FUJIROCK EXPRESS '23

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/28 FRI

CORY HENRY

  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
  • CORY HENRY
PHOTO BYsuguta Instagram
TEXT BY梶原綾乃

Posted on 2023.7.28 20:09

「ハモンド・オルガンの魔術師」の姿に迫る

Snarky Puppyの“Lingus”の動画を見てときめいてしまった。無垢な少年のように指を動かすコリー・ヘンリーと、その周囲バンドメンバーの反応と、そして鳴っている音の輝き。「音楽を鳴らしてみないと起きない奇跡」を見事に収録した映像だと思った。

そんな奇跡を目撃したいと思い、フィールド・オブ・ヘブンにたどり着いた。舞台には下手から順にキーボード、ドラム、ベース、そしてハモンド・オルガンが鎮座している。奥にはレスリースピーカーもあり、これが音を響かせてくれるのだという。コリーはバンドメンバーとコーラス隊2名を率いたセットでステージに現れると、さっそく“Lead Ya”でコール&レスポンスをし、会場の一人ひとりの心を掴んでぐっとステージへ引き込んだ。スラップをビンビンに効かせたファンキーなベース・ラインに反応し、観客の体は自然と動き出してしまう。

間髪入れずに“Happy Days”へ移り、コブシの強いソウルフルな歌声が会場を包む。どことなく80’Sのエッセンスを感じるベースラインと、軽快なドラムが踊れる“Something New”、磨き上げられてきたファンク・セッションの厚みを感じる“Switch”など、色彩豊かなナンバーが披露されていく。

そして“The Fool”、“The Line”と、歌って踊れて楽しい2曲を立て続けに披露。“The Fool”は跳ねるようなスラップから始まり、ごきげんなドラムが重なりヴォーカルへと展開。コリーのオルガン・ソロはとてもきらびやかで柔らかい。流れるような素早いタッチと巧みなコントロールに思わず唸ってしまった。“The Line”はコリーが各メンバーのところへ寄って指揮をとったり、持ち場を離れては踊ったり、周囲にクラップを促したりと、演者と会場、それぞれの盛り上がりに丁寧に火をつけていく。目で見ても楽しく、内なるテンションもアガる、コリーのスター性を感じるステージだった。

「わずか6歳でハーレムのアポロ・シアターに出演」「3度のグラミー賞に輝く音楽集団スナーキー・パピーの元メンバー」など、すばらしい肩書と才能を持っている「ハモンド・オルガンの魔術師」。その素直な姿を見ることができた。彼の目は我々と音楽を見つめていて、そして澄んで輝いている。音楽を鳴らしてみないと起きない奇跡。それは、彼自身の演奏家としての人柄と愛と、周りを包み込むパフォーマンスの高さが産んだ必然だったのかもしれない。

[写真:全10枚]

TAGS
7/28 FRIFIELD OF HEAVEN