FUJIROCK EXPRESS '22

LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN7/31 SUN

ALTIN GÜN

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Photo by MITCH IKEDA Text by 三浦孝文

Posted on 2022.7.31 16:40

世界を繋ぐビートとグルーヴ

フジロック2022、最終日の昼下がり。朝から汗が滴り落ちるほど快晴が続いている。が、会場のフィールド・オブ・ヘブンに到着すると雨がぱらつきはじめた。これからここに登場するのは噂のオランダ/トルコ混成グループ、アルトゥン・ギュンだ。この名前はアメトーーク!の夏フェス芸人特集でハライチの澤部さんが何度もバンド名を連呼していたので覚えた人も多いのではないだろうか。2020年のフジロックの時から名を連ねていたバンドだ。ようやく達成した初来日にして記念すべき本邦初ライヴがはじまろうとしている。

開演時刻丁度にメンバー総勢6名がステージに登場。颯爽と姿を見せたメンバーの出で立ちから、オーラを醸し出している。バンドリーダーのJasper Verhulst(以下ジャスパー)がベースでリズミカルに踊れる素地を創りそこにパーカッションとドラムが絡み合い進行していく“Cemalim”からキックオフ。バンドの歌姫、Merve Dasdemir(以下マーヴ)が歌いはじめると場は一気にトルコ民謡の世界へと誘われる。Erdinç Ecevit(以下エルディンチ)がサイケデリアをキーボードで醸成して、のっけから一筋縄ではいかない。

「ここは今まで行ったことがある中で一番素敵なところよ!」とマーヴがここに来られた喜びを表現し、リズムセクションが軽快に入り「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」の掛け声から“Vay Dünya”に突入。エルディンチがサズをいなたく鳴り響かせ中東特有のグルーヴを場に生み出していくとそこはもうダンス天国!踊れる音楽のビートとグルーヴが世界の共通言語で、世界をひとつにすることを証明した瞬間だ。

マーヴがキーボードで80年代を想起させるフレーズを奏ではじまる“Yüce Dağ Başında”。Thijs Elzinga(以下、シジス)のギターのカッティングも地を這うようなベース音も最高だ。ピアニカが盛り込まれたことで一層ダブっぽい音色も加わり多国籍感満載なグルーヴで問答無用に踊らせてくれる。

エルディンチがリードボーカルをとる“Badi Sabah Olmadan”の疾走感には頭の振りが一切抑えられない。メタルとトルコ民謡の親和性のようなものを感じ取ってしまった。こと音、非常に中毒性が高く、癖になる。フロアは腕を突き上げ、腰を振り、笑顔でジャンプしている癖になっちゃった人たちだらけだ。

マーヴが「踊り方を教えるわ!両腕を挙げて、指を鳴らすだけよ!」とステージ上を所狭しと踊り倒すのだから、ヘブン一帯は狂乱のダンスフロアと化す。ラストは、メンバーそれぞれが「私を見て!」ではなく「あなた一人一人を躍らせる!」ことが主目的のソロパートを次々に繰り出していき、オーディエンスをグルーヴで歓喜の渦に巻き込んで日本での、フジロックでの初演を清々しく完了した。

アルトゥン・ギュンの一度体験してしまうと癖になってしまうビートとグルーヴ。これからも世界中で中毒者が増えて行くことだろう。彼らがショウを繰り広げていくと、いつの間にか世界がひとつになっていたりして。

[写真:全10枚]

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7/31 SUNFIELD OF HEAVEN