“feed” の検索結果 – FUJIROCK EXPRESS '22 | フジロック会場から最新レポートをお届け http://fujirockexpress.net/22 FUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)を開催地苗場からリアルタイムでライブレポート・会場レポートをお届け! Mon, 24 Oct 2022 01:00:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.20 DAWES http://fujirockexpress.net/22/p_1746 Fri, 29 Jul 2022 17:05:07 +0000 http://fujirockexpress.net/22/?p=1746 フジロック2022初日、日中のうだるような暑さも日がとっぷり暮れて涼しくなり、ここフィールド・オブ・ヘブンは次のアーティストを迎え入れるのに理想的な装いになってきた。これから初来日にして初ライヴとなる記念すべきステージがはじまろうとしている。前方で固唾を呑んで見守っているようなオーディエンスも散見され、胸の高鳴りが抑えられないといった様子だ。

開演時間になると、昨晩幾度も幾度も耳にしたビートが…。まさかの“苗場音頭”で登場するとは完全に不意を突かれてしまった。メインソングライターにしてフロントマンのテイラー・ゴールドスミスを筆頭に総勢5名のメンバーがステージに揃った。まだ照明がつく前の暗闇の中、ステージ前方へ躍り出てステップを踏むテイラー。気合の入りようが伺える。

冒頭の3曲は、“Someone Else’s Cafe/Doomscroller Tries To Relax”、“From a Window Seat”、“Comes in Waves”。往年のプログレッシブロック然としたツインリードの掛け合いに、壮観なコーラスパートが飛び出す。のっけから圧倒されてしまったのは音響の質の高さ。すべての音がバランス良く聴こえ、鼓膜や全身に入り込んでくるような音作りには終始感動してしまった。“Comes in Waves”では締めで不測リズムによる怒涛のグルーヴを醸成し、即興的セッションも難なくこなしてしまうメンバー個々のミュージシャンシップの高さには脱帽だ。繰り出される音のひとつひとつが美しい。

そしてあの軽快で流麗なフレーズが!“When My Time Comes”が早くも披露される。サビをみんなで手を上げ笑顔でシンガロング。あぁ、何て最高な時、空間なんだろう!クラウドの盛り上がりは更に上がり、疲れてうずくまっていたような人も立ち上がって身体を揺らしはじめている。音楽の持つパワーはもの凄さを目の当たりにした瞬間だ。
ギターの甘美な音色が静かに鳴るだけで涙があふれ出てきてしまう“Didn’t Fix Me”。テイラーの暖かい歌声といい、こんなにもストレートに胸を打つ音楽があるだろうか。テイラーのメロディーメイカーとしての非凡さにまたもやノックアウトされてしまう。

照明が紫に変わり、怪しげでアンニュイなセッションの入りからの暖かみのある本編のコントラストがたまらない“Somewhere Along the Way”。本曲ではキーボードのリー・パルディーニが大活躍で、周囲に並べられた様々なキーボードを駆使して鮮やかに彩っていった。軽快なリフとビートが刻み込まれると「楽しんでるか?みんな!みんなと一緒にいれて光栄だよ。いつだって日本に戻ってきたいよ!1!2!」と投下した“Roll with the Punches”、テイラーによるザクザクと掻き鳴らされた重たいリフのはじまりから、締めに向けてのグレイトフル・デッドともピンク・フロイドとも聴こえてくるような即興タイムが圧巻だった“Feed The Fire”、フロアのハンドクラップがバンドの音の一部と化した“Who Do You Think You’re Talking To?”と見どころしかないステージ。

最もライヴで聴きたかった曲のひとつ“When the Tequila Runs Out”。この大自然に囲まれた地で創出されるグルーヴの渦に完全に飲み込まれてしまった。照明もグリーン、ブルー、イエローと煌々と照らされこの曲が持つ酩酊感をあおってくる。ザビのところでギターとベースによる全身を貫く地響きのような音の心地よさったら!リー・パルディーニが再び大活躍の“If I Wanted Someone”。ソロでキーボードの鍵盤を叩く度にバンドが寄ってきて音を互いに確かめ合うあり方にも感動してしまった。

ゴスペル調の感動的なキーボードの調べが響くと寂しいが、終わりの時が近づいてきた。テイラーが初来日にしてこの場所に来て演奏できたこと、そして来てくれたみんなに何度も何度もお辞儀をして、渾身の感謝を伝えて「本当にすぐに帰って来たい!」と“All Your Favorite Bands”で完璧なステージを締めくくった。

現場に居合わせた人たちはもちろんのこと、YouTubeの配信を観ていた人たちも彼らの初来日を迎え入れ、こんなにも素晴らしい初ステージを堪能できて幸せだ。そして、初ステージの舞台が大勢の音楽愛あふれる仲間たちでいっぱいのヘブンであったこと、彼らも感動に包まれていたに違いない。

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