FUJIROCK EXPRESS '24

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/27 SAT

EYEDRESS

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Posted on 2024.7.27 17:41

ノイジーな家で見る白昼夢

フジロック2日目ももう夕方。キツイ日差しも落ち着いていて、ちょうどいい気温になってきた。16時のレッドマーキーは、どちらかというと日本より海外のオーディエンスが多い気がする。登場したのは、フィリピンはマニラ出身、現在はロサンゼルスに住むEYEDRESS。シンガーソングライターであり、ラッパーであり、レコードプロデューサーもある多彩な彼はあのRCA Recordsに所属している。King Kruleをはじめ、DāM-FunKなど、コラボレーションも話題。音源を聞く限り、いい感じにローファイで、ゴスやシューゲイザーの匂いがしたため、ぜひ目撃したいと思っていた。

ギター、ドラム、キーボードにベースを含め5人のメンバーを引き連れて登場したEYEDRESSは、黒いTシャツにキャップにサングラス、下はグレーっぽいパンツと、アーティスト写真のイメージそのままの姿で登場する。バックスクリーンには、EYEDRESSのロゴらしきもの、上には「アイドレスの家」と書かれていて謎が多い(大林宣彦の映画「ハウス」のオマージュではないかという声もある)。

“Can I See You Tonight?”が始まると、ビシビシと地鳴りのするドラムの力強さにびっくりする。“Let’s Skip to the Wedding”でのキックの強さなど、全体的にリズムの強さを主張した音づくりなのだろうか。キーボードを主体とした、輪郭があるようでない幻想的なサウンドと、それに同化して聴き取りにくいヴォーカル。想像していた以上にシューゲイザー感が強めでびっくりした。80’S感がたまらない“Romantic Lover”や、レトロなAORの質感を持った“Toxic Masculinity”など、間髪入れず次々とプレイしていき、20曲近くプレイしてくれた。

欲を言うならば、曲ごとのBPMの緩急とか、頭ひとつ突き抜けたキラーチューンだとか、もっとセットリストに幅がほしいところなんだけれど、それが彼らのやり方なのかもしれない。ほぼ同じテンポでノイジーだとのっぺりとしてしまって、ヴォーカルも聞き取れないというシューゲイザー好きの贅沢ともいえる部分が、かえって悩みになってしまうような気がした。ちょっともったいないと思う。

それでも最後は、TikTokで大ヒットした“Jealous”を背負ってメンバーとともに観客を煽り、“I Don’t Wanna Be Your Friend”では、EYEDRESS自らステージのほうに降りて、爆発的なエネルギーで観客を巻き込んでいった。クールそうに見えてたけど、泥臭いじゃん!かっこいい。EYEDRESSの起爆力は、こんなもんじゃないと思う。最新アルバムもびっくりするくらい曲数が多いし、さらなるパフォーマンスを期待している。

[写真:全10枚]

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7/27 SATRED MARQUEE