“浜野カズシ” の検索結果 – FUJIROCK EXPRESS '18 | フジロック会場から最新レポートをお届け http://fujirockexpress.net/18 FUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)を開催地苗場からリアルタイムでライブレポート・会場レポートをお届け! Wed, 17 Jul 2019 08:24:01 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.8 マキシマム ザ ホルモン http://fujirockexpress.net/18/p_1598 Sat, 28 Jul 2018 17:55:02 +0000 http://fujirockexpress.net/18/?p=1598 開始20分前にも関わらず、グリーン・ステージ前方には多くの腹ペコキッズたちが集まっている。……キッズ?いやいや、いい年した大人たちばかりだ。まあ、フジロックにくる年齢層としては相応だ。フジロックと言えば、本格的な登山グッズに身を包むのが常だろう。
しかし、不思議なことに、周囲にはマキシマム ザ ホルモンのTシャツやタオルを身に着けている人が多く見受けられた。このバンドがどれだけの人に愛され、そしてフジロックのステージに立つことを待ちわびていたのかがよくわかる。

ライブは時間通りにスタート。お決まりのSEである、SPACE COMBINE『marchin’mint flavors』が鳴ると、唸るような野太い大歓声が上がり、さらに人が前に前に押し寄せてくる。

1曲目は、”恋のメガラバ”。身体の奥に直接打ち付けるような重低音を響かせるナヲ(ドラムと女声と姉)と上ちゃん(4弦)。ステージの端から端を、デスボイスやシャウトをしながら駆け巡るダイスケはん(キャーキャーうるさい方)。時には人を踊らせる軽やかさを持つような、そして時には攻めの姿勢全開のギターサウンドをかき鳴らしながら歌う、マキシマムザ亮君 (歌と6弦と弟)。
まあ~、相変わらずキャラが濃い!見ているこちらはヘッドバンギングやモッシュに巻き込まれ、汗まみれでもみくちゃになっているのに、ステージ上でも目が忙しくて追いつかない。観客たちは手を挙げ、体力を温存するという方法を知らないのではないのかと思うくらい激しく踊り狂っている。

もう何度も出演していそうな風格なのだけれど、意外にも初登場だというマキシマム ザ ホルモン。「フジロックやっと来れたぜー!」というナヲは、MCの途中で大画面にSNOWで加工した犬に扮した自らの顔を映してくれるというサービスっぷり。
いつものように全力で笑わせにくるMCのあと「サクサクと音楽で殺していこうと思います!」というナヲの声のあとに演奏されたのは、“maximum the hormone”に”便所サンダルダンス”。のしかかるような重低音に、ダイスケさんの破壊力抜群のデスボイス。ああ、本当に音楽に殺されてしまいそうだ。でも、マキシマム ザ ホルモンの音楽に殺されるなら、それも本望なのかもしれないなんて思ってしまう。

今年のフジロックは、台風12号が苗場を直撃すると言われていた。自宅でプリントアウトした紙をカメラに映しながら、以前の角度は小田和正の『OH!YEAH!』のジャケットに、進路変更したあとの角度はGO!皆川の「ウンチョコチョコチョコピー!」の角度に似ていると言い出すダイスケはん。台風の進路予想図にわざわざ合成した紙を見せてくれ、BGMには『ラブストーリーは突然に』が流れる。こんなの、笑っちゃうじゃないか!こうして時事ネタをもってくるのは流石だった。

”パトカー燃やす”では、背後にパトカーの燃えている映像を映しつつ、耳に残る軽快なメロディに合わせて、みんなで「パトカー燃やす」の大合唱。一般のお客さんはあまり知らないかもしれないが、実はグリーンステージ近くには、新潟県警の方々が駐在しているテントがある。そう。警察の方は、思いっきりこの「パトカー燃やす」を聴いているのだ。フジロッカーのために用意したというこの曲。”Mr.ブギータンブリンマン”からの流れも絶妙だったが、なんだか聴きながら冷や冷やしてしまう。

”F”、”シミ”、”ぶっ生き返す!”と、マキシマム ザ ホルモンのライブはどんどん加速していく。ステージ上で繰り広げられている凄まじすぎる演奏に負けじと、観客たちはひとつの宗教のようにそろったヘッドバッキングをし、大きなサークルモッシュもできる。みんな笑顔になり、童心、それも中学生くらいの気持ちに戻っているのだと思った。聴いているだけで身体がうずき、何もかもを忘れて重低音とライブの楽しさに身を任せてしまいたくなる。

最後にはお決まりの恋のおまじないをグリーンステージにいる全員で行い、そして最後は”恋のスペルマ”。このときには、パラパラと雨が降り出していたのだけれど、そんなの全く関係ない。みんな汗まみれでもみくちゃ状態だったし。

ある意味で伝説となっている第1回目のフジロックに参加したという亮君。セットリスト、演奏、後ろに映し出されるこだわりの見えた映像。すべてにおいて高い攻撃力を持っていたように思うし、初登場にしてグリーン・ステージに立つことに対する気合いが十二分に感じることができた。
”恋のスペルマ”の前に、ナヲは「伝説なんて自分たちで作っていくんだよ!」と言っていた。こういう思いがあるからこそ、ホルモンのライブはいつ見ても印象に残るのかもしれない。

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