FUJIROCK EXPRESS'10 » RED MARQUEE http://fujirockexpress.net/10 フジロック会場から最新レポートをお届け Mon, 13 Sep 2010 16:31:08 +0000 ja hourly 1 http://wordpress.org/?v=3.0 HORSE MEAT DISCO http://fujirockexpress.net/10/?p=5086 http://fujirockexpress.net/10/?p=5086#comments Fri, 06 Aug 2010 14:59:44 +0000 takumi_nakajima http://fujirockexpress.net/10/?p=5086  

シザーシスターズから流れてきたお祭りピーポーを満足させるのは小太りのおっさん2人!

サウス・ロンドンのクラブ、Eagle Londonで日曜夜の人気ゲイ・ディスコ・パーティーがホース・ミート・ディスコ。エレクトロニカとソウル・ディスコの二つが主流ともいえるゲイ・クラブミュージックにおいて、ベッタベタなディスコ・アンセムにスタイリッシユな選曲を織り交ぜての展開が人気の秘密なのかも。レギュラーパーティーとはいえ、かなりスペシャルな空間らしいので、ロンドンに行ったら是非訪れてみようと思ってはいたけど、苗場で開催されるとはラッキー!シザーシスターズで思いっきりアゲられ、体力の限界を思い知らされ帰途につくか、奮起してパーティークルーズを楽しむか。後者は嬉々としてマーキーに流れ込み、そこにはネオンカラーに彩られたディスコが待ち構えていた!

ステージに丸っこい影二つ。永遠のクラシック・ディスコ・アンセムとともにゲイ・アンセムとも言える、ドナ・サマー、トーキングヘッズにエレクトロ・ディスコからアフロ・グルーヴまで、とどまるところを知らない無限大のセレクション。懐の深さをうかがわせる。目の前の丸っこいオッサン2人がジェームス・ヒラードとジム・スタントン?現在4人になっているホース・ミート・ディスコの立ち上げメンバーの2人なのだが、なんとなく日曜日に庭の芝刈りや犬小屋のペイントをしてそうなイメージ。トレンドに敏感なゲイやクラブ・ピープルから絶賛される最先端サウンドの人とは思えない…。でも、ブース内で肩をくりくりする踊りが可愛いっ!ステージ裏から女の子が走って飛び入り。くりくりオジサン達を前にエアロビのように踊りまくる。ビジュアルからはネオンカラーの目ツブシ攻撃が止まらず、不思議な光景。

トレンドには敏感なゲイ・ピープルから賛美され、苗場ではゲイもヘテロもミックスされたレッド・マーキーでパーティー・ラヴァーズをアゲまくり。それにしても、この狂乱が深夜2:30まで続く…枯れるまで踊れってことか。

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写真:中島たくみ

文:mimi

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BROKEN BELLS http://fujirockexpress.net/10/?p=1769 http://fujirockexpress.net/10/?p=1769#comments Fri, 06 Aug 2010 14:53:00 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=1769

ブライアン・バートン(ルイスじゃないよ)ってどこかで聞いたことがあると思ったら、ナールズ・バークレイのデンジャー・マウスのことだったのか!その彼がシンズのフロントマン、ジェームズ・マーサーと結成したのが、このブロークン・ベルズ。

今年は別名義ユニットやグループが多く、こんな風にアレ?どこかで聞いたぞ?と思うことがしょっちゅう。また、プロデューサーで名をあげた人々がバンドとして続々登場しているのも今年のフジロックの特徴。音楽業界でこういう現象が多発するところの意味とは何だろう?不景気で政治も将来も雲行きが怪しい世界情勢の中、音楽がどんどん保守的になっていく。どこかで聞いたような歌詞、どこかで聞いたようなリフ、どこかで見たようなフロントマン…そんな中で良質な本物が、何とか生まれようと、もがいているのかもしれない。

ところでシンズと言えばUKインディーのカリスマバンド。私はあまり知識がないのだが、ジェームズのボーカルが美しく聴き入ってしまう。デンジャーマウスのもじゃもじゃ頭はドラム・セットからちらちらと。

ロック、R&Bの中にフォークの香りがするサウンドは心地よく踊れる。日曜昼間のフェスにはもってこいの軽やかさで、外は雨だけどマーキーの中はひまわりと太陽の幻覚が見えてきそう。夏の真昼がぴったり似合う、ちょっとメランコリックなサウンドは、ステージでも眩しい光を放っている。何か間違いが起こっても「みんな夏の太陽が悪いんだ」で済んでしまいそうな、そんな投げやり感も見え隠れする。聴きやすいフレーズに一筋縄ではいかないような“あく”を持っている…そんな印象。あ~夕暮れのホワイトあたりで一杯ひっかけながら見たかったかも!

3月にアルバムを発売してから北米ツアーに乗り出し、今回のフジロック。既にセカンドアルバムの制作が決定しているという。しかもバンド名も変わるかもしれないというユルさ。バンドとしては日が浅いけれど、さすが売れっ子プロデューサーとインディの重鎮の余裕と見た。決して華やかなバンドではないかもしれないけれど、身軽な製作意欲に期待!

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写真:前田博史

文:mimi

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DETROIT SOCIAL CLUB http://fujirockexpress.net/10/?p=2782 http://fujirockexpress.net/10/?p=2782#comments Wed, 04 Aug 2010 18:30:24 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=2782

去年はトム・モレロ率いる、ストリート・スリーパー・ソーシャル・クラブが、そして今年はデトロイト・ソーシャル・クラブが…と去年からソーシャル・クラブづいてるフジロック。

去年の男だらけのSSSCに比べたら、こちらデトロイトのソーシャルクラブの女子率の高さには目を見張るものがある。それも納得。白いスーツで躍り出てきたジャーヴィス・コッカーを踏襲したようなフロントマンに目が釘付け。あーこれじゃあトム・モレロは…残念だな。

7月7日にアルバムデビューしたばかりの新人なのに、人生使いこなしたオーラが益々ジャー様を思いおこさせる。しかも、名前がデヴィッド・バーン!!更にバンドはデトロイト~と謳っていながらUKはニュー・キャッスル出身!PVではコルピクラーニ張りに森感満載だったので素朴なキコリ達だと思ったら、この伊達男ぶり!爆笑!何だこのバンドは。おまけに、ふと目の前を見ると、セキュリティの男の子はビジュアル系。初めて見たぞ、ビジュアル系のセキュリティなんて。しきりと前髪を気にして、クネッとナナメに立ってる色白の彼の向こう側に見える、ぴょんぴょん跳ねてるデヴィッド・バーン…シュールすぎる。

シングル発売だけでフジロック出演なんて山ほどいるので別に驚かないけれど、ぐるぐる渦巻くうねるビートにちょっとダーティーなサウンド、そして、のびやかなボーカルと、アート感…プライマル・スクリームのオープニング・アクトに抜擢されたのもうなずける。カサビアンに通じるものがあるかな?大物の予感を十分に持ち合わせている。ついでに言えば、発売されたばかりのデビューアルバムのプロデューサーはジム・アビス。このサウンドでアビスと言えば、ああ、やっぱり、と思った人も多いはず。

しかしながらプロデューサーなんて関係ないのがライブで、バンドの実力が嫌という程露呈されてしまう場だけど、そこがまた堂々としたもの。演奏はもとより、彼らのそのサウンドとステージパフォーマンスがマッチしていて、客の盛り上がりも相当なもの。白いスーツのジャケットをおもむろに脱いでは振り回し、投げる!ベタなプレゼンテーションが決まっていて、カッコイイ。

近い将来、更に沢山のお客さんを前に、このI love me! なパフォーマンスを繰り広げているのが想像に難くない。ひとつだけ残念なのは腹が引き締まっていることだ。スーツの下は、ナマっちろい細い体にぽっこりビール腹、それがUK大物アーティストのお約束。でも放っておけば、ワールドワイドに活躍する頃には立派なポッコリになっているはず。それは先人が証明している。

それにしても、こういう期待値の高いバンドに会えると本当にワクワクする!

Red Marquee万歳!

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写真:古川喜隆

文:mimi

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BOYS NOIZE http://fujirockexpress.net/10/?p=3664 http://fujirockexpress.net/10/?p=3664#comments Wed, 04 Aug 2010 17:41:35 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=3664

こんなにメジャーになったのに、以前よりもインディー臭漂うドイツ小僧に好感度アップ!

2007年のジャスティス、シミアンが制覇してから土曜深夜のレッドマーキーは伝説になった。しかしあまりにも2007年の圧倒的パワーが尾をひいてしまった感はあったのだが…。今年はイタリアの新顔レモン男リヴァ・スター、ドイツのボーイズノイズ、おなじみロックをデストロイ!のマイロとヨーロッパ勢で占められた。何度も来日していて、日本では結構おなじみなりつつあるボーイズ・ノイズことアレックス・リダが今年の土曜深夜の中心といっても過言ではない。赤いベースボールキャップでもくもくとプレイする姿は相変わらずだが、何だかオーラというか、貫禄みたいなものを感じる。しかしメジャー感や大物感はない。…何というか、長く留年していて、同じクラスだけど年上の人って感じ。実際は小僧といってもいい大人のハズだけど。

そして、書いてるのか?天然なのか?謎の眉毛はやっぱり今日も繋がったままで嬉しくなる!

マーキー内にも赤のベースボールキャップが目立つ。スクリーンからはPOWER!BNR!の文字が赤黒チカチカとブレイクビーツの波状攻撃とともにマーキーをバキバキにアゲまくる。その破壊力は相当なもので、マーキーは熱気でムンムンのサウナ状態。天井から、冷やされた水蒸気がボタボタと雨のように垂れてくる。そしてこれがまた臭いんだ!でも何だか臭い方がみんな楽しいみたいで、その場を動かないんだ!アホみたいに踊り続けてるんだ!

それを見て悟った。フジロックは欲望を解放する場なのだ。

ボーイズ・ノイズ→マイロとねちっこい大人のいやらしい流れで夜は更けていくが、昼間の雨にやられて、更に赤黒チカチカにこれだけ踊らされてはエナジーチャージも風前のともしび。疲労困憊の身体に曲がらないロボット状態の両足を引きずってレッドマーキーを後にする。同じように道行くロボット達。しかし振り向くとまだまだ臭い地帯で奇声をあげて解放された大人たちがキラキラ飛び跳ねているのであった。

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写真:古川喜隆

文:mimi

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MIIKE SNOW http://fujirockexpress.net/10/?p=1703 http://fujirockexpress.net/10/?p=1703#comments Wed, 04 Aug 2010 15:45:40 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=1703

またまたスウェーデンがアイス系ファンタジー・バンドを世に送り出してくれた。プロデューサーデュオ、Bloodshy and AVANT(マドンナ、カイリー・ミノーグ、ブリトニー・スピアーズなどへの楽曲提供・プロディース)のクリスチャン・カールソンとポントゥス・ウィンベリのスウェディッシュ2人と、やはりシンガー兼プロデューサーのアメリカ人、アンドリュー・ワイアットの3人で結成された、いわばスーパープロデューサー・バンドなのだ。しかし、マイクにiがふたつなのは謎である。スウェーデン語では何と?マイーーーク?

サポートまで全員揃って黒シャツ・黒パンツでステージに登場。素敵!

北欧バンドが一様に持っているひんやり感がマーキーに低く漂い流れ出す。雨が降ったりやんだり蒸し暑い中に心の清涼感、ホッとする。

ロイクッソップが雪山だとしたら、マイク・スノウは雪解けの頃を感じさせる。風のにおいや空気の温度、土の中でごそごそと蠢きだす、何か。

ダンサブルなanimal、そしてBurialで合唱が起こる。一度聴いたら忘れないメロディー、さすが人気プロデューザだけあって、掴みどころをわかってらっしゃる!と言いたくなるキャッチーさ。盛り上がらないわけがない。お遊びで始めたバンドなのでライブまで考えてなかったなんてまあご謙遜!完成度の高いステージはお見事の一言である。山を越えて響き渡るような歌声が遠くへ、ライトの奥へ吸い込まれていく。美しい。

 知性ある森ガールには特におすすめ。まあ、うさぎに鹿の角がぶっ刺したジャケ写って時点で森的にはありえないかもしれない。でも、人生にはゆるフワだけでなく少しの毒も必要なのよ。

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写真:岡村直昭

文:mimi

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BUFFALO DAUGHTER http://fujirockexpress.net/10/?p=4451 http://fujirockexpress.net/10/?p=4451#comments Tue, 03 Aug 2010 14:44:21 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=4451
最終日夕方、赤い衣装をまとったBuffalo Daughterがレッドマーキーに現れた。そういえば7月に出たばかりのアルバム『The Weapons Of Math Destruction』のジャケットも赤だ。赤・レッド・赤…彼らがこのステージに立つことは当然のような気分になってくる。

襟元にキラキラとした飾りのついたかわいらしいノースリーブワンピースの大野由美子が客席に向かって手を振る。対するシュガー吉永はオーバーサイズの赤いTシャツ、黒のスリムパンツ、スニーカーといったボーイッシュな格好だ。バンドでの彼女たちのキャラクターが衣装を見るとなんとなくわかって面白い。2人が向かい合うように並び、その後ろにこちらも赤いTシャツのムーグ山本とドラムの松下敦が並ぶ。

1曲目はニューアルバムから「Gravity」。名前どおり重力を感じるような重いリズムの上にミニマルなメロディが重なってオーディエンスを静かに揺らしていく。人力エレクトロサウンドから、続く「All Power To The Imagination」ではギターのカッティングがジャキジャキと響くロックン色の強いサウンドへ。Buffalo Daughterの3人の演奏もさることながら、ZAZEN BOYSなどで活躍するサポートドラムの松下敦がとても魅力的だ。クールな音を弾き出す3人に対して、松下は汗が飛び散るような獣のような熱さをみせる。ただ激しいドラムを叩きながらも決してバンドのサウンドを邪魔せず下から押し上げるような頼もしさがあるので、より3人の音が引き立つのだ。

「Pshychic A-Go-Go」が始まるとじりじりと熱を帯びてきた会場の盛り上がりは最高潮に。ミニマルなハンマーフックのギターリフに大野、シュガー、ムーグのハーモニーが心地良く響く。ラストはさらに煽るように「Cyclic」。演奏が終わると、そうだここは苗場だったとはたと気づいた。Buffalo Daughterは一瞬の赤い旅へ連れて行ってくれたのだった。

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写真:熊沢泉
文:名塚麻貴

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ALBERTA CROSS http://fujirockexpress.net/10/?p=4117 http://fujirockexpress.net/10/?p=4117#comments Tue, 03 Aug 2010 14:30:59 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=4117
 スウェーデン人とイギリス人を中心に結成されたALBERTA CROSS。ハードな部分もソフトな部分もたくましい輝きを持っていて、まっすぐなサウンドがとても魅力的に映るバンドだ。あのリアム・ギャラガーにも認められて、オープニング・アクトを務めたこともあるという。というわけで、非常に期待が込められているバンドの一つだろう。

 ライヴを見ていて思ったのは、いい歌を届けてくれるバンドだなあということ。容姿はキーボーディストを除く4人が長髪で一見するとハードロッカーっぽいのだが、彼等の音楽は前述したように、無垢な響きを持った端正なロックを鳴らしている。ギター、ベース、ドラムがサウンドを編みこみ、キーボードがゆるく被さっていく。ただ、その中でやはり歌の良さを最大限に引き出すような構成がとられている。ゆえに彼の声は胸の奥まで浸透していく。その歌には悲しみを受けてくれるかのような、また前へ踏み出す力を与えてくれるというか、そんな力があると思う。

 その中でアコースティック・ギターの甘美な響きと歌の良さを生かした曲で、感動を誘ったり、Voがタンバリンに持ち替えてリズム隊、キーボードと共に静かに燃え上がるような空間を作り上げている時もあった。ラストにはシューゲイザー寄りの轟音まで手繰り、会場を震え上がらせていたのが印象的。予想以上に引き出しの多いライヴを披露してくれたことには驚きを隠せなかった。今度は屋根付きではなくて、風を浴びられるようなステージで彼等の歌と演奏を堪能したいものだ。

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写真:熊沢泉
文:伊藤卓也

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AIR http://fujirockexpress.net/10/?p=4677 http://fujirockexpress.net/10/?p=4677#comments Tue, 03 Aug 2010 14:23:46 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=4677

 待ちに待った、AIRのフジロック出演!ステージ上にはニコラとJB、そしてドラムは北米ツアーもサポートしていたアレックス・トーマス。いつものことながらシンプルなシャツ姿で登場。ニコラは白いストールを巻いていて、とても似合っている。そういえばエールの2人がTシャツやカットソーを着て演奏しているのは見たことがないが、想像もしたくない。

Dot the joyで幕を開け、久しぶりに堪能するエールの世界はリズムを強調して、全体的にテンポ速め。結果、ポップでコンパクトな印象を受ける。特に、RememberやHow does it make you feelといった昔の曲ではちょっとだけ違和感が…。個人的に、エールの魅力は気だるく甘いメロディとふわふわ夢心地な浮遊感だと思うのだが、今回浮遊感は少々抑え気味の様子。ただ、Tropical diseaseやDon’t be light、Sexy boyにおいてはアップテンポがマッチして新鮮。大体、Tropical diseaseなんて一歩間違えばムード歌謡に転びそうな危険なメロディ満載なのに、ギリギリのところでバランスを保っているのはさすがである。映像もハイエンドなビジュアルではなく肌のぬくもりを感じさせる独特さで、そこはかとなく漂う場末感が思いっきりパリっぽい!コンパクトに感じるとはいえ、耽美さはダダ漏れで、最後のLa femme D’argentでは、お得意のメランコリーで甘美な世界を思う存分堪能させてもらって大満足。

 フレンチエレクトロ旋風の先駆けのようなメディアからの扱いに、本人達は淡々とNonと言い続けてきた。そして、実際にもシーンとは少し離れたところに居続けた。現在のフレンチエレクトロがダンス・トレンド寄りになっていくのに対し、エールはオリジナリティを貫き続けた。フジロックではその世界を愛する大勢の観客に愛を持って迎えられた。ステージでお辞儀するエールの2人にいつまでも感性と拍手がなりやまず、マーキーはアムールに包まれたのである。

 彼らは以前から野外ステージでの演奏を望んでいると言っていたので、できることならグリーンやホワイトで見たかった。でも、それは次のお楽しみとしてとっておこう。山、森に映えるエールのサウンドを想像しただけでも、宙に漂ってしまいそう。

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写真:熊沢泉

文:mimi

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RASMUS FABER http://fujirockexpress.net/10/?p=5119 http://fujirockexpress.net/10/?p=5119#comments Tue, 03 Aug 2010 02:31:20 +0000 takumi_nakajima http://fujirockexpress.net/10/?p=5119

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写真:中島たくみ

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Y.Sunahara http://fujirockexpress.net/10/?p=5098 http://fujirockexpress.net/10/?p=5098#comments Tue, 03 Aug 2010 01:49:30 +0000 takumi_nakajima http://fujirockexpress.net/10/?p=5098

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写真:中島たくみ

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DJ JAMES MURPHY(LCD SOUNDSYSTEM) http://fujirockexpress.net/10/?p=4939 http://fujirockexpress.net/10/?p=4939#comments Sun, 01 Aug 2010 16:02:27 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4939

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写真:中島たくみ

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DJ ALEXIS TAYLOR (from HOT CHIP) http://fujirockexpress.net/10/?p=4882 http://fujirockexpress.net/10/?p=4882#comments Sun, 01 Aug 2010 15:05:58 +0000 shaquille http://fujirockexpress.net/10/?p=4882 DJ ALEXIS TAYLOR (from HOT CHIP)
 ますますわからない。Alexis Taylorとはどんな人物なのだろう。わけがわからないのではない。逆に知れば知るほど、謎が湧き出してくるのがAlexis Taylor。笑わない、媚びない、でも音楽に対する静かな熱さを秘めた人……。この後に続くJames Murphyへとつながる線は、実によく理解できる。Alexis TaylorだけではなくHot Chipのメンバーは、The 2 BearsやGreco-Romanといった別ユニットや、Hot Chipからは一見連想することが難しいアーティストのRemixを手がけたりと、ひとつ引き出しを開けて閉じると、別の引き出しが飛び出すという罠にはまっているのだ。

 Hot Chipのライヴの興奮冷めやらぬこちら側とは裏腹に、まったく表情の変わらない涼しい顔のAlexis Taylorがひとりぽつんと機材の前に立つ。グリーン・ステージでは、今年のフジの大きな事件、Atoms For Peaceが、そしてMassive Attackへのバトンタッチが行われている。レッド・マーキーには、人は少ない。ただ、ここへ集まった人たちは、モノ好きそのもの。さっきは気づかなかったけれど、モノクロのメデューサのTシャツ……つっこんでほしいのか、どうなのか。

 こちらフロアに目をやることもなく、ただただ淡々と、黙々と7インチレコードを手にしては、小さなツマミをキュッと上下。そして視線の先にはぐるぐると回ったレコードと、レコードの針。ミニマムなピアノの音がただただ繰り返される。日本では貴重なDJとしてのステージに、心が躍った。Alexisの元には、Hot Chipのメンバーが立つ姿もあった。Alexisが回す曲が何であるかはわからなくとも、この日のAlexisのプレイには、納得がいった。でも、さらに私はAlexis Taylorという泥沼の深みにさらにはまってしまった。わからない…Alexis Taylorという人物が理解できないのではない。謎を解き明かそうともがけばもがくほど、抜け出せない底へ底へと向かっているだけ。ただ、そのもどかしさが心地よい。Alexis Tayorという人をきちんと解明できる日が来るなんて思っていない。むしろこれからもこの泥沼感をもらたしてくれる人でいてほしい。
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写真:中島たくみ
文:ヨシカワクニコ

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YEASAYER http://fujirockexpress.net/10/?p=4073 http://fujirockexpress.net/10/?p=4073#comments Sun, 01 Aug 2010 13:25:51 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=4073
 昼間からアゲアゲなテンションへ持って行ってくれたのは、奇天烈なセンスを持ったバンドを近年多数輩出しているブルックリンからの新たな刺客、Yeasayerだ。エレクトロ、ニューウェイヴ、トライバル、サイケデリック、ソウルなど様々な音楽をリンクさせ、美しい世界を紡ぎあげていく彼等の音楽の心地よさは絶品だった。

 その噂を聴いて駆けつけたのか、昼間の時間帯にしては、かなりにぎわいのあったレッドマーキー。驚くべき人数から発せられる異様な大歓声と拍手に迎えられる中で、ステージに登場したのはサポート・メンバーを含めた5人(ドラムやパーカッションを担当していた2名がサポート)。基本的にはヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、パーカッションといった編成だが、キーボードやシンセを兼務している人が数人いる。曲によってはマラカスなんかもつかって、独特のサウンドと煌めきを追及している模様。

 ライヴ序盤は、彼等の代名詞となりつつある80’sっぽいエレポップではなく、古めかしいサイケデリックのテイストが詰まった1stアルバムの選曲が多かった。こちらだとバンド・サウンドがしっかり根ざし、ロック成分が強い感じ。ブルージーなギターやトライバルなリズムが民族的な香りを放っていて、現在のYeasayerからはちょっと予想できない感じになっている。ただ、シンセを使った意匠が現在とリンクする部分もあり。躍動感あるリズムは当時から踊らす感性が秘められている。

 だが、エレポップの要素が強いバンドとして認知していたのはおそらく自分だけではないだろう。2ndアルバムの「Madder Red」や「O.N.E.」といった曲が演奏されると盛り上がりが段違い。水を得た魚のように会場全体が弾けていた。チープな電子音と人力のサウンドが混成し合って、できあがるポップ・サイケデリアの結晶。優雅に色ついたエレクトロ、半端ない躍動感、さらにそこに端正で伸びのある歌声が加わることで、ポップ感により磨きがかかってる。聴きやすく、ノリやすい。そしてライヴの質も高い。人気を獲得し始めているのは、やはりこういうところがしっかりしているからだろう。

 ラストには伝家の宝刀である随一のダンス・キラー・チューン「Ambling Alp」で縦にも横にも大きく揺らし続け、レッドマーキーをとてつもないダンス・ホールへと変貌させてライヴは終了した。予想以上に1stからの曲が多く感じたが、現在と過去の差異を感じながら、彼等の変貌が見えてきたライヴで面白いように思えた。

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写真:熊沢泉
文:伊藤卓也

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HOT CHIP http://fujirockexpress.net/10/?p=4461 http://fujirockexpress.net/10/?p=4461#comments Sun, 01 Aug 2010 10:34:11 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=4461 続きを読む ]]>
  フジロックのタイムテーブルが発表されると、当日まで、脳内でマイ・タイムテーブルが構築されていく。そこで悩ましい問題となるのが、観たいアーティストがカブるという事態。Hot ChipとLCD Sound Systemがまぁ、キレイにカブっていて、どちらかをチラ見して両方観るなんてことはできない。さて、この究極の選択を強いられた皆さん、さてあなたはどっちを選んだのだろう?

■ファッション・チェック
 音楽にはファッションなんて関係ない! と言われるのもごもっとも。ファッションという言葉を完全崩壊させているのが、Alexis Taylorでもあり、目を離すわけにはいかい。「ごきげんよう、町内会長!」、今年はそんな感じできた。腰回りの丸みをカバーする大きめの白いシャツに黄色のパンツ。そしてスタッズかが不細工に施された茶色の帽子……あいかわらず期待を裏切らないセンスの持ち主、Alexis Taylor。

■アノ人がいない! 
 今回のステージには、Joeの姿がなかった。何もかもがアンバランスな5人の集団、Hot Chipにおいて、誰ひとりとして欠けてはならないのだけれど、ベイビーご誕生とのことで、来日できなかった模様。Joeがいない今回のフジは、他のメンバーが代わってヴォーカルを取り、本来ならジJoeのパートでは、小さなスクリーンに、どかんと口パクのJoeが映し出されるというとてもとてもレアなHot Chipだったのだ。

■確信犯のセットリスト
 ”And I Was A Boy From School”、”One Pure Thought”、”One Pure Thought”なんていう1st、2ndのあがること間違いなしの過去の遺産曲たちは、前半でさっさとやってしまう潔さはやっぱりHot Chipならではというのを再確認。しかもそれぞれの曲はアレンジを変え、お、次は何だ?と思わされるも、ああぁぁ!というのも実に確信犯かの如く、羽織り風にキーボードを弾いたり、ドラムを数人で乱れ打ちしたり、ちょっと手持ちの機材から離れては、ファンキーなダンスを黙々と、そして微動だにしないイメージのAlexsisはステージを降り、オーディエンスのもとによって、冷静なるハイタッチ。中盤の『One Life Stand』からの曲を経て、”Hold On”、そして”Ready for the Floor”というキラー・チューンで締めくくった。

■エレクトナログ
 今回のライヴでは、サポートとしてドラムが加わっていた。ドラムが加わることにより、これまでの、Hot Chipよりもよりタイトに変化していた。これは好き嫌いがありそうなそんな予感。それぞれのメンバーの前には、黒い機材が並び、小さいツマミをミリ単位で動かし、曲となっていく。音はデジタルでも5人が譜面には現されない隙間を生めていく姿は完全にアナログ。そこへアナログなドラムが入ると、逆にデジタル特有のタイトな音に変化する不思議を目撃した。まさにエレクトロニカとアナログの融合、それこそが、Hot Chipの最大の魅力なのだ。

■そんなHot Chip
 ますますAlexis Taylorという泥沼にはまる一方である。秋には、フジにも出演したLCD Soun Systemとのツアーを控えていたりで、そのパイプは簡単に想像がつく。ただ、Badly Drawn Boy、King Creosote、The Aliens、Pictish TrailそしてSteve Masonといった音楽の垣根を越えたつながりを見せてくれるのも、Alexis Taylorという人物の不思議にもつながる。笑っているのに、笑っていない。微動だにしないのに、動いている。不細工なのにカッコいい。あらゆることに対して、間逆の面を持ち備えた、Alexis Taylor、そしてHot Chipからこれらも目を離すことなんてできるわけがない。

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写真:熊沢泉
文:ヨシカワクニコ

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CODEINE VELVET CLUB http://fujirockexpress.net/10/?p=4211 http://fujirockexpress.net/10/?p=4211#comments Sun, 01 Aug 2010 07:36:52 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=4211
 フジロックのラインナップが決定し、タイムテーブルを眺めながら、音を聴いてみると、ふと気になる音に手が止まった。へー、スコットランドの人なのか、なるほど。え?元The Fratellisのフロントマンのジョンのサイドプロジェクト? ははぁん、なるほど。The Fratellisとしての活動に終止符を打ったのは今年、2010年の春のこと。バンドが解散することは悲しいことではあるけれど、そのバンドをいったん解体することにより、もう一度、それぞれの音楽のスイッチを元に戻して、再度自分のなかの音楽を構築し直すチャンスであると思うと、新たな楽しみができたとも思える。ジョンが音楽をリセットしたのは早く、次の音楽の基盤として誕生させたのがCodeine Velvet Clubだったというわけなのだ。

 ジョンがCodeine Velvet Club として活動する仲間に選んだのは、Lou Hickeyだったのだ。ステージにはシャツにベスト 姿のジョン、隣にたたずむはスレンダーなラインが最大限美しく生えるようにデザインされた膝上丈ワンピースをきるLou。写真で見ていたLouとはまるで別人とも思えてしまう その姿は、女であるはずの私には決定的に欠けている要素、洗練された美というもの。 そしてまた、このLouの歌声は秀逸そのもの。女性でしか持ち得ない透明感と、艶かしさ と力強さの3つともを兼ね備えているのである。
 
 それにしてもグラスゴーの音楽ネットワークには脱帽し放題である。The Fratellis というバンドの歴史を終えても、これだけ良質の音楽を排出することができる仲間ができるのだ。The Fratellisの延長線の音楽をするのではなく、Louというパートナーと、ベース、 ドラムにキーボード、トランペットとサックスを加えて7人のパワーは、グラスゴーの ポップさを追求した極上のポップ・ソング・オブ・ポップ、あるい はポップ・ソングのためのポップ・ソングに新たな1ページを追加した。
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写真:熊沢泉
文:ヨシカワクニコ

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Stevie Salas and Bernard Fowler Present the I.M.F’s http://fujirockexpress.net/10/?p=3940 http://fujirockexpress.net/10/?p=3940#comments Sun, 01 Aug 2010 03:52:45 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=3940

Stevie Salas and Bernard Fowler Present the I.M.F's _IZ12781 _IZ12813 _IZ12816 _IZ21385

写真:熊沢泉

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GOOD 4 NOTHING http://fujirockexpress.net/10/?p=3766 http://fujirockexpress.net/10/?p=3766#comments Sun, 01 Aug 2010 02:49:15 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=3766

3日目のスタートはGOOD 4 NOTHINGから!
SEが鳴り、走ってステージに登場するメンバーはとにかく元気がいっぱいだ。

It’s My PradiseからライブがスタートするとTANNY、U-TAN、MAKKINの3人がステージ上を動き回る。柵の前まで降りてきて演奏を続ける場面も見られた。そんな姿を見ているとこちらもテンションが上がらずにはいられない。フジロック初出演にも関わらず、すでにホーム感たっぷりだ。彼らの演奏の安定感はものすごい。10年以上の活動暦を持つ彼らとしては当然のことではあるが、改めてそれを実感した。

ひたすら駆け抜ける印象のステージであった。時間の制限もあるが、8曲終わるまでほぼMCなし!
「みんな盛り上がってんの?アホちゃう?まだ10時やで!」
確かにアホかと聞きたくなるくらいにモッシュピットは激しかった。寝起きの体で激しくぶつかり合い、人の上を転がっていく。オーディエンスは水を得た魚のように跳ね上がる。後ろの方の人まで拳を突き上げ、ハンズクラップをする。そうせずにはいられないのだ!楽曲の激しさに加え、何とも気持ちの良いコーラスを聞くと、前日までの疲労なんか全部吹き飛ぶ。彼らの滲み出るパワーが私たちを触発してくるのだ。

次回は是非もっと大きなステージに立つ彼らを見たい、と私は強く思った。

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写真:熊沢泉
文:岡安いつ美

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MYLO http://fujirockexpress.net/10/?p=3749 http://fujirockexpress.net/10/?p=3749#comments Sun, 01 Aug 2010 02:39:54 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=3749

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写真:古川喜隆

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IVAN SMAGGHE http://fujirockexpress.net/10/?p=3713 http://fujirockexpress.net/10/?p=3713#comments Sun, 01 Aug 2010 02:28:58 +0000 ryotamo http://fujirockexpress.net/10/?p=3713

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写真:古川喜隆

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FLOGGING MOLLY http://fujirockexpress.net/10/?p=3153 http://fujirockexpress.net/10/?p=3153#comments Sun, 01 Aug 2010 02:24:00 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=3153
 定刻ギリギリにレッドマーキーへ向かってみると、あの屋根の下へ入ることすらも不可能なほどの人、人、人。雨が降っていたことも影響しているもしれないが、それにしてもこんなにも多くの方々にお目当てにされていたとは思わなかった。アイリッシュ・パンクの愛すべきバンド、Flogging Molly。これまで何度となく日本を訪れ、その行った土地で凄まじい熱気を生み出してきたことで,既にその実力は証明されていることだろう。レッドマーキーのトリを務めたこの夜も、当然のように凄まじく熱い夜へと変えていった。

 小気味よい疾走感溢れる演奏と軽やかだけどちょっとくぐもった歌声、そこにアコーディオンとヴァイオリンが重なって絶妙な華やぎをもたらし、陽気で熱量の高い空間を描き出す。伝統的なアイリッシュの薫りをたっぷり撒き散らしながら、パンクの昂揚感を伴って炸裂するサウンドが彼等の持ち味だ。カントリーやフォークといった要素も含んだメロディにもまた風情があり、やはり聴いていて非常に心地よい興奮に襲われる。人間の本能を呼び覚ます音楽、胸の奥底から蒼白い炎を燃え上がらせる音楽である。これを前にしてしまったら会場のテンションが爆発してしまうのも無理はないだろう。

 序盤から既に踊り狂う人、飛び跳ねる人、モッシュする人が続出。気づけばこの波は大きくなり、狂乱の宴となっていく。屋根の下に入ることができず、かなり後ろで見ていた自分にもこの熱波が伝播していて、肩を組みながら楽しそうに歌っている人たちの姿も目に付いた。とてつもなく気分が昂ぶるライヴであるのは確かだが、情熱的で激しい演奏の中で笑顔がここまで咲いていくのも、底抜けの陽気さが彼等の音楽を包んでいるからだろう。

 当然ながらライヴが進めば進むほどに熱気は高まり、鼓動は高鳴っていく。人間の鼓動に合わせたかのようなリズムが心地よかったり、どこか懐かしさを持ったメロディに温かみを覚えたり、パワフルなアンサンブルに牽引されたりというのにも興奮を誘われた。その中で何より、演奏している本人たちの笑顔がまぶしいぐらいに輝いているのが印象的だった。そんな彼等と会場との間にあった、もの凄い一体感も素晴らしく感じた次第。1時間強に及んだライヴだが、まさに”楽しさの詰め合わせ”のような貴重な時間を私たちに与えてくれた。

IMG_0722 IMG_0768 FLOGGING MOLLY IMG_1970 IMG_2034

写真:佐俣美幸
文:伊藤卓也

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RIVA STARR http://fujirockexpress.net/10/?p=3379 http://fujirockexpress.net/10/?p=3379#comments Sat, 31 Jul 2010 16:37:31 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=3379

写真:古川喜隆

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DEXPISTOLS & ROC TRAX CREW featuring Zeebra and more http://fujirockexpress.net/10/?p=3360 http://fujirockexpress.net/10/?p=3360#comments Sat, 31 Jul 2010 16:23:47 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=3360

 エレクトロ大会の様相を呈する二日目の深夜レッドマーキー。その二番手を務めるのは、過去の出演や岩盤ナイトでの実績により、すでにフジロッカーズにしっかり認知されているデックスピストルズである。しかも今回はジャパニーズヒップホップの頂点に立つ男、ジブラの客演も予告されている。踊り足りない人、極上のBGMと共に二日目の反省会をする人、そして「デックスピストルズとジブラで何すんだ?」という未曾有の期待などが交錯し、集まった人の数は当然のようにレッドマーキーの屋根に収まりきらない人でにぎわった。

 DJダルマとマーの二人のほか、仲間のロックと自らのレーベルからロックトラックスクルーも助太刀し、6人が横並びに卓を触る格好となったこの日のステージ。ステージの上でどのような役割分担があるかはうかがい知ることが出来ないが、なるほどDJひとりがレコードをつなぐ以上の音が生まれていることは確かだ。シンセとサンプリング、そしてビートが面白いほど表情を豊かにし、盛り上がりどころを次々にと演出していく。

 数曲を披露したのち、早々にあの男が現れた。意外にも初登場となるジブラだったが、その姿は圧倒的というよりほかない。いつもとは違うビートも早々と乗りこなし、その上で煽り引っ張る一本のマイクの力強さ。そしてフロアの求心力がそのまま形となったかのような盛り上がりである。披露した「FIRE」という曲名そのままに、彼はフロアに火をつけた。曲の終わりと共にジブラは引っ込み、それからはロッキンエレクトロビーツにMCを交えてのヒップホップエッセンスを残した展開に突入。客演者も次々に参上して「NEW JACK HOSUE」など楽曲をプレイ、下世話なくらいにアゲていくスタイルでフロアの温度を上げ続けた。

 後半になり、再びジブラが登場。初登場時のTシャツ姿とは違い、襟付きシャツにネクタイ、そしてなぜか演説台もセットされる。そこで披露されたのは、え、演説??!!デックスピストルズのサウンドとジブラのアジテーションとで構成される「BAMN」が、レッドマーキーでも公開された。おそらく台本が書かれているiPadを片手に、「日本のオリジナルなダンスミュージックを!」とただ弁を振るうジブラの姿は、ダンスミュージックに踊らされたい人からしてみれば戸惑いが生じてもおかしくない光景であった。しかしそこを確かな盛り上がりにするのは彼の硬派な姿勢と、その後ろで拍手を送るDJダルマなど、デックスピストルズクルーのバックアップがあってこそだろう。まさにオリジナルな時間を演出したデックスピストルズのステージは、盛り上がりをそのまま次に引継ぎ、二日目の夜が更けていった。

写真:古川喜隆

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PONTIACS http://fujirockexpress.net/10/?p=2886 http://fujirockexpress.net/10/?p=2886#comments Sat, 31 Jul 2010 15:38:09 +0000 kim http://fujirockexpress.net/10/?p=2886

まだ誰もでてきていない、何も始まっていない。ステージがそんな状態なのに、レッドマーキーの温度はすでに沸点にまで達しようとしていた。浅井健一と照井利幸が一緒にフジロックのステージに立つというのは、フジロッカーにとってこれほど重要なことなのだ。わかってはいるつもりだったが、目の当たりにすると何もわかっていなかったことに気づく。その存在の大きさは常にこちらの想像を超えている。ヒートアップするオーディエンスとは裏腹に、見事なほどいつものままでベンジーがステージにあがってきた。やはりこの人は”苗場の顔”のひとりなのだろう。フジロックという場にいるのが、とてつもなく自然だ。演奏が始まると、感情を抑えきれなくなった前方の観客が爆発。いきなりモッシュの嵐を繰り広げる。「Fujirock Babys,We are PONTIACS」の挨拶の後も熱狂は止まらない。これまで、数回のライヴと会場限定販売CDしか触れる機会のなかったバンドだ。初めて見て、聴く人が圧倒的に多いはず。それでも、これだけの盛り上がりを見せるのは3人が、なによりベンジーが出す音にぶれがないからだ。ブランキー・ジェット・シティ、シャーベッツ、ユダ、浅井健一バンド……。出演する名称と形態は変わってもやっぱりベンジーはベンジーなのだ。それは他のふたりも一緒だろう。そんな3人が奏でる音楽は、3ピースならではのシンプルさと激しさで、うっかり手を出したら切られそうなほど鋭い。曲はすべてPONTIACSのオリジナル。ブランキー時代の曲を1曲でもやっていたらどうだったかな?と、つい欲張りな妄想をしてしまうけれど、これでいいのだ、多分。これがいまの3人が出したい音なのだから。

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写真:古川喜隆

文:輪千希美

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DIRTY PROJECTORS http://fujirockexpress.net/10/?p=2688 http://fujirockexpress.net/10/?p=2688#comments Sat, 31 Jul 2010 15:30:37 +0000 eriko http://fujirockexpress.net/10/?p=2688
 6人が奏でる魔法の音、不思議な空間に酔いしれたステージであった。

 昨日のオレンジコートでの演奏も評判だったというブルックリンの男3人女3人の6人組Dirty Projectors(ダーティ・プロジェクターズ)を見ようと、レッドマーキーはかなりの人だかり。元々はこの枠はParachuteが出演予定だったのは周知の通りだが、代替でDirty Projectorsが決まった時の反応も大きかったことを思い出すと、注目されているんだなということを実感する。

 インディ系ロックを骨格にして、フリーフォーク、エレクトロ、ポストロック、ソウル、クラシックなどの様々な音楽を取り込んだサウンドは、奇天烈な感性を持ちながらもポップにくるまれている。ライヴでもそれは健在で、へたうまな歌声はどこか親近感を抱かせるし、細かい音響アレンジを加えている中で、アコギの切なく甘美なメロディやキーボードの美しい煌めきが随所に光っている。弦の一本一本が共鳴を起こし、キーボードの旋律が空気に溶け、ドラムが精微に打ち鳴らされ、男女の歌声が美しく溶け合う。そんな6人の調和のとれたハーモニーが奇跡的な時間を紡いでいるのだ。それは温かく色鮮やかな風景を描いているようでもある。凝ったアレンジを施しながらもあそこまでポップネスを突き詰めれる音楽的センスには脱帽。特に「Cannival Resourse」における瑞々しい響きには、一発で惹かれる。

 聴いていると、なんだろう。時間が遅く感じられたというか、時間が引き延ばされているとかそんな感覚を覚えてしまったりもした。それだけ心地よかったからだろうか。ただ、眠りを誘っているようで、じわじわと覚醒を促すかのような刺激もあって、どこか不思議な感覚に今でも陥ってる。Dirty Projectorsのライヴはどうしようもないぐらいに素敵で素晴らしいステージであった。

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写真:古川喜隆
文:伊藤卓也

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FISHBONE http://fujirockexpress.net/10/?p=3112 http://fujirockexpress.net/10/?p=3112#comments Sat, 31 Jul 2010 12:54:04 +0000 natsuki http://fujirockexpress.net/10/?p=3112

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写真:佐俣美幸

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