FUJIROCK EXPRESS '23

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/28 FRI

THE BUDOS BAND

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PHOTO BYsuguta Instagram
TEXT BY梶原綾乃

Posted on 2023.7.28 16:04

初来日はフジロック!多国籍感溢れるファンク・ミュージック

アフロファンク・サイケデリック・バンドとして2005年に結成したTHE BUDOS BAND。ありがたいことに、初の来日がフジロックということで、これはぜひ見ておきたいとフィールド・オブ・ヘブンへ。

ステージにメンバー6人が入場すると、「We are THE BUDOS BAND!from NY!」と叫び、“Old Engine Oil”がスタートする。古い車のエンジン音のような、ビザールギターのヴィンテージ感漂うカッティングと、音を張らせるあまりにビリビリとしているトランペットに早くも心を奪われる。

彼らの音楽はとても不思議で、これがサイケやアフロかといえば、そうとは言いきれない感覚があって、ブルースやプログレ、ハードロックのようなニュアンスもある。さらに昨日の前夜祭に登場したJATAYUのようなアジアンな空気も感じる。まさに“Long in the Tooth”では、エスニックで妖しげなギターとキーボードのバッキングが絡み合い、大蛇がうねるような、粘っこいメロディがまさにエスニックな空気を醸し出していた。

“Black Venom”では、音階の階段を駆け降りていくようなベースラインを中心に、エキゾチックな展開を見せる。音と音の狭間に鳴らされたタムの抜け感が気持ちいい。 Daniel Foder(Bs)のプレイは特徴的で、フレットをこちらに掲げて見せるような弾き方で、情熱的にリズムをコントロールする。ときには、ステージを歩き回ってメンバーと息を合わせたりと、自由奔放だ。“Aphasia”になると、会場には大粒の雨が降ってきて、オーディエンスはせっせと雨具を取り出した。Andrew Greene(Tp)は「クレイジー・レイン!」と驚きの声を上げていて、会場の笑いを誘った。

バンドは全体のトーンを低めに位置しているのか、どこか渋めでマッチョなオーラがまとい、頭ひとつ突き出たトランペットの響きが、空間をスパーンと切り裂いていく。かといえば、サックスも“Veil of Shadows”で絞り出すような高音を叩き出し、観客を圧倒する。あれはバリトンサックスだと思うのだが、こんな甲高い音が出るのか……と興味深かった。トランペットとサックスは、足りないパーツをぴっちり埋め合わせるような、隙のないハーモニーを編み込んでいく。掛け合いのソロなどというものはないが、確かにそれぞれを引き立てているのだ。

最初こそ少し距離感を持っていたオーディエンスも、彼らと次第に心が通じていき、ブードス!ブードス!というコールや、高い歓声が上がるなど、次第に温まっていく。彼らもその声に応えてか、コール&レスポンスを主導したり、Mike Deller(org)によるハモンドオルガンの持ち上げ〜ソロ・プレイを披露するなど、“Turkish”でエネルギッシュなラストを飾ってくれた。

ヘブンで多く見られるバカテク的演奏というよりは、ベテランの安心感が立ち、いろんな世界を代わる代わる見せてくれる不思議なバンドだと思った。そして、それぞれの演奏能力はもちろん、個性も粒ぞろい。ファンクとかソウルに明るくないリスナーでも、こういう出会いがあるからフィールド・オブ・ヘブンに行きたくなる。本日配信がスタートした新作『Frontiers Edge』も要チェックだ。また彼らのサウンドを紐解いてみたいと思った。

[写真:全10枚]

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7/28 FRIFIELD OF HEAVEN