FUJIROCK EXPRESS '22

LIVE REPORTROOKIE A GO-GO7/30 SAT

鋭児

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Photo by 森リョータ Text by あたそ

Posted on 2022.7.30 12:58

これは食らった!会場すべてを味方につけた鋭児の30分

会場をじっくり見渡し、手を合わせて深く、丁寧なおじぎをする御厨響一(Vo)。朝イチの苗場食堂には、大勢の人が集まっていた。鋭児の勇姿を見るために。

ゆっくりとしたスタート。「フジロック、会いたかったぜ!」という声とともにセッションでスタート。骨の太いベースとドラムのサウンドに、エモーショナルに魅了するギターが乗る。会場の空気をじっくり確かめるような音に、時折感じる爽やかな風も心地いい。時にはシャウトが混ざり合い、キーボードの音もアクセントとなって観客の感情を掻き立てていく。

いや~、あのさあ。この時点で彼らって全然ルーキーじゃないんですよ。すでにゴーゴーしちゃってるんですよ。確かに、最近「鋭児のライブすごいよ!」とは聞いていた。しかも、複数人から。その噂を耳にして、初めてライブを見に来たという方も少なくはなかったはずだ。でも、それにしても、初めてのフジロックとは思えないくらいの演奏に堂々としたパフォーマンスがダイレクトに刺さる。すでにひとつのライブとして、完成されすぎているのではないだろうか。

「ここからが本番です!」という言葉を合図に始まった“$uper $onic”。駆け抜けるようなドラム、芯のあるベースの重低音にギターソロも気持ちよく、彼らの生み出す音に観客をどんどん巻き込み、更に更に加速させていく。たまらないな、観客も手を挙げ、身体を揺らす。時には、ステージを降り、客席で叫ぶように歌う御厨の姿も印象に残っている。お客さんとの距離が近い苗場食堂のステージだから見ることのできたパフォーマンスのひとつであったように思う。

アグレッシブに攻め込むような“Fire”、ラストにはしっとりと終わりに向かわせる“銀河”と、短い時間ながらあの空間すべてを一瞬で味方にしていたし、いい意味でルーキーさがまるでないのだ。ちょっと、慣れすぎじゃない?彼らの表現の幅広さやパフォーマンス能力の高さを十分に感じることができた。

己の持つエネルギーをすべてステージ上に置いていくかのような、底なしの頼もしさを感じるあっという間の30分間。少し物足りなさを感じてしまったほどだった。MCでもあったように、日本だけにとどまらず世界やもっと先の未来を見ているのだと思う。あのステージは、彼らにはちょっと狭すぎたんじゃないでしょうか?

[写真:全10枚]

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7/30 SATROOKIE A GO-GO