LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/28 SUN
CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN
苗場にいながらできる海外旅行、ここにあります!
多種多様な楽器や機材の並べられたステージに、サポートメンバーを含めた6人が登場すれば、1曲目は“秩父”。音源で聴くよりも、より民族音楽っぽさが露呈しているように思う。徐々に音数を増やしていきながらの、スティールパンの不思議と耳に残る音、乗らずにはいられないドラムンベースに。なんといってもパーカッションを担当するサポートメンバーのパッション溢れるリズムに釘付けにならずにはいられない。いや~いいですね。FIELD OF HEAVENのチョコパコ。絶対合うと思ってたんですけど、バッチリじゃないですか!
コーラスのMaoが登場し、2曲目の“ワタツミ”は、Daido(作曲/映像)の声も相まって昭和歌謡のような1曲。それからラテンの雰囲気の漂う“ガンダーラ”。音源は無機質な男性ボーカルであったが、今日このステージではMaoが美しい裏声でしっとり聴かせてくれる。時折、鳴らされる小さく甲高い鐘が、仏教寺院をイメージさせ、歌詞通りヒマラヤの麓やネパールに誘うようだった。
浮遊感漂うスティールパンのメロディにエコーのかかる2人の歌声、掛け合いのようなやりとりが楽しめた“声を聞かせて”が終わる頃には、徐々に雨が強くなってくる。そして、ここで美空ひばりの“りんご追分”。渋い選択だ!そしてフジロック用のチョイスだ!なんて思ってしまう。途中で「旅行をしている気分で聴いてください!」というMCやメンバー紹介を挟みながら、彼らなりに再構築された往年の名曲。思わず聴き入ってしまった方も多いのではないでしょうか。
“空飛ぶ東京”の演奏が始まれば、観客たちからも声が上がる!ライブ仕様だからなのか、BPMはずっと早い。原曲よりもずっとさまざまな楽器の音色が注ぎ込まれ、低音が重く響く。また違った印象を受けたりもするのだった。“アダンの海”では、どこか南の海の上にゆったりと浮かんでいるような1曲。2人の心地よい声に、揺られながら聴きたくなる。まあ、普通にめちゃくちゃ雨降ってるんですけど。
ねえ?この曲ってやっぱりウォンカー・アイの映画を意識しているのでしょうか?“花様年華”では都会的な2人の恋の様子を幻想的に映しながら、“アートマン”、そして更にテンポを上げ、誰よりも情熱的に踊り狂いたくなる“tradition”までの流れはこのとき一番の盛り上がりどころであった。繰り返される言葉、ラテンのようなリズム、現実から離れたこの場だからこそ、思いっきり飛んだり跳ねたりしたくなる!
名残惜しいと思いながら最後の曲“琉球 Boogie Woogie”の様子を眺めていると、パーカッションがドラムを叩いている……では、さっきまでドラムを叩いていた彼は?と思ったら、下手で三線を引いていてかなり驚いてしまった。この人たち、なんでもできるじゃん!(笑)「イヤサッサ!」の声かけに合わせて会場も一帯となって気持ちよく踊り切る。沖縄だけではなく世界の民謡を取り入れながら、名前のわからないような楽器まで登場させつつ、本当に旅をしているような1時間のステージとなった。
[写真:全10枚]