FUJIROCK EXPRESS '24

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/28 SUN

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Posted on 2024.7.29 01:47

最終日ヘヴンのレッツ・ゲット・ファンキー!

「昨日のクリスタレス・パレス・テントで観た人いる?」とステージMCが聞くと、前方のたくさんの人が手を挙げている。僕はそのライブは観ていないが、もうこの反応だけで期待ができる。インドネシアのジャカルタから、アリがフィールド・オブ・ヘヴンに登場だ。

ジョン・ポール(Dr)、アルスワンダル(Ba / Vo) 、ムハマッド・アブサー(Gt)の3人に、アイラ・アジ(Per)のパーカッションを加えた4人編成のアリ。イントロセッションに続いてはじまった“Dance, Habibi”で、ヘヴンに集った人々はさっそく手を振り上げて踊り始める。一発で楽しいやつだってわかる、あの感じだ。全編アラビア語というボーカルも、歌というより踊りを生み出す合図のように機能しているように思える。リフのメロディをそのまま歌うシンプルなもので、僕らも思わず歌って楽しくなってくるわけだ。

インドネシアに根付く中東の文化をサウンドに取り入れ、自ら「南東のひねりを入れた中東のビート」と称するというアリのサウンド。2019年にここで観たクルアンビンなどを連想させるサイケサウンドながら、踊っている感触は全然違うからおもしろい。コンガやシェイカーも刺激的なグルーヴに一味添えているが、“Malaka”なんかは祭囃子のようなどんちゃんしたフィーリングがあって、苗場の森にもよく似合っている。様々な異国情緒を感じながらも、根っこの踊りたい気持ちでつながってる感じがなんだかいいよね。

「インドネシアのジャカルタから来ました。初めての日本がとても楽しい!レッツ・ゲット・ファンキー!」とアルスワンダルが投げかけ、期待感がさらに高まるヘヴン。リズム隊が延々同じフレーズを続ける中、時にユニゾンしながらギターが移り変わっていくところもアリのサウンドの特徴で、ある種テクノのような陶酔感と戯れるひと時もまた格別だ。ガンガン踊りながらシャボン玉を飛ばす人や、ゆらゆら揺れながらインドネシアの国旗を振り回す人もいて、なんとも味わい深い雰囲気になってきた。

途中からは少し雨も降ってきて、レインコートを着る人もちらほら。ここ数年のフジロックはほとんど雨が降らなかったし、こういう感じもなんだか懐かしい。でも雨でさらに踊りたい気持ちも増してきたりするから、いい自然のスパイスなんだよな。

バンドの4人が「そろそろいくよ?」みたいな感じでジリジリと近づいていって期待を煽り、次の展開で爆発みたいな流れは、やっぱりダンス・ミュージックのようなニュアンスを感じさせる。それを人力のバンドサウンドで浴びせられるんだから、もう解放感に身を任せるのみなんです。

MCでは富士山が美しいと言っていて思わず笑ってしまったが(まあ少しややこしい名前なのはそうだが)、大自然のライブを楽しんでいるのは演奏や表情からもよく伝わってきた。ちなみにアルスワンダルはグラフィック・デザイナーでもあるようで、火曜日から東京の日本橋で個展もするそう。よかったらぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

[写真:全10枚]

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7/28 SUNFIELD OF HEAVEN