MOREFUN - AREA REPORT 7/30 SUN
「自分が何を感じたか」と向き合う3日間
フジロックで試される自分の感性
フジロックの取材は、いつも出たとこ勝負だ。ライブのセットリストや、誰にどんな話を聞けるのか、当日の天気まで、その場になってみないとわからないことだらけなのだ。
もちろん、ライブレポートを書くバンドの音源を聴き込んだり、取材企画を練ったり、雨が降ったときの対策は考えていくのだけど、基本的にはフタを開けてみるまで何もわからない状態。そういう状況で文章を書くための拠り所になるのは、「自分がその場で何を感じたか」という実感のみだ。だから、フジロックの取材は自分の感覚と向き合う3日間になる。
そういう姿勢で取材を続けていると、普段の自分がいかに感覚を蔑ろにしているかに気付かされる。日々の忙しさにかまけて、「自分が何を感じたか」よりも効率や合理性を選んでしまう場面が少なくない。
だけど、本当は取材に限らず普段の生活でも自分の感覚を大事にしたいよなと思う。ステージで自分の音楽を表現するアーティストを見たり、楽しそうに過ごしているお客さんと話していると、自然とそんな気持ちになるのだ。
そんな問いを投げかけてくれるのもフジロックだよなと、最終日の終わりにしみじみと感じている。