LIVE REPORTRED MARQUEE7/31 SUN
Fake Creators (LITE, DÉ DÉ MOUSE)
フジロック最後の夜を盛り上げたシルエットの5人
メインのステージが終わっても、まだまだ終わらないのがフジロックである。レッドマーキーは最後の夜が始まった。パレス・オブ・ワンダーがない現在はレッドマーキーが唯一の深夜アクトなのだ(苗場食堂も朝までやればいいのに……)。
まず登場するのはFake Creatorsだ。ポストロック/マスロックで日本を代表するバンドのひとつであるLITEとエレクトロニカで独自な存在感があるDE DE MOUSEによるユニットである。最後の夜を盛り上がって終わるためにレッドマーキーはかなり埋まっていた(雨が降ってきたせいもあるかも)。盛り上がっている人が傍らには疲れてグッタリして座っている人もいる。そんなテンションが混ざり合った空間にFake Creatorsが現れると、人たちの視線がステージに向かう。
登場したメンバーはステージ下手から一直線に並ぶ。誰が前にでているとかなく5人平等になっている。基本メンバーにあまり照明が当たってなく(決めのときには当たることもある)、背後のスクリーンには映像が映しだされているのでほとんどシルエットのメンバーを観ていることになる。背後の映像は、リリースされたばかりの『FAKE EP』のジャケットを担当したJACKSON kakiがVJをおこない音と照明と映像をリンクさせている。たくさんの目玉とか光がさまざまに爆発している感じとか、『FAKE EP』のジャケットのようにシュールリアリスティックな世界をみせてくれる。
Fake Creatorsはスタートしたばかりでありこの日が初めてのライヴだった。どちらも出演経験あって勝手知っている場所ではあるし、それぞれのファンとフジロックに来る人たちの親和性も高い。スタートを切るにはふさわしい舞台である。
そしてLITEとDE DE MOUSEを単純に足しただけでなく、新たなポストロックを創造していこうという志向が伝わってくる。人力ドラムンベースとかマスロックにエレクトロ風味を加えまくった感じというか、フジロック3日目にもなると疲労困憊している体に活を入れるように、基本的に演奏でアゲていくことが多く、お客さんたちは最後の力を振り絞って盛り上がる。『FAKE EP』からの曲とDE DE MOUSEの”baby star jam”やLITE”Image Game”なども両者の融合スタイルで演奏した。”Here Come The Fake Jets”がこのライヴのハイライトになってお客さんたちの多くの手が挙がってフジロック最後の夜を満喫していたのだった。
[写真:全10枚]