LIVE REPORT - GREEN STAGE 7/27 SAT
TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
25年前も同じ時間、ここに立ってた
フジロック2日目のグリーンステージ1発目。空は晴れ渡っている。忌野清志郎の“田舎へ行こう~Going Up The Country~”が会場に鳴り響き、開演MCが「25年前から出演している男たち!」と紹介すると真っ白なスーツに身を包んだスカパラのメンバーたちが一斉にステージにイン!ドラムとベースでスカビートを繰り出すと「午前中からアゲていくぜー!」と“火の玉ジャイヴ”のロックンロールなフレーズを吹き上げ、ハンドクラップをオーディエンスに促し、左へ右へと縦横無尽に動き回るのだ。「みんな起きてるかー?アー・ユー・レディ!?」と立て続けにアッパーチューンばかり飛ばしていく。“ルパン三世のテーマ’78”に“BEAT DOWN STOMP”が投下された。炎天下の下、みんなで暑苦しくスカダンスだ。腕を振り上げ、フロアで踊っていない人はもう皆無。完全に目が覚めた!
谷中敦がスカパラにとって今年が35周年であること、そして苗場の地でフジロックがはじまった25年前もこの時間にここにいたと伝え、恒例の「戦うように楽しんでくれよー!」とその後も“スキャラバン”、“5 days of TEQUILA”、“SKA ME CRAZY”と落ち着こうなんて気配は一切ない。飛ばしっぱなしだ。グリーンステージ一帯は踊る聴衆で埋め尽くされている。
ここでスカパラ恒例のスペシャルゲストが呼び込まれる。BRAHMANのTOSHI-LOWの登場だ。自前と思われる上下グレーのスーツできめ、不敵な面持ちで姿を見せる。披露したのは“野望なき野郎どもへ”。粋でパンクな歌声を届けるのだ。ビートに合わせて「暑い?眠い?早い?寝ぼけたこと言ってんじゃねぇよ。ここに来れてない奴らだっているんだ。そいつらに伝えてくれよ。今年もフジロックとスカパラは最高だったってさ!」と届けられるメッセージに目頭が熱くなる。
沖祐市による“水琴窟”の美しい調べで場を感動で包み込んだ後は2人目のスペシャルゲストが登場。この後グリーンステージに登場予定の10-FEETのTAKUMAだ。スカパラに合わせて白スーツの出で立ち。歌は…“カナリア鳴く空”。そう、昨年惜しくもこの世を去ったチバユウスケをフィーチャーしていた歌だ。チバを心より敬愛していたTAKUMAだ。追悼の意図もあったのだろう。渾身の歌声を響かせる。歌詞の一部を「フジロック」や「苗場」に変えて場を盛り上げるのだ。
結成35周年のお祝いに創った“風に戦ぐブルーズ”を続けてTAKUMAと披露。同じ時代を生きるバンドマンに捧げた曲とのことだ。曲間で当たり前なんてないんだ、今日が最後の気持ちでお前らと楽しみたいんだ!との言葉に目頭がまたも熱くなってしまう。フロアからは「ありがとー!」と感謝の叫びでTAKUMAに応えていた。
ラストは“Paradise Has No Border”。「今日はどこが一番盛り上がってるんだ!?」、「そっちはどうだ!?」と盛り上げ番長のGAMOが呼びかけるおなじみのパフォーマンスでフロアを沸かしに沸かす。「一つになろうぜ!」と立てた人差し指に絶妙なタイミングでトンボが留まるという奇跡まで起こり、バンドの結成35周年を祝し、25年前の苗場でのステージに想いを馳せる特別なステージを晴れやかに完了した。
そこに居合わせた人誰しもを楽しませ、笑顔にする。それをひたすらにやり続けて35年だ。本当に頭が下がるし、感謝しかない。ありがとう!
さぁ、フジロックの2日目がはじまった!今日というまたとない日を楽しみ尽くそうぜ!
[写真:全10枚]