が過ごせた。ヒット・ソングを持つことの強みが感じられ、またそれを盛り上がりにしっかりとつなげるライヴ力も魅力に映った。

 後から知ったことだが、彼等は、天神山で行われた第1回目のフジロックに出演している数少ない今回の出演者だそう(今回の出演者だと他には、デイヴ・グロールやザック・デ・ラ・ロッチャなどが該当)。一時期は活動していない時期もあったが、昨年発売した復活作品のセールスも好調らしく、バンドが再び加速する時がいよいよ来たのかも。こうしてまたフジの舞台に立つ存在感は貴重であった。

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写真:中島たくみ
文:伊藤卓也

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VATO NEGRO http://fujirockexpress.net/10/?p=2825 http://fujirockexpress.net/10/?p=2825#comments Sat, 31 Jul 2010 06:28:31 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=2825
 凄まじい。鳥肌が立つ。ホワイトステージに登場したVATO NEGRO(ヴァットウ・ニグロ)は、マーズ・ヴォルタのベーシストであるホアン・アルデレッテが作った3人組ユニット。ホアンと、ドラマーと、ギター兼キーボード兼エフェクト担当から成る。ギタリストはやせ形のメガネ君で、妙に上手い日本語で挨拶する。そして、演奏が始まると「うぉぉぉぉおおおお、これはキング・クリムゾンじゃないのか!」と思ってしまった。怒涛のごとく押し寄せてくる迫力のドラム、さまざまな奏法を駆使し、ダブっぽいエフェクトをかけるギタリスト、そしてうねうねとごっつい音を出すベースは、キング・クリムゾンとか、バトルスを思わせるのだ。

 特にドラマー。最初から最後まで、ほぼドラムソロですか? というくらい手数の多いドラムを叩く。キング・クリムゾンでいえば、繊細なビル・ブラッフォードでなく、パワー系も得意とするパット・マステロットという感じだろうか。とにかくドラムのすごさに持っていかれた。そして、メガネ君のギタリストは、マイクに向かって「あたたたたたたたたたたたたたたたたたたぁぁぁぁ」と叫び、それにエコーをかけて何度も反復させたり、ギターのブリッジよりも下の個所を弾いてキンキンした音を出しそれをサンプリングしてリフとして使うという芸当もやってのけた。キング・クリムゾンでいえば、エイドリアン・ブリュの役回りか。そのメガネ君は、MCにまでエコーをかけていた。このようにハードでゴリゴリしたプログレッシヴ・ロックとダブを融合させたようなユニークで、かつ攻撃的な音を作っていた。

 お客さんたちは、意外にもホワイトステージを埋めて、ステージ前は人がたくさんいた。変拍子に次ぐ変拍子で、わかりやすい踊れるビートが続いていくバンドでないため、人がどんどん増えていったとか、通り過ぎる予定のお客さんたちの足を止めさせるとかまではなかったけども、約40分間、獰猛な怪物が暴れ回るかのような世界を、これでもかっていうくらい繰り出してきて、立ち尽くすお客さんたちを圧倒したのであった。
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写真:中島たくみ
文:イケダノブユキ

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怒髪天 http://fujirockexpress.net/10/?p=2634 http://fujirockexpress.net/10/?p=2634#comments Sat, 31 Jul 2010 03:47:43 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=2634

 兄ィ~~!

 客席からそう呼ぶ声が聞こえる。すわ、コント赤信号の渡辺正行の登場か!? と思うとそうではない。「男」という名のフレグランスを振りまき、R&E(リズム&演歌)なる音楽ジャンルのエクストリームをキメまくる、怒髪天の登場だ。断続的に降り続いた雨が一段落したフジロック二日目の朝、三三七拍子の手拍子と共に、彼らは現れた。

 ステージに登場した途端、ロックンロール・エチケットと言わんばかりにカッチリ分かれた七三分けをクシで直し、直したクシ(ちなみに名前入りらしい)を客席に投げる増子兄ィ。

「いやもうね、八年越し!やっとメンバーが誰も死なないうちに呼ばれました!フジロック!」

 会場入りした当初、ホワイトステージのお客さんの入りを見て、暑いさ中に背筋が寒くなったという増子兄ィ。ところ天国の方を指差し「どうすんだと!あそこの人達をせき止めろと。」とリアルに語ってみせると、結果的に大入り状態のホワイトステージのお客さんが、どっと沸いた。

「フジロック初参戦という事でね、電報も来てます。bloodthirsty butchers吉村秀樹より。ね。」

 思えば二日目のホワイトステージには、怒髪天の後にbloodthirsty butchersが登場することになっている。かつて札幌でモヒカン頭の赤と青、それぞれ赤鬼(ブッチャーズ:吉村秀樹)、青鬼(怒髪天:増子直純)と呼ばれていた仲である。午前中のホワイトステージは、気が付いたら完全に札幌ハードコアの両雄にジャックされてしまっていたということか。

 ”労働CALLING”ではギターの上原子が華麗な速弾きソロを見せ、増子兄ィが日の丸の扇子で観客を煽る。”アストロ球団応援歌”では「ジャコビニ流星打法!」なんて細かすぎて伝わらなさそうな叫びでお客さんが沸き、榊原郁恵のカバー曲”夏のお嬢さん”では「おじょうさん、おぉじょうさんんん~~」とドスの効いた声で仁義を切りながらポーズを取る増子兄ィの姿は、「アイドル」の四文字とは二万光年くらい離れていそうだ。最後に演奏された80’Sアイドル直撃サウンド”真夏のキリギリス”も、メンバー全員アイドル雑誌の表紙で白い歯を見せてしまいそうな勢い。なにもそこまで。完全ジャック状態のステージで、怒髪天は初登場とは思えない演奏と貫禄……というか、スパークを見せていた。

 「アニキって言われてる人って絶対バカでしょ?言ってる人もバカだし。そのカッコ悪いってところが何ともシビれるね。」

 増子兄ィはかつてこう語っていた事がある。「見えている」バンドは強い。去年結成二十五周年を迎えたこのバンドの持つ、身を削ることも辞さぬ姿勢や覚悟や信念。やはりフジロックでも、それらは伊達じゃあ無かった。
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写真:中島たくみ
文:小田葉子

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toe http://fujirockexpress.net/10/?p=2158 http://fujirockexpress.net/10/?p=2158#comments Fri, 30 Jul 2010 15:43:05 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=2158

 日本のインストゥルメンタル・ロック・シーンを牽引するtoeが07年に引き続いてホワイト・ステージへ帰還した。そのことを本人たちは「実力ではなく政治力でこのステージに出演してます(笑)」と冗談を交えて話していたが、それは当然ながら実力があるからこそのフジロック出演であり、ホワイトステージの舞台が用意されている。静寂の余韻も、抒情的な美しさも、激情的な演奏もtoeだからこその説得力を持つ。その歌心に溢れたインストは聴き手に語りかけ、心に潤いと感動を与えてきた。その事実があるからこそ、彼等はここまで大きくなってきたのである。

 優しく奏でられるアコースティック・ギターと空気を柔らかく色づけしていくキーボードが核となった「ラストナイト」、叙情の波が心を解きほぐすかのように押し寄せる「1/21」と、彼等らしい選曲でスタートしたこの夜。既にこの時点で彼等の音色に、うっとりとしてしまっていた。丹念に紡がれる音符のひとつひとつにある温もりがあり、詩的な美しさへとつながっていく。その美しさには、人間だけではなく、もしかしたら空気も苗場の森も酔いしれていたかもしれない。しかしながら、押し寄せるメロディとは相反するようにステージ上では、体全体を使って激しく熱い演奏が繰り広げられる。卓越したテクニックの応酬も見応えあるのだが、あの熱い演奏シーンにグッとくるものがあるだろうと思う。

 けれども、そこからは、色々なゲストを交えて”特別感”のあるライヴへと仕様変更。土岐麻子やクラムボンのミトを加えた、代表曲の「グッドバイ」は透明感や柔らかさが増し、そのまま土岐麻子が続けて歌った「Say I’t Ain’t So」もガラス細工のようなもろくも美しい感じを醸し出していた。よりドラマティックに、よりムーディな演出がなされたこの2曲は、本日のライヴの中でもハイライトと呼べるものであったろう。「Our Next Movement」や「leave word」といった曲ではサックスやトランペットまでもが入り、キーボードやミトの再乱入を含めてプチ・オーケストラ風のパフォーマンスとなって、美しく華やいだ音響空間を生み出していた。数多の楽器で生み出す詩的なメロディとダイナミズムの嵐には問答無用で心を奪われた人も数多くいることだろう。

 そして、最後には4人だけでの演奏という原点スタイルに回帰。繊細なタッチと厚みのアンサンブルで美しいインスト物語をつづる「For Long Tommorow」。彼等の熱い代表曲となっている「path」でライヴは締めくくられた。微かな蠢きすら逃さない繊細な表現、剥き出しの感情を力強いアンサンブルで牽引するtoeのライブはこの日も健在。サプライズ・ゲストを含めてとても豪勢なライヴであった。

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写真:北村勇祐
文:伊藤卓也

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!!! http://fujirockexpress.net/10/?p=2228 http://fujirockexpress.net/10/?p=2228#comments Fri, 30 Jul 2010 15:36:41 +0000 brown80000v http://fujirockexpress.net/10/?p=2228

重力<浮力という方程式が成立した時の、鉄のかたまりが自由に飛行を可能とする飛行機の機体のように、!!!は完全にホワイトステージを支配した。1万人が収容できると言われるホワイトステージは後方までほぼ満杯。そのオーディエンスを完全に食ってしまった。

適度にフィットした水色のポロシャツに紺色のホットパンツ姿で颯爽とステージを、そしてピットに降りてはオーディエンスに絡み、カメラマン泣かせとも思える、落ち着きのないおりの中の猛獣のようなフロントマン、ニックの自由度の高さたるや。顔は真剣そのもの、新種のエクセサイズか、あるいは、髭のみない完全なるヒゲダンスのカバーか、圧倒的なオーディエンスの支配の中心にいたのも、ニック張本人だった。

フジロック前にリリースされた3rdアルバム『Strange Weather, Isn’t It?』は、これまでの!!!から脱皮し、しなやかさを手に入れた。これまでの竹刀でスカっと打ち破るストレートな破壊力に加えて、鞭の弧を描いた後にやってくる、残りの鋭い痛みを与える技を得たのだった。そのストレートな破壊力と鞭のように後からやってくる痛みとが入り交じったのはサウンドだけではなく、女性ボーカルのファンキーさを加えて、!!!が目の前でも猛スピードで細胞分裂を繰り返していくのだった。新旧おり混ざったセットリストの合間に、Roxy Musicのカバーが披露されたのも、今年のフジロックならではの!!!からの嬉しいサプライズだったにちがいない。

ライヴは生き物であり、2度と同じものは観られない。それは重々わかっていても次のチャンスがあるからという勝手な過信により、その日にしか観られなチャンスを逃しては、風の噂で聞こえてくるとんでもない感想に、また次があるから、なんていう強がりを見せてはいないだろうか? !!!がフジに初めて出演したのは、真っ昼間のホワイトステージ。あの時も、いまでも語りぐさとなっているライヴをして圧巻させていたという。あれからバンド自体も、メンバーの事故死や脱退というターニングポイントを迎えながらも、立ち止まらず!!!であるのは、!!!が細胞分裂し続けている証拠であり、細胞分裂を自らの力でやめてしまうことがない限り、これからも!!!はどんどんと変化をし続けていくに違いない。

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写真:北村勇祐
文:ヨシカワクニコ

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CORINNE BAILEY RAE http://fujirockexpress.net/10/?p=2149 http://fujirockexpress.net/10/?p=2149#comments Fri, 30 Jul 2010 14:50:11 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=2149

 イギリス出身の女性シンガーソングライター、CORINNE BAILEY RAE。カリフォルニア州インディオで開催される音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」にも今年出演し、感動を呼ぶパフォーマンスを披露したことでも話題を呼んでいる。

 そんな注目を浴びている存在の彼女だが、08年の間は活動を休止していたとのこと。よきパートナーだった夫が不慮の事故で亡くなり、1年間はテーブルに座ることしかできなかったようだ。それでも1年後にゆっくりと曲づくりを再開し、今年の1月にはセカンド・アルバム『The Sea』を完成させた。

 この日はライヴメンバーを5人引き連れて、ホワイト・ステージに出演。夫と大ゲンカした直後に書いたというエピソードを持つ「I’d Do It All Again」や、せせらぎのように穏やかな「Like A Star」など11曲程度を披露。メロディに合わせて手を動かす仕草をとる彼女は、すべてが艶っぽく色気のあるオーラに包まれている。また哀しい表情で歌っていたとしても、楽曲が終わるたびに満面の笑みを。それには聴き手の心と体までも、癒してくれるような力があるようだった。

 まったく飾ることのない彼女のステージ。1曲ごとに歌本来の存在価値を、改めて教えてくれたように思う。まだ体感したことがない人も、この優しい歌声に一度は包まれてほしいものだ。

COLINNE BAILEY RAE 100730colinne0040 100730colinne0122 100730colinne0128 100730colinne0160

写真:森リョータ
文:松坂愛

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SPECIAL OTHERS http://fujirockexpress.net/10/?p=2101 http://fujirockexpress.net/10/?p=2101#comments Fri, 30 Jul 2010 11:44:04 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=2101
99年にPhishを見に来てたという彼ら。それから6年後にはフィールド・オブ・ヘブンに自らが立ち、一昨年の登場ではすでにヘブンの常連となったスペアザがホワイトステージに登場した。ヘブンでは収まり切れないほどの動員が見込まれてのことだと思うが、彼らの飛躍に喜びを覚えると同時に少しの寂しさも残る。案の定、広いホワイトの会場には、彼らの音で踊りたい人でびっしりと埋め尽くされていた。

演奏は約10分押しでスタート。4人がステージ中央に集まり、静かな曲が鳴ると、一瞬止んでいた雨がまた降り出した。”AIMS”では、悪天候もおかまいなしにみんな飛び跳ね、踊り出す。カラフルなレインウェアが、重たい曇り空を鮮やかにさせているようだ。透き通ったギターやオルガンの音が心地よい”uncle john”では、顔に当たる雨さえ心地よいものに変えていた。

「みんなOK?雨やんでないけどOK?」MCと新曲を挟み、全体的にまったりと程よい感じで楽しめるセットでライブは進んだ。ラスト”Laurentech”が始まると盛り上がりは最高潮。曲が終わってもその盛り上がりはしばらく止まなかった。重大発表として、10月にニューアルバム「THE GUIDE」のリリースが発表された。新しい彼らの表情に期待したい。
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写真:北村勇祐
文:千葉原宏美

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JAGA JAZZIST http://fujirockexpress.net/10/?p=2010 http://fujirockexpress.net/10/?p=2010#comments Fri, 30 Jul 2010 10:42:47 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=2010
Jaga Jazzistはここ数年、いよいよ初来日するという噂が何度となく流れていたけれど、その度に噂は噂で終わっていた。新たな噂がたってももう、狼少年の物語となり、聞き流す程度になっていた昨年秋、念願のチャンスが訪れた。初日となった京都造形芸大でのライヴの破格さが一瞬で伝わり、東京2公演も満杯だったという。京都でのライヴの本編ラスト”Oslo Skyline”が終わると、まだきっと先に何曲かのアンコールが控えているのはわかっていたけれど、心の底から、今すぐこの場を立ち去っても何の後悔もしないというほどの満足感に駆られた感覚を今でも忘れることはない。フジロックのラインナップにJaga Jazzistの文字列が追加された日には、もう一度、あの感覚を体験できる日がすぐ来るのかと、心が飛び跳ねた。

何とか怪しいながらも持っていた青空もどんよりと重い雲がたちこめ、いよいよ土砂降りに見舞われた午後5時のホワイトステージ。しっかりとしたカッパを着ても雨が隙間を見つけては肌につたってくる。それを考慮しても、絶対にどんなひどい雨になっても、絶対にここを離れることはないと心に決めていた。待ちに待ったJaga Jazzistが満を持して登場するのに、雨なんて一切関係なかった。ライヴが終わった今、やんだ雨に代わって全身にしたたってくるのは汗のみ。ステージは遠くても、スクリーンに映し出される各メンバーの手元は、ほれぼれとただただ手さばきをじっと眺めていたくなるような、巧みの技の連続。

『One Armed Bandit』仕様に飾られたステージには9人とそれとは倍くらいの楽器が並び、”Book Of Glass”、”One-Armed Bandit”へと続き、1曲をのぞいては、『One Armed Bandit』からのセットとなった。頭数曲は半円を描くように配置されたメンバー同士が音を確実に確かめ合うようにか、心なしかまったりとしたテンポで演奏され一瞬、戸惑いを抱かされるもやっと声を発したバンドの中心メンバーでもあり、唯一の盛り上げ役、Martin HorntvethのMCが入る頃から本来のJaga Jazzistは自信の煌めくペースを取り戻した。「こんなにカラフルなレインスーツを見たのは初めてだよ」なんて、遠く北欧はノルウェーから念願のフジロックに着た感慨深さを笑いに変えていた。”Toccata”、”Music! Dance! Drama! “、と繰り広げられるone armed bandit=スロットマシン・ワールドはリーチなしにビッグボーナスを繰り返していき、その限度は簡単に決壊した。後ろを振り返ると、後方までぎっしりで、ただただ圧倒されて静観するのみの人、メーターが完全に振り切れて踊り狂う人、そして私の周りには、エアギターで最高の音をプラスする、10人目のJaga Jazzistのメンバーがどんどん生まれてきた。

ヘリコプターの音(イントロ)がステージに流れ、この流れだったらこれで終わでもおかしくないなと思わされた”Touch Of Evil “では、完全にダンスの花が咲き乱れていた。もうこれだけでも十分満足だった。フジでJaga Jazzistをこの音の洪水とダンスの競演という言うことなしの環境で観られたのだもの。でも、それだけでは終わらなかった。”Naeba Skyline”という言葉を待っていたものの意表をついての”Fuji Rock Skyline”!!! 誰もが待っていたであろうこの瞬間だ。ステージに一列に並んだ9人は笑顔を残して颯爽と去っていった。撤収が始まっても鳴り止まないアンコールの拍手と声。こんな光景を観たのはいつぶりだろうか? 終わった瞬間にたったひとつの思いが駆け巡った。今すぐこの場(フジロック)を去っても何の後悔もしない、と。

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写真:北村勇祐
文:ヨシカワクニコ

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GRAPEVINE http://fujirockexpress.net/10/?p=1500 http://fujirockexpress.net/10/?p=1500#comments Fri, 30 Jul 2010 08:00:29 +0000 shaquille http://fujirockexpress.net/10/?p=1500

 ヴォーカルに軸を置いたGRAPEVINEのステージは、どんなジャンルの曲だとしてもすっーと耳に馴染んでいく感覚がある。彼らは決して飛んだり跳ねたりするようなバンドではないけれど、内面からビシビシと伝わってくる感情の重さは凄まじい。まさに身をもって、生半可ではない心のうごめきを感じることができた。

 ギターリストの長田進とのコラボアルバム『MALPASO』を、6月16日に発売した彼ら。この日はライブメンバーに長田進を迎え、6人編成で登場した。ただステージに立っているだけにも関わらず、思わず圧倒的されてしまいそうな空気感だ。

 1曲目は浮遊感のあるナンバー「CORE」からスタート。声と音が溶け込んでしまいそうな一体感で、じんわりと緊張の糸をほどいてくれる。「フラニーと同意」では、空高く手をあげる観客と何度も笑顔見せるヴォーカル・ギターの田中和将の姿が。曲が進むにつれて楽しそうな表情が増える空間に、会話をしなくとも気持ちが通じ合っていることを実感せずにはいられない。また、長田進がヴォーカルを務めるナンバーも数曲披露。息がピッタリ合ったステージを展開してくれた。

 今夏はRISING SUN ROCK FESTIVALなど、数多くのライブに出演する彼ら。様々な心情を表現する楽曲に再び会える日は、きっとそう遠くはないはずだ。

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写真:熊沢泉
文:松坂愛

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LOCAL NATIVES http://fujirockexpress.net/10/?p=1594 http://fujirockexpress.net/10/?p=1594#comments Fri, 30 Jul 2010 06:30:05 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=1594

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写真:熊沢泉

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THE BAWDIES http://fujirockexpress.net/10/?p=1367 http://fujirockexpress.net/10/?p=1367#comments Fri, 30 Jul 2010 03:49:03 +0000 bamboo56wave http://fujirockexpress.net/10/?p=1367

フジロックの想いが溢れたステージになった!

 フジロック1日目、前日の豪雨とは一変、青空も雲の間から観ることができようになった。ホワイトステージには、3年前のルーキー・ステージから抜擢されたBAWDIESが登場する。本番の前に公開リハーサルとして、”SHAKE YOUR HIPS”そして、”NOBODY KNOWS MY SORROW”を演奏した。そして、約30分のインターバルを経て、待っていた瞬間が始まる。いつものように、サム&デイヴの”SOUL MAN”が流れてバンドが登場。MCなしで”IT’S TOO LATE”から始まった。

 お客さんたちは徐々に集まってきて、ステージ前はいい感じで、踊っている人が多数。ルーキー出身といえども、邦楽のフェスと比べればフジロックはBAWDIESにとってアウェーだろう。おそらく「ちょっと観てやろうか」と試す気持ちで来ている人だって多いと思われる。だけども、今の彼らの勢いはそういう人たちも巻き込んでいく力があった。最初からホームグランドであったかのように暴れまくる。ギターのJIMは暴れすぎて早くもマイクスタンドを倒してしまう。

 ROYのMCもホームのお客さんに語りかけるようだった。「朝食は食べましたか? こういうことを聞いたのはやさしさです。でもまだ食べられるんじゃないですか? ”HOT DOG”を召し上がれ!!」と演奏に突入していく様子は、堂々としていてお客さんたちと積極的にコミュニケーションをとりたい気持ち、そして、たくさんのステージを重ねてきた余裕と自信が感じられた。途中PAが悪かったり、ギタリスト2人が暴走しすぎた感もあるにはあったけど、今の彼らには何の問題もなかった。

 日本人なのに、老ブルースマンのようなROYのヴォーカル、そしてソウル/R&Bに根差し、オールドなロックンロールに忠実な曲調。新しい音楽でもないし、マニアックすぎて女の子に受ける要素なんて音楽的には何もないのに、今こうしたたくさんの女の子たちがステージ前に詰め掛け、楽しそうに踊っているという事実。これは、彼らのルックスや、親しみが持てる言動だけじゃないだろう。今ここでしか体験できないリアルなロックンロールを演奏できるバンドだからこうして、マジックが起こり続けているのだ。

 ROYは繰り返し「愛」という言葉を発した。それは今まで付いてきてくれたファンに対しての愛でもあり、一見さんも巻き込んでしまうような空気を作り上げたを指すのだろう。少しテンポを落として、”I’M IN LOVE WITH YOU”あたりを途中に挟むあたり上手く緩急をつけている。力押しだけでないバンドの姿をみせていた。しかし、やっぱり最後はロックンロール攻撃。”KEEP ON ROCKIN’”でコール&レスポンスをおこない、さらに「あなた自身が花火になって打ち上がってください」と”YOU GOTTA DANCE”で、みんなをジャンプさせる。締めはいつものTAXMANによる「わっしょい!」の大合唱だった。最高のフジロックのスタートを飾ることができたのだ。 

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写真:熊沢泉
文:イケダノブユキ

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スクリーン事情 http://fujirockexpress.net/10/?p=978 http://fujirockexpress.net/10/?p=978#comments Thu, 29 Jul 2010 08:41:34 +0000 nobuyuki http://fujirockexpress.net/10/?p=978  ステージを遠くから眺めたい派には気になるスクリーン。今回、グリーンステージはステージ両脇にひとつずつ、PAブース後方にひとつ設置されています。かなり後ろでもステージの様子はわかります。

 ホワイトステージは、ステージ上中央にスクリーンがひとつ。かなり遠くても見通しはいいと思われます。

文・イケダノブユキ

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