LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/29 SAT
長谷川白紙
深夜が覚醒する
レッドマーキーの長谷川白紙はもうバキバキ、という言葉しか浮かばないくらいバキバキの電子ノイズ攻撃だった。ステージには機材がテーブルに乗っているだけ、ひとりで機材を操作して歌う。
背後のスクリーンには、抽象的な模様やアニメなどが映しだされている。音楽と連動したアッパーなものが多かった。長谷川白紙はか細い声で挨拶して歌声もか細く、バキバキの音像との対照的である。長谷川白紙にはライトが当たらず、逆光なので遠目からは表情や衣装がわからなかった。おそらく黒い衣装なんだなということくらい。もうちょっと近づくと、メガネと黒いマスクというレコードジャケット写真と同じような感じであることはわかった。
「毒」のように性急なビートを畳みかけ深夜のレッドマーキーが覚醒してしまうようだった。いろんな音が洪水のように押し寄せるのだけど、音がカラフルというよりは、ヴィジュアルイメージのように銀色と黒という感じ。レッドマーキーにある6個のミラーボールが同時に回ったときのように暗闇に銀色の強烈な光をいくつも放っているようである。
フライング・ロータスが主宰するレーベル、ブレインフィーダーからリリースされる”口の花火”も早速演奏される。”草木”、”ユニ”まで深夜を覚醒し切った長谷川白紙。
ヘレン・メリルの"Anything Goes"が流れる中、映画のエンドロールのようにセットリストや関わったスタッフ、そして「Thank you FUJI ROCK’23!」という文字がでてきてようやく現実に戻ったのであった。
[写真:全2枚]