MOREFUN - AREA REPORT 7/27 THU (EVE)
去年は実現しなかった「いつもの光景」
前夜祭の集合写真
前夜祭のレッドマーキー。例年よりも遅めの時間にフジロッカーズオルグ主宰・花房浩一がステージに上がった。
開口一番「おかえりー!」と叫ぶと、会場から「ただいまー!」という声が返ってくる。去年は実現しなかった〝いつもの光景〟だ。
昨年の挨拶では、花房が「僕がおかえりと言います。声は出さなくていいです。手を上げて、ただいまという気持ちを見せてください。いいですか?」と説明。「おかえりー!」という声に応えるように、静まり返った会場に無数の手が上がった。
前夜祭に戻ってきたいつも光景を前に、花房はフジロックの歩みを振り返る。
「1997年にフジロックが始まって、四半世紀が過ぎました。でも、1回目から『ひょっとすると次はないかもしれない』ということはずっと感じていました。それは今回も同じです。ひょっとして来年はないかもしれない。そういう恐怖を持ちながらも、スタッフはお客さんの笑顔を見たときにやっててよかったと思うんですよ。フェスティバルを作ってくれてんのはね、ここで働いてる人たち、主催者、サポートしてくれる会社などいろいろあるけれど、あなたたちなんです。あなたたちがこのフェスティバルを生きながらえさせてくれてるんです!」
会場からは大きな歓声と拍手が上がった。
「でもね」と一呼吸おいた上で、「(フェスティバルは)自分たちで作っていくものなんですよ。いろんな形で皆さん作ってください!」と続ける。それはフジロッカーたちへの期待にも、問いかけにも聞こえる言葉だった。
最後は「ひょっとして俺もここに立つのは最後になるかもしれないから、記念写真撮ろうぜ!」という言葉で、2023年の前夜祭挨拶を締めくくった。
[写真:全10枚]