LIVE REPORTRED MARQUEE7/31 SUN
石崎ひゅーい
初めてのフジロックは……
フジロック初出演の石崎ひゅーい。初対面の人には礼儀正しくとしつけられているのか、フジロックのステージに立つことのあこがれを語り、フジロックに出られたことに感謝を述べ、2019年にお客さんとしていったことがある(そこでサングラスを失くして「それを取り戻しに来ました」)と話す。レッドマーキーに集まったたくさんの面接官には好感度が高かった。ただ、そのときザ・キュアーを観ていたというグリーンステージを「グラスステージ」といってしまったのが唯一の減点ポイントだった。でも、余裕で合格点でしょというステージだった。
ステージ下手からキーボード、ベース、ドラム、ギターのサポートに囲まれてステージの中央に立った石崎は「念願のフジロックです。よろしくお願いします」と挨拶。まずは“花瓶の花”からスタート。優しいバラードで会場を包む。続くダンサブルな“トラガリ”でお客さんたちの体を揺らし、“パラサイト”は石崎ひゅーい流のミクスチャーロックなのだろう重たいリズムを持つハードな曲。
自分は雨男だと語り、屋根のあるレッドマーキーだから大丈夫かと思ったらすごく晴れてしまったと語ったあと、「あ、コンタクトが取れた」という。その後もステージ上を動き回り、飛び跳ねまくったので支障はなかったようだ。そして“夜間飛行”。配信の曲を聴いていたときには情緒過多と思った歌い方もフジロックのステージではよい感じにエモーショナルなものとして受け止めることができた。孤独の中に救いを希求する歌にレッドマーキーを埋めたお客さんたちも手を掲げて反応を表す。
曲名を告げただけで盛り上がった“さよならエレジー”は激しく音をぶつけてくる。軽快に始まりハードに終わる“マシュマロパイ・サンドウィッチヘブン”を経て、フロアを踊らせる“ファンタスティックレディオ”へ。「君のことが好き」と繰り返し、最後に「フジロックのことが好き!」と叫ぶ。この照れなく堂々と叫ぶことが今は大事なのだろう。「自分の中のいろんな要素が入っている曲」である“花束”。自分をさらけだすことの一歩を踏みだす覚悟と勇気を持つ者がこうしてステージに立てるのだ。“第三惑星交響曲”で石崎ひゅーいの初フジロックは締めくくり。容赦ない暑さのフジロックに似合う季節を歌い、「バイバイなんかじゃない」と再会を誓う歌詞をお客さんたちに残し、大きな拍手の中で去っていったのだった。
セットリスト
花瓶の花
トラガリ
パラサイト
夜間飛行
さよならエレジー
マシュマロパイ・サンドウィッチヘブン
ファンタスティックレディオ
花束
第三惑星交響曲
[写真:全10枚]