FUJIROCK EXPRESS '23

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/28 FRI

KEYTALK

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Posted on 2023.7.28 17:24

なんだよめちゃくちゃ楽しいじゃないか!

ロッキンオンジャパンフェスなどの国内フェスティバルの常連として大人気なことは知っていたものの、フジロック出演の発表は少し意外というか「あんまりフジっぽくはないかな?」と思っていたKEYTALK。もしかしたら似たようなことを思っていたフジロッカーもいたかもしれない。だけどそんな考えは単なる偏見だったと気付かされるような、はちゃめちゃに楽しい夏がここにはあった。

初っ端からステージ前面で「オイ!オイ!」とフロアを煽り、“blue moon light”からライブはスタート。“fiction escape”、“sympathy”と続け様に畳み掛ける中でも小野武正(Gt)が身振り手振りで僕らを煽り倒し、可愛げのある歌声の首藤義勝(Vo / Ba)と猛々しさが光る寺中友将(Vo / Gt)のツインボーカルが絡み合うダンスロックサウンド。今年メジャーデビュー10周年を迎える堅実な演奏と、何よりここぞというところでフロアを盛り立てる演出が光っていて、早くもライブ巧者振りをまざまざと感じさせる。

「めちゃくちゃ暑い!最高だ!」と語るのはステージ狭しと奔放にギターを弾き倒していた小野。2009年のフジロックに前夜祭から4日通しで参加し、刺激を受けて作ったという“orange and cool sounds”では、首藤のベースがグラインドするバンドサウンドに気持ちよく横揺れ。ギターソロの前にノーマイクで「最高だぜー!」と叫ぶ小野の姿には、思わずグッときて拳を握ってしまったものだ。「お手柔らかに」とか「オメーらこっちくんじゃねえよと思ってた方もいるかと思います」なんて自虐的な面も見せつつ、フジロッカーへのリスペクトを語る寺中。僕は少しギクリとしてしまったが、やっぱり体験してみないとわからないものだなあ。どんどん巻き込まれて気持ちのままに踊るのが最高に楽しいじゃないですか!

そして“君とサマー”、“YURAMEKI SUMMER”、“MABOROSHI SUMMER”、“Summer Venus”と夏ソングを連発する頃にはもう、レッド・マーキーは彼らの独壇場。初期のアークティック・モンキーズのようなアグレッシヴなサウンドやプログレのような複雑な展開、かと思ったらMr.Childrenのような甘美なメロディーやツインボーカルのハーモニーも飛び込んできて、またしても彼らの懐の深さを思い知らされる。そして演奏する4人が最高にいい表情をしていて、たまんないのなんのって!

見たところ初めてKEYTALKのライブを観たというフジロッカーもちらほらいるフロア前方だが、コールアンドレスポンスのタイミングで「KEYTALK初めての人!これからよろしく!」なんて屈託のない笑顔で言われたら、愛したくもなるってもんじゃないか!そして最高潮を迎える“MONSTAR DANCE”では合いの手を入れたり思うままに手を振り上げたりと、レッド・マーキーのみんなも自由奔放。めちゃくちゃ暑い!でも汗も気持ちいい!夏!って感じで、今この瞬間を満喫するみんなの姿はなんて素敵なんだろう。最後はストイックなグルーヴを醸し出す“BUBBLE-GUM MAGIC”を苗場に刻みつけ、はちゃめちゃな僕らの夏の一幕は過ぎていった。

フジロッカーに向けて気合の入った巧みなセットリストでじりじりとフロアを巻き込み続け、最後にはレッド・マーキーをも鷲掴みにしたKEYTALK。ジャンルだ界隈だと小難しく考えなくとも、楽しそうにしているみんなと踊るのは最高に楽しい。そんな初心に立ち返ったような清々しい気持ちが僕の身体を駆け巡る。ステージMCの人もライブ後に言っていたが、僕からもこう言わせてもらいたい。フジロックに来てくれてありがとうKEYTALK!

[写真:全10枚]

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7/28 FRIRED MARQUEE