FUJIROCK EXPRESS '24

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/28 SUN

YIN YIN

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Posted on 2024.7.28 20:52

ようこそ日本へ!

17時。気温も終始落ち着いていて、時折降る雨もそこまで強くない。快適なフィールド・オブ・ヘブンに現れたのは、お待ちかねのYIN YINだ。「オランダのクルアンビン」と評されるエキゾ+ファンク・ディスコ・バンドで、音源を聴いてみるとアジアン感がすごい。東南アジアのインディーシーンに影響を受けたというし、どう考えても日本を意識している。これは逆輸入じゃなくて逆輸出?とにかく、いい体験ができそうだとわくわくしていた。昨晩のクリスタルパレスでは、ライブは人はぎゅうぎゅう、熱気はむんむん。昨日の演奏で彼らに惚れて、ここに駆けつけた人も多いのでは?

4人のメンバーが登場すると、1曲目“The Year of the Rabbit”で歓声が上がる。ストロングなギターリフ、ファンキーなベースが響き渡り、そこにこぶしのきいたキーボードのメロが乗る。さっそくヘブンはトロピカルな空気に包まれる。「まもなく、4番線に、池袋方面行きの電車が参ります」そんな日本の日常音を切り取った“Pia Dance”は、跳ねるようなベースラインに、キーボードのオリエンタルな音階が響いていく。自然とクラップが発生して、会場は勢いよく盛り上がりを見せた。お待ちかねの“Tokyo Disko”では、YMOに接近したシンセサイザーの響き、バンジョーや琴を思わせるサウンドの絡み合いがなんとも心地良い。後半になるとセッションがトライバルに変化していき、サンバのリズムまで持ち込まれるお祭り騒ぎだ。観客は跳ねたり体をくねらせたりと、思い思いに楽しんだ。

ふと、耳に覚えのあるコード進行が続く。なんと“Merry Christmas Mr. Lawrence”。YMOフォロワーであろう彼らの涙が音となりヘブンに響き渡る。クラフトワークや曇ヶ原に続くサプライズに、会場は温かい拍手が溢れた。そしてDick Dale & His Del-Tonesのようなサーフ感満載の楽曲“The Perseverance of Sano”や、爆発的なセッションを繰り広げる“The Rabbit That Hunts Tigers”など、いろんな角度から我々を驚かせてくれる。後者はドラム・ソロ中に残りのメンバーがステージに座って酒を飲み交わすなど、お茶目なひと幕も。さらに、「日本でライブができて夢が叶いました!」と流暢な日本語でスピーチをしたり、メンバー紹介まで日本語でする太っ腹感。彼らの英語MCは英語に疎い私でも大変聞き取りやすかったのだが、そのサービス精神と盛り上げ上手なところに驚いた。

終盤は、待ってました“Takahashi Timing”!ディスコなパーカッションに、あの奥ゆかしいメロディが流れると会場は大盛り上がり。ギターのエリックはシンセサイザーも担当し、ツマミをいじりながらじりじりとこちらを焦らしていく。あとは、タカハシの大コール。元ネタであろう、PAチームのタカハシ(Never to Lateなあたり、仕事ができる方なのでは)も紹介し、敬意を表していたのもよかった。そのまま最後は“Dis ko Dis ko”。ギターは速弾きソロで会場を圧倒し、人々はみんなで手を上げたり下げたりと振りで一体感が生まれた。飛んだり跳ねたり、踊れや騒げやの極太グルーヴができあがったいい状態で幕を閉じた。

まだまだ伸びしろを感じるところもあるのだが、センスがよくて、盛り上げ上手で、キュートな彼ら、めちゃくちゃ推せる。次に来てくれるときは、もっと我々がおもてなしをしてあげたい。そんな気持ちでいっぱいになる充実のステージだった。

[写真:全10枚]

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7/28 SUNFIELD OF HEAVEN