MOREFUN - AREA REPORT
なぜ今年フジロックへ?102人に聞いて感じたこと
なぜって聞かれると
今年のフジロックで、お客さん100人に、「なぜ今年フジロックへ来たのか?」を聞く企画を行った。
それは、オルグの先輩が「フジロックに行かなくなった理由」という記事を書いたのを読み、確かになんでフジロックに行くんだろう、と考えたからだ。
オルグに入る前は、数年間フジロックに行っていた。最初のきっかけは、友人に勧められたから。
行ってみたら楽しくて、毎年宿も取らず、朝まで遊んで、そのまま雪ささの湯に入り、その辺でウトウトし、再びゲートオープンするのを待っていた。
もちろん雨もあったけど、車も宿もないので、雨具装着の上で朝までどうにか遊び倒していた。
オルグに入ってからは、毎年フジロックがとても楽しみで1年の中心になっている。毎年ものすごく疲れるけど、楽しみだ。
今年も謎の蕁麻疹と、足の甲や背中のあせもに悩まされているけれど、やっぱり行ってよかったなと思う。
なんで私はフジロックに行くのか?
なんでみんなはフジロックに行くのか?
現地で100人ほど聞いてみようと思った。
100人も集まるかなと思ったけど、102人から意見を聞けた。
会場内でお客さんに声を掛けていく方法で、それぞれの想いを伺った。
1番多いのは「そこにフジロックがあるから」「1年の中心だから」系のアンサー。
分かる、すごい分かる。
毎年の恒例になっている方々の意見だ。
出演アーティストで決めているわけでなく、毎年苗場に来るのを楽しみに、仕事や学校を頑張っているのだろう。
大自然、アート、音楽、お酒、食べ物、友人…ここに来ないと味わえない何かを求めて来ているんだろう。
次に多かったのは「特定のアーティストを見に来た」というアンサー。
見たいアーティストがはっきり決まっていて、他のアーティストも楽しんだり、あちこちを散策したりするのだろう。
日本ではなかなか見られないアーティストは、苗場で見られることは魅力だろう。
他は、「お酒を飲みに来た」や、子どもでは「すべりだいがたのしいから」というアンサーも。
すべり台が楽しいから…。か、可愛い…!思わずふふふと笑ってしまった。
「亡くなってしまった友人が、フジロックが大好きで、苗場に来るとその友人に会える気がするから」という方もいた。でも彼らは湿っぽくなく、明るく過ごしていた。なんだかジーンと来た。とても素敵だなと感じた。
色々な思いを聞き、もう理由なんて、なんだっていいんだと思ってきた。
こんな感じの返答が来ることは、なんとなく誰でも予想できるだろう。
でも現地で聞いていると、もう理由はどっちでもいいかと感じてきた。
ここに足を運び、何かしらを楽しみ、日常に帰っていく。
そしてフジロックで感じた何かを、こっそりと日常に忍ばせていく。
私が話を伺った102人は、今年の4日間延べ来場者数114,000人の0.0001%未満。
しかもこの様なインタビューに現地の道端で答えてくれる方は、たぶんある程度慣れた方。
極一部のアンサーだったけど、ほとんどの方が「え?理由?理由??理由かぁ」「なんで来たんだろう?」と、すぐには思い付かず、考え込んでいた。
来ているのに、なんで来ているのか分からない。
それがフジロックかなとも思った。
そして理由なんて、いいんだ。
来られなかった人、来なくなった人、全く興味ない人、全部を含んでフジロックは進んでいくんだな、と感じた。
取材にご協力くださった方々、心からお礼を申し上げます。また、どこかで!