FUJIROCK EXPRESS '23

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/30 SUN

YARD ACT

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Posted on 2023.7.30 17:31

日本初来日にして初演で届けられた極上のグルーヴ

フジロック’23も気がつけば3日目!最終日だ!早くも寂しさがこみ上げてくるのを禁じ得ない。今日も朝から快晴でうだるような暑さが続いている。

正午を差し掛かろうかとしているここはレッドマーキー。イギリスはリーズの話題の男たちを目撃するべく大勢が集結している。開演7分前の最後のサウンドチェックでバンドが一斉に出力しグルーヴの仕込みをする。これを聴くだけで、これからはじまるステージに対する期待値が一気に上がった。サウンドチェック完了後の大歓声から察するにみんな同じ思いに違いない。

開演時刻に、The Specialsの“Enjoy Yourself(It’s Later Than You Think)が鳴り響き、クルクルと回転する可愛らしいYARD ACTのロゴが写し出されると、バンド総勢5名が登場した。ライアン・ニーダムのベースがリードし“Rich”がはじまった。フロントマンのジェームス・スミスが「リッチ!」とオーディエンスとコール&レスポンスをしコミュニケートする。ドラムが入り、キーボードのピコピコ音が入り、リヴァーブがきいたギターが入りYARD ACT印のグルーヴが形作られていく。ジェームスとライアンがおもむろに握手し上下にブンブンしたりする愛嬌あるパフォーマンスも好ましい。随所で入ってくる不協和音でブロウするサックスが良いニュアンスになっている。ジェームスが叫び残響音を維持しつつそのまま“Fixer Upper”へ。ライアンのベースラインがタイトで本当にかっこいい。ジェームスのスポークンワードもキレキレだ。

イギリスから遥々やってきて、今ここに居合わせる聴衆に感謝を伝えると、“Land of the Blind”へ。「Ba ba ba, ba-ba-baow」とコミカルにおとぼけな合の手を入れてくるノリが最高だ。サム・シジプストンがギターを引き倒して唸りを上げると、ジェームスは両手を掲げて彼を称えるようオーディエンスを促す。

ジェームスからの「両手を上げてスピリットを見せてくれ!」とはじまった“Pour Another”。サビパートで天井のミラーボールが煌めき素晴らしい演出をする。フロアの拍手喝采の大盛り上がりにジェームスはとても気分が良さそうだ。

お次は最新シングルの“The Trench Coat Museum”だ。サム・シジプストンが出力するギターノイズがめちゃめちゃかっこよくハマっている。ベースとドラムが作り出す土台の上でジェームスがシーケンサーを操りノイズとグルーヴに輪をかけていく。

音源から強靭で凶暴なサウンドに変貌した“Payday”、疾走する生粋のパンクチューンの”Witness (Can I Get A?)”、かけ声がダサかっこいい“Dead Horse”、ジェームスの本セット一番の雄叫びが轟いた“Dark Days”、どの曲も飛び跳ね踊るしかチョイスはないグルーヴの中に英国産のユーモアなくしては出せない味が隠されている。

ここでまさかのMOTORHEADの必殺の名曲“Ace of Spades”のカバーが投下された。ジェームスのダミ声も、バンドの疾走感もなかなかに様になっている。レミー、永遠なれ!

「We love you! 初来日にして初演となるこれは俺たちにとってスペシャルで忘れられないショウになると感謝を伝える。そして、この12月に東京と大阪にツアーで戻ってくるよとアナウンスし、それまでは最大限我慢してねと“100% Endurance”を披露した。

「また会おう!」とアンセム“The Overload”で、フロアをとぐろが巻くような灼熱のグルーヴに叩き込み日本での初演を大成功の中、完了した。鳴り止まない拍手と大歓声がその何よりの証拠。12月にはまた会える。みんなで踊りにいくしかない!

[写真:全10枚]

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7/30 SUNRED MARQUEE