MOREFUN - AREA REPORT 7/30 SUN
やっとフジロッカーになれました
飽きたら終わろう
フルスペックのフジロック。これは、初日の朝、グリーンステージが始まる前の恒例のMCで原島さんが言った言葉だ。この言葉に僕は震えた。フジロックがいよいよ戻ってくるぞ、と。
個人的に、僕は今年のフジロックを最後のつもりで迎えていた。それくらいここ数年、ときめきを忘れていたのだ。どうしてフジロックに行き続けているのだろう。そんな自問自答を重ねて、この問題が解決できないのであれば、もう僕はフジロックから足を洗おうと思った。今年の取材では、どうしてあなたはフジロックに来ているの? と聞いて回っている。ある人は帰省と言い、ある人は慣習と言う。でもそうさせる理由ってなんだろう。この三日間、それを探し歩いた。
その答えってあると思いますか? みんなどう思う? 行きたいから行くってだけなんじゃないか。ほんと、単純にそれだけなんじゃないの? って三日目にして思っている。理由なんてない。そこにフジロックがあるから行く。よく登山家が、あなたは何で山に登るのですか? という問いに、そこに山があるから、っていうじゃない。それ。理屈じゃない。
その境地に至ったのは、フェスティバルライフの編集長、津田昌太朗くんと話したのが大きい。会場の端から端まで、インスタライブをしながら練り歩いたのだが、彼は今でも目をキラキラさせて会場内を歩く。
「どうしてそうなの?」
と聞けば、
「だって普通に楽しいじゃないですか」
と答える。
「飽きたらやめようかなって思っているんですけど、全然飽きないんですよね」
この言葉が自分の心をグルグル回った。お前はフジロックに何を求めているんだ。何を勝手に期待しているんだ。フジロックは、ただそこに毎年あって、分け隔てなく全員を迎え入れる。そこで何を感じて、何を楽しむかはお前次第だろうと。
すごい境地ですよね。自分で今書いていても、気持ち悪いなって思う。信者ってこういうことなんだろうな。でも、実際そう思ったのだから、嘘じゃない。
今年、フジロックの好きなところを探したんです。道を歩いて、いろんなお店のごはん食べて、景色を見て、多彩な音楽を聞いて、お客さんの声を聞いて、いろんなレポートを書いて。そのどれもが好きだった。ああ、俺フジロック好きだわって思った。ここにくるのに理由なんてない。好きだからくる、ただそれだけだったんだ。
と、気がついたわけです。なんかやっとフジロッカーになれた気がします。ちょっと血迷っちゃったけど、フジロッカーのみなさん引き続きよろしくお願いします。
写真は僕が一番好きな夜のヘブンとします。 #ヘブン好きと繋がりたい