“北村勇祐” の検索結果 – FUJIROCK EXPRESS '22 | フジロック会場から最新レポートをお届け http://fujirockexpress.net/22 FUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)を開催地苗場からリアルタイムでライブレポート・会場レポートをお届け! Mon, 24 Oct 2022 01:00:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.20 いつものフジロックへの http://fujirockexpress.net/22/p_8780 Mon, 15 Aug 2022 02:01:28 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=8780  3年ぶりに開催された、世界最大規模のフェスティヴァル、英国のグラストンバリーが2年遅れで50周年を祝った今年、初めてここを訪れてから40年の節目を迎えた筆者の目前で繰り広げられたのは「いつものグラスト」だった。日本で大騒ぎしているコロナ禍の影響は微塵も見られない。マスクをしている人はほぼ皆無で、ステージから感染防止のアナウンスが流れることもなく、注意書きさえ目にはしていない。幸運なことに、ほとんど雨も降らず、会場を歩いていると悩まされるのが砂埃。そのためにマスクを着用しようかとも思ったのだが、それさえはばかれる開放的な空気が会場を包み込んでいた。30万人ほどが数日間を過ごしていたなか、見かけたマスク姿は数えるほど。まるで誰もなにも気にしていないという空気が会場を支配していたように思える。

 変化が見られたとすれば、2019年か、その前年からか、「ペット・ボトルを会場からなくそう」と始まった「Reuse Refill Repeat」というキャンペーンの成果かもしれない。「清潔な水を全ての人へ」を形にしようと動いている国際非営利組織、Water Aid(ウォーター・エイド)と協力して、会場内に設置された「ウォーター・キオスク」で水を無料供給。水筒やタンブラーさえあれば、美味しい水がいつでも手に入る。手持ちのものがなければ、グラストの名前が入った特製も購入も可能。それが運動をサポートする収益にも繋がる。これによって、膨大な量のペットボトルが会場から姿を消しつつあるのだ。加えて、毎朝、数多くのヴォランティアが会場のゴミを清掃。それに気付いたのか、以前ならどこにでもポイッとゴミを捨てていた人々に変化が現れて、「ゴミに溢れた」イメージが定着していたグラストが確実に変わりつつあることに驚かされていた。

 そのグラストから約1ヶ月後に開催されたのが、25年という節目を迎えたフジロック。ここがまるで別世界のように見えていた。開催を前に観客のみならず、スタッフ、関係者に周知徹底されたのが『感染防止対策ガイドライン』。それもあったんだろう。土壇場になって「陽性となった」、あるいは、「身内が感染して濃厚接触者となった」と出演をキャンセルしたアーティストも少なくはなかった。さらに、それが理由で会場には向かわないと判断せざるを得なかったスタッフもいて、フジロック・エキスプレスでも、リモート業務を余儀なくされたメンバーもいる。おそらく、そんな事情はお客さんも同じだったと察する。しかも、ちょうど開催期間中あたりか、日本での感染者数が世界最大となったと伝え始めたのがマスメディア。なんとか開催にこぎ着けた昨年よりも、遙かに厳しい状況が待ち受けていたようにも思える。

 ただ、会場にやって来た人達のほとんどがガイドラインをチェックしていたんだろう。多くの人たちがマスクを着用したり、密な状態を避けようとしていたのは伝わった。といっても、屋外で観客同士の距離が確保できて感染リスクが少ないときは、マスクを外して熱中症予防やリフレッシュしてほしいとアドバイスも添えられている。昨年は「がんじがらめの」感染予防を決まり事として受け入れなければいけなかったのに対して、今年は「自分のことは自分で」という本来の姿が戻ってきたようにも思えてた。それが「いつものフジロック」への布石なんだろう。

 例年通り、前夜祭のオアシス・エリアにはやぐらが建てられ、フジロッカーにはおなじみの『苗場音頭』が鳴り響く。そこで踊り出す老若男女も、打ち上げる花火を見上げる人達も、「やっとここまでこぎ着けた」と感じているんだろう、なにやら華やいでる。どこかで悲しさを誘った昨年とは違って、今年はシンプルに「嬉しい」気持ちで空を見上げていた人がほとんどじゃないだろうか。それは3年ぶりに復活させることができた、レッド・マーキーでの前夜祭ライヴ直前の記念撮影でも感じていた。

 舞台裏の話をすれば、はたして記念撮影をすべきかどうかで悩んでいた。全スタッフにPCR検査を施し、観客全てに抗原検査をお願いした昨年、会場に足を運んでくれたフジロッカーがガイドラインを守ろうと涙ぐましい努力をしていたのは、昨年お伝えした通り。その結果、おそらく、国内で最も完全で感染リスクの少ない場を作っていたはずだが、この様子を好意的に伝えたメディアはほとんどなかった。まるで揚げ足をとるように重箱の隅をつつく記事が大半で、なかには意図的に読者をネガティヴな方向に誘導するような記事さえ目に入っていた。脳裏のどこかで、集合写真が「その素材として使われるのではないか」と危惧する気持ちがなかったと言えば嘘になる。

 それでも「やろう」と決断したのは、「いつものフジロック」を取り戻そうと、主催者や地元のみなさんのみならず、会場にやって来たフジロッカーも懸命に努力をしていることを記録したかったというのが一番の理由だ。前夜祭からやって来る筋金入りのフジロッカーにとって、この祭りが、彼らの生活やライフ・スタイルにとってどれほど重要な意味を持っているか言うまでもないだろう。ここは年に一度、里帰りのように訪ねてくる故郷のようなもの。「おかえり!」と声をかけると、自然に「ただいま」と返したくなる「自分たちの居場所」なのだ。それを彼らが守ろうとしている姿を残したかった。2007年から毎回続けられてきた、前夜祭最初のライヴ前に撮影される彼らの記念撮影でそれを証明できないだろうかと考えて主催者に交渉。OKの返事をもらったのは、ぎりぎりとなった当日じゃなかっただろうか。

 が、いつものように、「おかえり」と言うと、みなさんから大声で戻ってくる「ただいま」というレスポンスを撮影することは考えてはいなかった。それよりも、記録したかったのは「みんなが思いをひとつにすればなにかを形にできる」ことを証明すること。その思いとは、単純にルールを守ることではない。それぞれの命を守り、この祭りを守ろうとする気持ちであり、そのために自分で考え、責任ある行動をとらなければいけない。大多数の人達がそれを理解していることを形にしたかった。単純にマスクを付ければ感染から完全に身を守ることができると断言はできないし、大声で話せば感染するとも言い切れない。でも、それぐらいのこと、僕らには簡単にできるんだということを見せたかったのだ。

 その問いかけに見事なまでに応えてくれたのが、前夜祭のライヴ直前にレッド・マーキーにいたみなさんだった。ステージから簡単に今回の狙いを説明。「おかえり!」と声をかけるけど、心の中で「ただいま」と叫んで声には出さないで、代わりに大きく手を上げて応えてほしい。そして、みんなにマスクを付けてほしいと、手短にお願いして撮影に臨んでいた。

 もちろん、リハーサルなんて無し。具体的にどうするかを思いついたのも、ステージに向かっているときだった。が、ステージからマイク越しに声をかけると待っていたのは完全な沈黙。あまりに感動的なみんなの反応にステージ上から奇声を発してしまった自分が完全に浮いているようにも思えていた。が、あの叫び声が、逆に静寂を浮き上がらせていたようにも思う。しかも、レッド・マーキーの屋根の下だけではなく、その外でも同じような光景が姿を見せていたことを、友人がフェイスブックに投稿した映像で知ることになる。撮影された写真を見ると、屋根の下にいた2000人を越えるオーディエンスの99.9%が、「マスクを付けてくれ」というリクエストに応えてくれて、例年とは全く違う記念写真が出来上がっていた。

 これから何年か先、このコロナ騒ぎが本当はなにだったのか、そして、どういう意味を持っていたのかを知ることになるかもしれない。それがなにであろうと、この場所を守ろうとしていたフジロッカーの記録は残る。おそらく、そんな思いを共有していたオーディエンスこそがステージで演奏したアーティストたちの好演を呼び起こしていたのではないだろうか。数多くのライヴを見たわけではないが、スタッフや友人の口から耳にしたのが感動を呼んだライヴの数々。スクリーンやモニター越しにその素晴らしさを感じた人達も多かったようだ。が、同じ時間と空間を共有して、空気の波動や臭いに熱気も感じる至福は、その場にいる人にしか得られない。コロナのせいで会場に来られなかった、それを熟知している仲間がモニター越しに悔しい思いをしたという話しも伝わっている。

 でも、「いつものフジロック」と呼ぶにはもうひとつだったかもしれない。天上のエリア、デイ・ドリーミングやピラミッド・ガーデンに見られたのはいつもの表情。でも、フジロックをただ素晴らしい環境下での野外コンサートではなく、フェスティヴァルたらしめている要素のひとつ、まるで異次元の空間にいるような感覚を楽しませてくれるエリア、パレス・オヴ・ワンダーや奥深くに用意されていたカフェ・ドゥ・パリあたりがすっぽりと抜け落ちている。主に英国のスタッフを中心に企画制作されているのがこのエリア。彼らが来日できなかったという事情もあるんだろう。それに彼らが演出してきたボードウォークやグリーンからホワイトに繋がるルートのオブジェにも以前の輝きは感じられなかった。もちろん、それを国内のスタッフがその穴を埋めるように努力しているのは理解しているのだが、なにかが「たりない」という気持ちは否めない。

 その一方で、我々が続ける、この速報サイト、フジロック・エキスプレスは見事なまでに「いつものフジロック」に映っていた。ライヴのことはもとより、会場に集まってきた人々の幸せな表情を切り取り、よだれが出てきそうなほど美味しそうな食べ物が顔を出す。コロナ禍の影響で出店できなかったおなじみのお店が気がかりだが、アルコール無しだった昨年はお休みしたお店も復活。「フジロック的なるもの」がここではてんこ盛りになっていた。さすがに、根っからフジロックを愛するフジロッカーが集まったfujirockers.orgが生み出した速報サイトだと自画自賛したくなる。

 ここはそんなフジロッカーたちにとって、年に一度のミーティング・ポイントなんだろう。再会を喜ぶ人達が「久しぶりだねぇ」と、再会できなかったここ数年の話に花を咲かせている様子も目に入っていた。同時に、まるでずっと繋がっていたかのような気分で新たな出会いも生まれていたようだ。SNSでは「今年は会えなかったね。どこにいたの?」なんて会話が見受けられ、初めてフジロックを体験した人達から耳にしたのは、苗場での幸せな数日間。彼らにとって、ここが年に一度の里帰りのような場所なってくれたら、それに越したことはない。

 さて、来年はどうなるんだろう。このコロナ騒ぎは収まっているだろうか。それとも、「コロナと共に生活する」ってことになるんだろうか。できるなら、マスクなんぞおさらばして、仲間たちと心置きなく大騒ぎできるようになればいいんだけど、どうだろう。そして、フジロックをこよなく愛してくれたジョー・ストラマーが語ったように「生きている意味を確認できるような」時間や空間を引き戻したいと思う。それを人ごとのように語るのではなく、そのために自分でできることはなになんだろうと、思いを巡らしながら、これからの1年を過ごしていこうと思う。来年こそは、当たり前のフジロックを楽しめるように祈りながら。

なお、「フジロック愛」に溢れたフジロック・エキスプレス、今年のスタッフは、以下の通り。会場の様子を羨ましそうに眺めながら、自宅からリモートで作業してくれたスタッフもいる。作業をスムーズに進めるために好きなライヴをほとんど見られることのないスタッフもいた。ありがとう。感謝しています。

■日本語版(http://fujirockexpress.net/22/
東いずみ、阿部光平、阿部仁知、安藤淳太、イケダノブユキ、ミッチイケダ、古川喜隆、石角友香、板場俊、あたそ、岡部智子、梶原綾乃、おみそ、北村勇祐、粂井健太、小亀秀子、Eriko Kondo、佐藤哲郎、白井絢香、suguta、髙津大地、リン(YLC Photograpghy)、中島たくみ、馬場雄介(Beyond the Lenz)、HARA MASAMI、平川啓子、丸山亮平、三浦孝文、吉川邦子、森リョータ、安江正実、若林修平

■英語版(http://fujirockexpress.net/22e/
Mishu Callan, Mika Carl, Karen Lynch, PARK BAKER, Jonathan Cooper, Nina Cataldo

フジロッカーズ・ラウンジ:mimi、obacchi、藤原大和、土井優子、関根教史

ウェブサイト制作&更新:平沼寛生(プログラム開発)、迫勇一(デザイン)、坂上大介

プロデューサー:花房浩一

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fujirockers.orgは1997年のフジロック公式サイトから派生した、フジロックを愛する人々によるコミュニティ・サイトです。主催者からのサポートは得ていますが、完全に独立した存在として、国内外のフェスティヴァル文化を紹介。開催期間中も独自の視点で会場内外のできことを速報でレポートするフジロック・エキスプレスを運営していますが、これは公式サイトではありません。写真、文章などの著作権は撮影者、執筆者にあり、無断使用は固くお断りいたします。また、文責は執筆者にあり、その見解は独自のものであることを明言しておきます。

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補足です。例年、河原に姿を見せるゴンちゃんは最終日まで、そっとしておいてくださいとお願いしているのに、平気で「盗んで、連れ去っていく」人達が未だにいると聞きます。子供達が我慢してその時を待っているのに、恥ずかしいとは思わないんでしょうか また、森に姿を見せるマッドバニーも作品で、「勝手に持っていって(盗んで)いい」とは作者はもとより、誰も表明してはいません。これを持って帰った人達は泥棒です。「いつものフジロック」をぶちこわしにするような人達はもうここには来ないでほしい。

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今年のフジロックを未来に伝える集合写真 http://fujirockexpress.net/22/p_3220 Wed, 03 Aug 2022 09:42:04 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=3220 3年ぶりの前夜祭。毎年の恒例行事だった花房浩一(フジロッカーズオルグ主宰)の挨拶と集合写真も、久しぶりに行われることになった。
いつもは「おかえり!」という花房の挨拶に、お客さんが「ただいま!」とこたえる形で始まるのが通例だが、この日はまず今日という日を迎えられたことへの感謝が述べられた。
「今日のニュースでも過去最高の感染者が出ていると報じられていた。その中でフジロックを開催していただいたこと、そして今年の開催に繋がる去年のフジロックで守らなきゃいけないルールを必死になって守ってくれた人たち、来られなかったけどその人たちをサポートしてくれた人たちに感謝したいと思ってます」
主催者側の事前通知やキャンペーンの効果もあって、この日、会場を訪れたお客さんはほとんどがマスクを着用しており、感染症対策への意識の高さが感じられた。その上で、花房は今年の集合写真が持つ意味の大きさを語る。
「みなさんにお願いです。マスクをしてください。何年後かに今日のことを振り返って、こんな時代もあったんだと、でも僕たちはそれを乗り越えてフジロックを生きながらえさせたんだと、そういう証拠の写真にしたいんです。子どもたちや孫たちに、こうやって乗り越えたってことを伝える写真を撮りましょう。お願いします。みんなが本当に思ったら形にできるんだ。それを証拠として残したいんです」
会場からは大きな拍手が上がった。それを受けて、花房は「僕がおかえりと言います。声は出さなくていいです。手を上げて、ただいまという気持ちを見せてください。いいですか?」と説明。
「おかえりー!」と叫ぶと、静まり返った会場に無数の手が上がった。声を上げる人はひとりもおらず、レッドマーキーが一瞬の静寂に包まれる。それは本当に感動的な場面だった。その場にいたみんなの想いが形になり、中には目に涙を浮かべている人もいた。
できあがった写真を見てみると、99.9%の人がマスクをして写っていた。思い描いていた完璧な集合写真とはならなかったが、あの場にいた人はきっと、今日レッドマーキーで起きた奇跡のような瞬間を忘れないだろう。

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PUNPEE http://fujirockexpress.net/22/p_1693 Sun, 31 Jul 2022 16:22:21 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=1693 PUNPEEがグリーンステージに登場するのは、単に現在のヒップホップのみならず、ポップシーンでの人気が理由じゃなかった。彼のラッパー、トラックメーカーとしてのキャリアを一望するセットリストや豪華ゲスト参加が目立つが、この日、PUNPEEは自分のキャリアを使って、自分が背負ってきた、影響を受けてきたヒップホップを極上のエンターテイメントとして紹介してみせたのだ。一見、飄々とした彼のこのステージに込めた熱量にライブが終わった後も震撼している。

DJ原島宙芳とDJ ZAIに加え、この日はIllicit Tsuboiとドラマーのなかじまはじめも加えたバンドセット。小型のドローンがステージを捉え、見たことのないアングルとスピード感の映像が新鮮だ。“P.U.N.P.”に乗せて登場したのは、2017年のホワイトステージ同様、ペラッペラなレインコートを羽織ったPUNPEE。だけどなんか違う。そこに本物が登場し「誰だおまえは!」と本人。ここから彼の過去と現在がまず浮かび上がる。さらっと「夜を使い果たしていきましょうかね」と、“夜を使い果たして”を披露した辺りでは、つくづく現代の都市人のフォークソングでもあるなあ、と彼の発明に改めて感心したりしていた。

続いてBIMが登場し、「PUNPEEがグリーンステージ、ありえねえ!」と彼流の祝辞を送る。PUNPEEとは新曲”トローチ”が出たばかかりだが、今日はおなじみ“BUDDY feat.PUNPEE”を届ける。バンドセットの厚みのあるライブアレンジがグリーンのスケールで生きている。ここでふたりとも真っ昼間に食べたいものの話になり、蕎麦、いや夏ならBBQでしょ、という話の流れで“真っ昼間”と言えばZEEBRAの曲だけど、1997年からタイムマシンで来てくれないかなと、話してる端から本人登場!驚きに湧くモッシュピット。8月リリースのPUNPEEとBIMのコラボEP『焦年時代』収録の“Jammin’97 feat.ZEEBRA”をいち早く披露してくれた。

そこから“タイムマシーンにのって”があの名作アニメMVを背景に披露される。老人になったPUNPEE視点のMVであり、自分がいるのは若き日の両親がいるから、という物語について、曲が終わってから話していた。もうこうなってくると、彼を形成しているもの、ヒップホップという表現方法を選んだ背景が、重層的に組まれたセットリストと演出であることに震えるのだが、ライブそのものはどこまでも楽しい。

PUNPEEがフジロックに初めて参加したのは2008年、某ミュージシャンの運転手だったそうだ。警備会社の電話を受ける仕事をしながらビートを作っていた彼は、カサビアンなどをグリーンで見て「自分はノミみたいな存在だな」と思ったとも話していた。そこからは謎の物体が年季モノのサンプラーであり、Illicit Tsuboiからの借り物であると説明。MPCプレーヤーは簡単そうに見えて、一つ間違うとライブが止まってしまうぐらい恐ろしい、とSTUTSから訊いたPUNPEEは、それでも「ここでデカい音を鳴らしたら、こんな音があるんだ!って、届くかもしれないから叩いてみます」と、真剣な表情で“ECDのロンリー・ガール Feat.K DUB SHINE”(ECD)と“人間発電所”(BUDDHA BRAND)をプレイ。もしかしたらこのステージで最も緊張感のあるタームだったかもしれない。言葉にはしないけれど、先人へのリスペクトであることは自明だ。

続いてはステージ上の面々と音楽を作っている現在進行形を示唆する“フレンヅ”。原島やZAIのエピソードに触れる中で、実はPUNPEEのTシャツのプリントが2017年、ホワイトに出演時、原島がG-mailを送っていた画像なのだと暴露。対する原島は板橋区のロゴマーク入りTシャツで、なかなかいい勝負なんじゃないだろうか。幼馴染である彼に「今日ぐらいはふんぞりかえりましょうよ」と、“原島“ど真ん中”宙芳ラップ”が展開されたのだった。PUNPEEのライフヒストリーは続き、自分でも「話が家っぽいよね。親族呼ぶか」の一言で、なんと5lackが登場。彼自身のライブとは違い、PUNPEEの弟として共演した感の強い“Wonder Wall feat.5lack”だった。フジロックの大きなステージに登場している二人が、お互いに自分の手法でサバイブしてきた物語も、別に語りはしないが示唆された場面だったのだ。

終盤、再びPUNPEEにとってのフジロックのグリーンステージという場所を訪れた2008年は、ひとつの転機だったと話す。良くも悪しくも分岐点があれば失敗しても道を見つけられるという意味合いだったと思う。〈あの芸術家もあの戦争に行かなきゃ生きてたかも〉というラインのある“Hero”をここにセットしたのは必然的だし、クライマックスに感じられた。

ラストはグリーンに集まったオーディエンスに送る温かい1曲“Oldies”。渋いソウルのサンプリングのループが原点を照らす。大げさに言えば存在証明、1時間のショーと捉えるなら楽しめるヒストリー。いずれにしてもPUNPEEがフジロックのグリーンステージに馳せる思いの強さは証明された。

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TOM MISCH http://fujirockexpress.net/22/p_1692 Sun, 31 Jul 2022 12:19:07 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=1692 フジロック2022もいよいよ最終日。とっぷりと日も暮れ、今年のフジロックの終わりが徐々に近づいてきた。寂しさを感じつつも、今グリーンステージ前で嬉しさを噛みしめている。去る7月19日に、コロナ禍による長いブレイク後の過酷なツアーによるメンタルヘルスへの影響からオーストラリアとニュージーランドのツアーをキャンセルするとのアナウンスがあった。直前のアナウンスだったこともあり、フジロックも無理だろうと諦めていたが、こうして無事来日してくれて本当に良かった。

いてつく吹雪のようなミニマルノイズが響き渡る中、6名のバンドメンバーが、ステージに向かって右からベース、ドラム、サイドギター、キーボード、パーカッション、バイオリン、それぞれの定位置についていく。サウンドチェックのようでいて非常に練られた絶妙なタイミングで音やビートを入れ込んでいく。トムが登場し、照明でステージが青くぼやける中、浮遊感のあるフレーズで本セットのイントロを創り出していく。不穏なフレーズのループがはじまると、フロアから待ちわびた大歓声が巻き起こる。ドラムの鋭いビートと地鳴りのようなベース音が入り“What Kinda Music”がはじまった。高音の声もよく出ていてコンディションは良さそうだが、今のところトムに笑顔はなく、終始厳しめの表情を浮かべているのが気にかかる。

中央のトムにスポットライトが集中照射され“It Run’s Through Me”の柔らかなギターフレーズが奏でられると、ひと際大きな歓声が上がった。ボサノヴァ調のムードで軽快に進みながら、随所で入ってくるベース音の太さに驚かされる。生だとここはこう鳴るのか!という発見と体験。ライヴで最高なのこういう瞬間だ。後半のトムのギターとサックスの掛け合いもライヴならではのスリリングさに満ちあふれ、かつバンドが渾然一体となって生み出しているグルーヴは心地よさの極地だ。

間髪を入れず“Losing My Way”へ。トムが静かに歌い上げる冒頭部をオーディエンスがバンドグラップでバックアップ。みんなで手を叩いて創る音に全身が包まれているような感覚にさせられ、何とも心地よい。後半に向けて徐々にファンキーさが増幅していってトムのギターソロが爆発するところ、涙ちょちょぎれもんのカッコよさだ!

「コンニチハ!ここへ来れて嬉しいよ!聴いてくれてありがとう!」と挨拶するトム。ようやく笑顔が見れた。ここで新曲“Falling For You”を披露。3ギターにより刻まれるファンキーなカッティング、サビ後の王道ロックなキメキメのフレーズ、パーカッションによるアフリカンビート…大好物だらけ!これは踊れる。

ここで照明の使い方の巧みっぷりも特筆しておきたい。“I Wish”では、最低限のスポット照明とバックに映し出された映像の光だけでスタートし、サビ周辺でプルーとピンクとクルクルとカラフルにステージをフロアを照らして曲展開のポイントをしっかり押さえている。Nightriderでは、照明がほぼ落ちて夜の世界を醸成するとともに、浮遊感漂うフレーズに合わせてスクリーンにパープルに光る円柱の様なデザインが回転し続け、音の雰囲気を助長していた。“Disco Yes”での虹色にきらめくミラーボールの使い方も絶妙!トムの曲進行の緩急に合わせた照明のコントラスト、そして観るものを唸らせ感動させる粋な照明デザインには何度も膝を打ってしまった。

“Tidal Wave”での圧巻のギターソロを堪能して、トムが現代を代表するギターヒーローであることをあらためて実感が、「俺の超絶技巧プレイを見ろ!のタイプでは決してない。あくまでバンドの中の一人として、メンバーと一緒にグルーヴを創り出していくプロデューサーとしてのギターというところからソロを披露している。ゲストシンガーを迎え入れプレイしたマイケル・キワヌカの“Money”においても、シンガーが歌いやすいようにリードしていくようなギターだ。トムの人間性の高さの表れと言ってしまえばそれまでかもしれないが、新しいギターの可能性を感じたのは私だけだろうか。

ラストはバイオリンのフレーズが効いている“South of the River”。テムズ河の南側、サウスロンドンシーンのことを歌っていると思われるこの曲で、トムとバックバンドの仲間たちが次々と放ってくるたまらなく美しいグルーヴにいつまででも身体を委ねていたくなる。トムはバンドとともに渾身の表現を100%放ち切った演奏の幕引き後、オーディエンスと集合写真を撮って笑顔でにこやかにステージを後にした。

アフリカにこんな諺がある。「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」バックバンドの6名、ゲストミュージシャンの2名の仲間たちと一緒に極上のグルーヴと感動を創り上げたトムの今夜のステージを観てこの諺を思い出した。トムはこれからも仲間たちと一緒に新しい音楽世界へどんどん進んでいくことだろう。

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ROUTE 17 Rock‘n‘Roll ORCHESTRA (feat. UA、中納良恵、トータス松本) http://fujirockexpress.net/22/p_1694 Sun, 31 Jul 2022 08:45:58 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=1694 いつもこのバンドを見ると「フジロックに来たな!」と思うのだが、メンバーがステージに登場し、“Move on up”の演奏が始まると、終わりに向かっていくフジロックになんだか物寂しさを覚えてしまう。ハンドクラップが起こり、タニー・ホリデイ(Cho)のソウルフルな声が響く。今年のフジロックには珍しく突然の雨も降ってきたけれど、そんなのお構いなし!雨に負けない歌声を披露すると、MC・クリス・ペプラーが今日だけの特別なメンバーを紹介すると、“Everybody Needs Somebody”では、タニーとクリスの掛け合いが、豪華ゲストを待つグリーンステージを温める。

まず、登場したのは金と赤の晴れ舞台にぴったりのジャケットを着こなすトータス松本!まあ、まずはこの曲ですよね。“バンザイ”のイントロが聴こえると、会場も湧き上がるかのよう。トータス松本の力強く馴染みのある声を苗場で聴けるのはなんと嬉しいことか。サビの部分では、皆でバンザイをし、ステージを更に盛り上げていく。次に演奏された“Stubborn Kind of Fellow”では、エネルギッシュなトータスの声が響き渡る。こうして昔から知っている名曲を聴くことができるのも、この時間だけのうれしい特典なんじゃないでしょうか。

お次に登場したのは、昨日のフィールドオブヘブンでも素晴らしいステージを見せてくれた中納良恵!青と緑のクジャクのような、これまたド派手な衣装を身に纏い、“くちばしにチェリー”の耳馴染みのあるトランペットの音が聴こえると会場も大盛り上がり!グリーンステージで聴くこの曲のなんと気持ちいいことか!その小さな身体のどこにそんな力が眠っているんですか?と思うほどの勇ましい歌声に飛び跳ねるような管楽器とピアノに会場はどんどん加速していく。ただただ、今この時が楽しい。タニーとの掛け合いが心地よい“You Got it”のあとは。トータス松本を再び呼び戻しての“Dancing In The Street”!パワフルなサックスもうなり、アクセントとなり、2人の質の異なる歌声に寄り添う。

2人がステージから去り、待ってました!UAの登場です!えーっと、すみません。なんと説明していいのか……難しいのだが、カラフルな衣装に鳥類を神として崇める少数民族が祭りのときにだけ身に着けるロープからできた装飾具を身に着けている。まあ、気になった方は写真を見てください。その服装で、登場一番「おおきに!」はちょっとずるい。よっちゃんも鳥みたいだったし、今日は鳥が何かのキーポイントになるのかもしれません。そんななか、披露されたのは最新曲“微熱”。メランコリックなメロディに乗るUAの自由に伸びゆく声。苗場の地で聴くにはしっくり来すぎてしまう。フルートの音色も気持ちよく聴き入ることができる。こちらもうれしい選曲のひとつであった。まどろみのなかにいるような“Nothing Compares 2 U”では、壮大な演奏にUAの歌声が混ざり合い、うっとりと身体を揺らしながら聴いてしまった。

よっちゃんを呼び寄せてのアカペラと管楽器が響き合う“水色”、トータスとUAの2人の歌声が科学反応を起こした“歌”。今日このときだけのステージ、演奏だからこそ、出し惜しみすることなく3人のフロントマンが歌い上げていく。
最後は、“IMAGINE”。3色のカラフルな歌声が苗場の大地に響きわたる。ああ、最後にこの曲を持ってくるのは、なんとも最終日のフジロックらしい。平和や人間、生きているすべてのものについて想像を巡らせながらさまざまなことを考えながら聴き入ってしまう。今日だけの特別なステージに演奏。音楽や歌の持つ大きなパワーを全身で感じた1時間だった。

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JAPANESE BREAKFAST http://fujirockexpress.net/22/p_1695 Sun, 31 Jul 2022 07:23:01 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=1695 開演前、ステージ上にはサウンドチェックをするジャパニーズ・ブレックファストことミシェル・ザウナーの姿があった。アーティストがサウンドチェックすること自体、そんなに珍しいことではないが、ミシェルの場合「サウンドチェックを自分で行うことで全体を理解する」という明確な目的があるからのように思えた。彼女は何においても成長できる機会を無駄にはしたくないのだ。

最新アルバム『Jubilee』のオープニング・トラック“Paprika”からスタートしたライブは、アルバムタイトルの「Jubilee=祝祭」が指し示すような明るいムードで進んでいった。80年代っぽさを感じさせるストレートなポップ・ロック・チューン“Be Sweet”、ドリーミーなギターフレーズが印象的なアコースティック・サウンドの“Kokomo,IN”と続き、ライブも中盤にさしかかると、ミシェルのより奥底にあるものが見えてくる。セカンドアルバム『Soft Sounds From Another』からの“The Body Is a Blade”では、背景のスクリーンにミシェルの母親の写真がたくさん映し出された。この曲に込められているのは、「亡くなった母との思い出に縛られるのはもうやめよう」という思いだ。

彼女のアルバムは彼女のお母さんと共にある。ファーストアルバム『Psychopomp』は彼女の母親が癌で闘病中に書かれたもので、セカンドアルバム『Soft Sounds From Another』は母親の死からインスピレーションを受け作られた作品だ。『Jubliee』はそんな過去に縛られていた自分とおさらばし、大きく羽ばたいて行こうという思いが込められている。そして、そんな思いはサウンド面にも表れていて、それまでのドリーム・ポップやインディー・ポップ的な過去の音楽性から大きく飛躍し、新たなポップネスを獲得しようとする意思に満ち溢れている。そんなポジティブな思いはステージ上の彼女の明るい表情にも表れていて、実際ライブのスタートからミシェルはほぼ終始微笑みを浮かべていた。それは決して作ったものではなく自然に生まれたものであることは感覚的にではあるが伝わってきた。

無機質なビートのドリーミーチューン“Posing In Bondage”ではそんな開放的なマインドが表れていたし、“Everybody Wants to Love You”にはミシェルの「自分を愛して」というメッセージというメッセージが強く表れていた。ライブの終盤には、彼女の敬愛するウォン・カーワイ監督の代表作品『恋する惑星』のエンディング曲、フェイ・ウォンの“夢中人”(原曲はザ・クランベリーズの“Dreams”)をカバー。続く“Posing For Cars”では弾き語りで「夢は叶う」と歌い、ラストは“Driving Woman”でギターノイズの嵐を浴びせかけ、ライブは終了した。

彼女のクリエイティビティはこれからもさらに広がりを見せるに違いない。それは決して希望的観測ではなく、この日のライブを通して彼女が振り撒いていた笑顔がとても素直なものに感じられたからだ。

<セットリスト>
Paprika
Be Sweet
Kokomo, IN
Road Head
Savage Good Boy
Boyish
The Body Is A Blade
Glider
Posing In Bondage
Everybody Wants To Love You
Slide Tackle
Dreams(Faye Wong cover)
Posing For Cars
Driving Woman

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go!go!vanillas http://fujirockexpress.net/22/p_1696 Sun, 31 Jul 2022 04:16:21 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=1696 あっという間に過ぎゆくフジロック最終日のトップバッターを飾るのは、go!go!vanillas。残念ながら体調不良が原因で柳沢進太郎(g)の出演は叶わなかったが、サポートメンバーを含む6人で円陣を組み、気合いは十分。

爽やかなコーラスとアコースティックギターのメロディ。エモーショナルな牧 達弥(vo/g)の歌声に、バイオリンとキーボードの音色がよく似合う。観客のハンドクラップに合わせて加速していくように始まった1曲目は、“RUN RUN RUN”。掛け合いのようなサポートメンバーとのやりとりはカントリーっぽさを感じ、フェスらしさを覚えながらもバニラズの新たな一面を見ることができた。“LIFE IS BEAUTIFUL”では、飛び跳ねたくなるような音とバイオリンの音がマッチし、ピースフルな雰囲気が広いグリーンステージによく似合っている。一秒一秒を余すことなく楽しもうとするメンバーたちの姿もうれしい。正直にいうと、心配ではあった。仕方のないことではあるけれど、前日に柳沢の不在とサポートメンバーを入れての出演が発表され、本当に大丈夫なんだろうか?そんなことを考えてしまっていたけれど、ステージで鳴らされる音を聴いていると、まったくの杞憂であった。

挨拶とサポートメンバーの紹介を終えたあとは、長谷川プリティ敬祐(ba)が会場全体を盛り上げる。次の“エマ”に合わせ、観客たちがE・M・Aの文字を身体で作る。こういうところもバニラズのライブが愛される理由のひとつなのではないだろうか。ジェットセイヤ(dr)と長谷川の骨のあるリズムに軽快なメロディが混ざり合い、飛び跳ねずにはいられない。ただでさえ暑かったはずなのに、滝の如く流れる汗がバニラズの音楽によって絞り取られていく。

フジロックに強い思い入れのあるミュージシャンは多い。牧もそのひとりだったようで、10年前・大学生の頃に見たフジロックでの思い出や「いつかこのステージに立てたらな、と思っていました。今日、立ってるよ!」という喜びを報告してくれた。
「ギターはいないけれど、進太郎の魂はここにあると思うので!」と、3人(+1人)で演奏が始まったのは、牧が大学生の頃に作ったという“アクロス ザ ユニバーシティ”。お客さんとしてステージを見ていたひとりのミュージシャンがたった10年でこの広いステージに登り詰め、昔の曲を演奏する。粋な選曲だ。ファンにはたまらない、彼らの長いようで短い歴史を感じられるシーンでもあった。

背後をジェットセイヤと長谷川に預けてハンドマイクに持ち替えた牧が会場の隅までを楽しませてくれた“サイシンサイコウ”、キーボードがスパイスになって感情をむき出しにした“倫敦”と、もっとずっとヒートアップさせていく。

トランぺットが高らかに響き、「フジロックの未来に」「フジロッカーの未来に」という今日だけの特別な歌詞が嬉しい“アメイジングレース”のあとは、“平成ペイン”。ステージ前方は、あのお決まりのダンスを踊る人の姿が多く見られ、バニラズのライブは本人たちだけではなくてお客さんがいてこそ完成されるのかな、そんな風に感じられた瞬間であった。

ハンドクラップのあと最後に演奏されたのは、騒ぐにはぴったりの“マジック”。ピンチをチャンスに変え、今まで知らなかった一面を見せ、楽しさ以外の感情を吹き飛ばしてしまう空間だった。あっと言う間の45分。全然物足りないし、踊り足りないよ!!!そんな風に思う観客たちからは惜しみのない大きな拍手が送られた。

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