“リン(YLC Photography)” の検索結果 – FUJIROCK EXPRESS '24 | フジロック会場から最新レポートをお届け https://fujirockexpress.net/24 FUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)を開催地苗場からリアルタイムでライブレポート・会場レポートをお届け! Tue, 13 Aug 2024 04:03:22 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.6 あれもない、これもないフジロック https://fujirockexpress.net/24/p_7583.html Fri, 09 Aug 2024 07:18:03 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=7583 「おかえり!」と声をかけると「ただいま!」と応えてくれる……。前夜祭のレッド・マーキーにやって来てくれたみなさんと、そんな挨拶を交わして集合写真を撮影し始めたのは、2007年ではなかったか。初めてやったときには、オーディエンスがどう応えてくれるか、全くわからなくて、はらはら、ドキドキだったんだが、ものの見事にほぼ全員から「ただいま!」と返ってきたときにはめちゃくちゃ嬉しかった。フジロックが、あるいは、苗場が、年に一度、帰省するふるさとのようになっているのを実感したのは、この頃からだったかもしれない。

あれからすでに17年、相も変わらずそんなことを続けている。なにはともあれ、みんなの幸せな顔を見るのが嬉しいからだ。苗場音頭での盆踊りが一段落して、花火が上がったあと、レッド・マーキーの入口のテープがカットされると、この1年間、フジロックを待ちわびていた人達が、文字通り、堰を切ったように雪崩れ込んでくる。そして、DJ MAMEZUKAの絶妙な選曲で回されるレコードからあふれ出る音の洪水をかぶる彼らの幸せな表情ったら……ありゃあしない。それに魅入られた関係者や噂を聞きつけた出演者までもが、ステージからその光景を記録しようとカメラを構えている。どうやら、運営本部でもその様子が映像で確認されているようなのだが、ちっぽけなモニターで見るのと、現場にいるのとでは大違い。実際にそれを目の当たりにしてほしいと呼び出したのが、昨年までグリーン・ステージを担当していた、主催者スマッシュの新社長、佐潟氏。それに応えてわざわざやって来てくれた彼が「確かに、そうだね。実際に見ると……」と、口にしてくれたのが嬉しかった。

加えて、今年はステージ袖に腰をかけて、最初のバンド、USを待ちわびていたのが、フジロックを生み出した日高大将。言うまでもなく、彼の写真をフィーチャーして2021年に制作した「Wanted(指名手配)」Tシャツには「彼が最前線に戻ってほしい」という願いが込められていた。かつてfujirockers.orgが作ったTシャツで、これが桁違いのセールスを記録したのはなぜか? 多くのフジロッカーがそんな思いを共有していたからに違いない。嬉しいことに、昨年はクリスタル・パレスやどん吉パークに彼が出没。体調がすぐれないと耳にしていたにもかかわらず、今年はレッド・マーキーからグリーン・ステージにも姿を見せている。しかも、彼が惚れ込んだというUSのライヴを楽しんでいる姿を目撃したのは少なくとも2回。ひょっとしたら、それ以上足を運んでいたのかもしれない。

コロナ禍以降、なかなか本来のフジロックが戻ってこないことに苛立っているフジロッカーが多いことは百も承知だ。それでも、ここにいるだけで幸せを感じていた。奥地のカフェ・ドゥ・パリもストーンド・サークルもない。ジム・ウェストを中心に集まってきたDJたちがお気に入りの音楽を楽しむブルー・ギャラクシーは復活したものの、あの周りにあったワールド・レストランは見る影もない。昔からのフジロックを知っている人間にとってみると、かなり寂しい景色にも映る。それでも、「なにやら幸せ」な自分がいるのだ。どこかで読んだ記事に「フジロックで飲むビールがめちゃ旨い」というのがあったんだが、実にその通り。なにを食っても、なにを飲んでも、ここにいることでその全てが格別なものになっているのに気付くのだ。

何度もやってきている常連にとって、フジロックは盆と正月が一緒になった、里帰りのようなもの。懐かしい友や仲間に再会できる場所でもある。年に一度、ここでしか再会しない友人だって珍しくもない。それでも、どこかで同じような世界を引きずりながら生きていることを互いに確認したり、旧交を温めることになる。しかも、初めて出会っても、どこかで繋がっているような感覚に陥ることも珍しくはない。そして、この1年を振り返りながら、あ〜でもない、こ〜でもないと会話が続いていくのだ。

この1年でフジロックに馴染みのある人たちもこの世を去っている。そんな仲間やアーティストのことが頭をかすめるのも仕方がないだろう。そんなひとりがチバユウスケ。今年、1998年の「地面が揺れた」伝説のフジロックから、スタッフが記録し続けた彼の写真をフジロッカーズ・ラウンジで展示したのは、そんな勇姿が我々に焼き付いていたからだろう。土曜日にクラフトワークが、昨年亡くなった坂本龍一への敬意を示すように「戦場のメリー・クリスマス」を奏でて、「Radioactivity」への導入部のように使ったのが話題になっているが、彼も苗場に姿を見せたアーティストのひとりだった。

Photo by MITCH IKEDA

フジロック・エキスプレスの更新作業に使う本部テントの準備と取材活動のために、精鋭スタッフと共に苗場入りした火曜日、新たな訃報が飛び込んでいた。作業を終えた夕方、UKロックの源流と言っていいだろう、ジョン・メイオールが亡くなったことを知る。ご存知の方も多いだろう。彼の次男が、フジロックの第1回目から最重要スタッフとして行動を共にしてきたスマッシュUKのジェイソンであり、幾度となくDJとして、あるいは、ザ・トロージャンズというバンドを率いて出演してきたギャズは長男。いわば、ふたりともフジロックを語るときに欠かすことができない人物となっている。彼らにどんな言葉をかければいいのか……、かなり戸惑っていた。実の父親が他界したのだ。彼らが現場を離れても誰も文句は言えないだろう。が、ジェイソンは黙々とフェスティヴァルの準備に奔走し、少し遅れてやって来たギャズには予定通りにツアー続行することを告げられる。

規模で言えば、比較の対象にはならないことは百も承知なのだが、フジロックを触発することになった英国のグラストンバリー・フェスティヴァルに繋がる不思議な縁がメイオール親子かもしれない。後者の主催者で会場となる農場の主、マイケル・イーヴィスが大きな影響を受けたのは1969年に開催されたバース・ブルース・フェスティヴァル。そこで演奏したジョン・メイオールとブルース・ブレイカーズを見て、「自分もフェスティヴァルをやりたい」と思うに至ったと。今ではその中心人物として全てを仕切っている末娘、エミリーが口にしている。しかも、そのライヴのステージ裏にいたのが、まだまだガキンチョだったギャズとジェイソン。ずいぶんと大人になった彼らがフジロックで最もフェスティヴァル的要素を凝縮したパレス・オヴ・ワンダーからブルー・ギャラクシーの顔のような存在となっている。

1970年に始まったグラストンバリーは今年で54年目となり、1997年に始まったフジロックは、ちょうどその半分の27年目。苗場での開催が始まった1999年から25年の節目となることが今年は話題になっているのだが、フジロックのルーツと言ってもいい、アトミック・カフェ・ミュージック・フェスティヴァルが産声を上げたのは1984年と、40年前にさかのぼる。というので、あの時、スタッフとして関わった身として、今年はジプシー・アヴァロンで続けられているアトミック・カフェのステージに立って、当時の話をしている。

あれから、とてつもない時間が過ぎ去ったように思う。その間に多くの友達や仲間に関係者がこの世を去り、フジロックが始まった頃にはまだ40代そこそこだった筆者も、すでに高齢者となっている。今年、グラストンバリーの主催者、マイケルが車いすに乗ってザ・パークと呼ばれるステージに姿を見せている一方で、フジロック生みの親、日高大将は杖を片手に前夜祭のレッド・マーキーやグリーン・ステージに立っている。かつてのようにジープで会場内を走って、動き回っていた彼らを見られないのは残念だが、世界の西と東で目撃したこの光景は彼らの想いがそのままフェスティヴァルとなっているんだろうと思わせていた。

なにやら表向きには順調に復活しているように見えるかもしれないフジロックだが、さて、どうなんだろう。確かに、主催者からは「来年はあります」と耳にしているし、今年も会場を離れるときに見たゲートには、その日程が発表されていた。しかし、その言葉の裏に「再来年はわからない」というニュアンスを感じていた。なにせ、異常とも思える円安のピークが開催期間中。ギャラの支払いはドル建てが原則なので、おそらく、海外からやって来た出演者に支払われる金額が想定よりも遙かに膨らんでいるはずだ。加えて、チケットのセールスも全盛期から比較したら、貧しかったと聞いている。チケットが値上げされているといっても、利益が出ているとは考えられない。

だからなんだろう、どこかで唐突にフジロックがなくなってしまうのではないかという危惧感は拭えない。なんの前触れもなく、消え去ってしまうような怖さも感じているのが正直なところ。でも、もちろん、そうなって欲しくない。なぜなら、想像できないのだ。年に一度帰る故郷がなくなることは。フジロックのおかげで知り合ったり、仲良くなった友人たちと再会できる機会が失われるのには耐えられないように思う。

初めてここに来た人達はどうだった? 同じように感じる? また、来年もやってきたいと思った? もし、そうでなかったら、フジロックの魅力が失せているってことなんだろう。もし、そうだったら、フジロックがこれでも他に類を見ない野外コンサートではなく、フェスティヴァルと呼ぶにふさわしい存在だということを証明してくれているようにも思う。でも、かつてのフジロックを取り戻したいという想いは変わらない。

今回、嬉しかったことのひとつは、会場で、かつてワールド・レストランと呼ばれる場所で中心となって動いてくれていたエチオピア人の仲間、ソロモンを見かけたこと。なんと7年ぶりに来た彼がなにを思ったか? ひょっとして、また、彼を核にワールド・レストランのような趣を復活させてくれないだろうかと期待してしまうのだ。そして、もうひとつ嬉しかったのが、何年ぶりだろう、戻ってきてくれたジーンズのリーバイス(Levi’s)。初期のフジロックでコンスタントにサポートしてくれていた彼らが戻ってきてくれた背景に、昔のスタッフが関わっていることに驚かされていた。

さて、そんな今年の会場内外での顛末を伝えてくれたのは以下のスタッフの数々。会場で一生懸命動いてくれた彼らに感謝して、そして、また、ここに集まってきたみなさんと再会できることを祈って、〆の文章を終えようと思う。ありがとうございました。

■日本語版
森リョータ、阿部光平、丸山亮平、あたそ、阿部仁知、イケダノブユキ、石角友香、梶原綾乃、三浦孝文、若林修平、Asakawa Maho、東いずみ、越川由夏、泉みや、Eriko Kondo、YAMAZAKI YUIKA、渡辺紗礼、こっこ、ヌー子、浅野凜太郎、井上勝也、エモトココロ、堅田ひとみ、粂井健太、古川喜隆、小林弘輔、佐藤哲郎、白井絢香、suguta、髙津大地、HARA MASAMI(HAMA)、平川啓子、前田 俊太郎、松藤 万里子、ミッチ イケダ、宮田遼、安江正実、リン(YLC Photography)

■E-Team
Nina Cataldo、Jonathan Cooper、Park Baker、Sean Scanlan

■フジロッカーズラウンジ
mimi、obacchi、SEKI、yamato

■ウェブサイト制作&更新
平沼寛生(プログラム開発)、迫勇一、坂上大介

■スペシャルサンクス
三ツ石哲也

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NO PARTY FOR CAO DONG https://fujirockexpress.net/24/p_7003.html Tue, 30 Jul 2024 10:19:21 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=7003 最終日のGREEN STAGEの午前の時間帯はあっという間だったフジロックを最後まで楽しもうと英気を養う人たちが集う。“田舎へ行こう!”が流れる中、カメラが捉えた人々がステージ左右のビジョンに映し出されるが、気づいた人はみんな笑顔で、中にはビールを一気飲みする人も。すっかり馴染みになったこの光景だが、朝イチのGREENのモッシュピットにいる人たちはトッパーであるNO PARTY FOR CAO DONGを熱く応援する台湾の人たち。もう何年も前からフジロックに訪れるアジアの人たちは増加の一途だが、目に見えて一つのバンドの元に集まる様子は個人的には初めてだ。客層は多彩。台湾の国民的な音楽賞を獲得していることが日本だとピンとこないのだが、それぐらいロックバンドとして大きな存在で、彼らと彼ら以降でインディロックの潮流が変わったとすら言われている。

黒いTシャツにハーフパンツのWood Lin (Vo,Gt)とJudy Chan (Gt,Vo)の黒づくめながら夏仕様なシンプルファッション、Dennis Chang(Ba)は日本のメタル/シューゲイズバンド「明日の叙景」のTシャツを着ている。そしてバンドの活動再開後、再びバンドに合流した初期メンバーBirdman(Dr)はアスリート風の鋭さを漂わせている。

イントロダクションのセッションでは自然を想起させる清冽なギターにメタル/エモもかくやなツインペダルが叩き込まれ、ポストロックでもシューゲイズでもないユニークな音楽性が屹立する。ハスキーでモノローグっぽいWood Linの声、時折シャウトするDennis Chang、メインボーカルも聴かせるJudy Chan。この3人がユニゾンで声を合わせる場面もパンク由来のエモではあまり見ない構成だ。誰か一人がカリスマなんじゃなく、音楽を構成する一人ひとりが過剰にならないように選び抜いたリフや声を加えていく。

ダンサブルなビートを独自に昇華した側面もユニークで、“醜 Gristy Me”や“大風吹 Simon Says”ではダンスビートを軸に引きながら、ダウナーなセクションに移行、そこから爆音アンサンブルへと、1曲の中で自在に感情を変化させていく。ファンは曲をよく知っているようで、ブレイクから爆発する瞬間の一体感は、音楽があればどこでもNO PARTY FOR CAO DONGのコミュニティが立ち上がる力強さがあった。

Wood Linは、「長くバンドをやってるけどシャイだからあまり喋れない」というようなことをボソボソ喋り、日本語は喋れないのでと、英語でタイトルコールをする。その一つ一つが必要最低限のMCなのだが、無愛想なわけじゃなくそのスタンスが彼らの音楽性にも通じる。「美しい山ですね……」とポツリと発した後の演奏曲が“人洞山 The Human, the Hole and the Mountain”だったのは偶然だろうか。広大なランドスケープを描く彼らの演奏はGREEN STAGEにハマりすぎだ。

ライブが進行するにつれ、キラーチューン“Emily the ghost”の天変地異レベルのアンサンブルでサークルモッシュが起きている。フジロックで初めて見るライブマナーもあったりして、つくづくこのバンドの求心力を見せつけられた思いだ。ラストは日本でも有名なナンバー“山海Wayfaner”。ようやくバンドロゴが大きく投影され、スマホを取り出す人多数出現。しかもサビのシンガロング率は恐ろしく高い。台湾を代表するバンドがポストハードコア、メタル、シューゲイズ、エレクトロダンスの要素をタフな胃袋で消化していることも衝撃だが、そのバンドの人気や魅力をオーディエンスの熱狂と共に伝えた今回のライブは海外のオーディエンスが数多く参加するフジロックならではの出来事だったんじゃないか。音楽が鳴っていることで、お互いを理解できることがある。そんな証左の1時間だった。

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あらかじめ決められた恋人たちへ https://fujirockexpress.net/24/p_1005.html Sun, 28 Jul 2024 18:04:08 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=1005 最終日の夜のPyramid Gardenは「まだ帰りたくない」人たちが続々やってくる。しかもまだまだ美味しい料理もお酒もある場所だけに、全然終わる気がしない。あらかじめ決められた恋人たちへの6人はかなり綿密にサウンドチェックを行っていることが、だいぶ遠くの苗プリの裏道まで聴こえてきていた。ステージ前にたどり着くと、サウンドチェックの段階ですでに熱演なんである。どうなるんだ、本編は。

オープナーは風がすり抜けていくようなSEから、“Round”が始まる。新作『響鳴』の1曲目を持ってきたのは今年のモードということだろう。薄暗がりのステージから発される演奏は生き物の蠢きのようでもあり、夜に外で聴くダブは格別だ。そしてアルバムの曲順と同じく“Stance”が始まる。池永正二の鍵盤ハーモニカはそろそろ夜もふける空間に夕焼けを感じさせるから、音色とは本当に不思議だ。OHTAKEKOHHAN(Gt)のブルージーなフレージング、幽玄なクリテツのテルミンの音色で時間帯が深まっていく感じだ。もちろん、音源と違いアンサンブルの生々しさは何倍にも増して、あら恋らしいメンバー各々の突発的なアクションも増えていく。3曲目に“Come”をセットしたところまでは新作からのチョイスで、一つの流れを作っていた。

それにしてもPyramidでのフルバンドの音響がこんなにいいなんて。これまでアコースティックか小編成のライブしか見たことがなかったので、これは新しい発見だった。中盤には風が強さを増し、なぜかそれと同時にさらに人も増えてきた。やはりまだ帰りたくない人が多いんだろう。

ループする鍵盤の音に明るさを感じるイントロの“前日”で軽快なインストロックに雰囲気が変わり、さらに“Back”と、人力トランスにも似た曲が続き、何度もためてはギターソロなどで小爆発と大爆発を繰り返す演奏に歓声が上がる。前方で体を揺らしている人も、焚き火を囲んでいる人も、みんなこのループにハマってなんとなく同調しているのがわかる。ライブが心地いいのは多分その安心感だ。しかもステージの上方はスモークじゃなく、天然のスモーク、霧がたなびき、あの緑色の光が反射してちょっと宇宙的。昼間と違って見える巨木も演出に一役買っている。そしてあら恋の演奏にすごく合う。

ラストは穏やかに始まり徐々に躍動感を増していく“火花”。メンバーそれぞれの見せ場も盛り込み、ステージの照明も明るさを増し、最終的に全体像が掴める明るさになったところで池永の大きな身振りとともに演奏はエンディングを迎えた。後半に派手になるというより、見えなかったものが見えるようになる、そんな演出に思えて深く感銘した。やまない拍手と歓声に応え、急遽アンコールも行った。さて宵っぱりたちはこの後どこにいくのだろう。お酒が進みそうなステージだったから、多分まだ終われない、ですよね。

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DJ KEESI (Yin Yin) https://fujirockexpress.net/24/p_1065.html Sun, 28 Jul 2024 12:41:30 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=1065 クリープハイプ https://fujirockexpress.net/24/p_854.html Sun, 28 Jul 2024 11:56:23 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=854 ※まず一言述べておきたいのだが、MCの内容が個人的にとてもよかったため、しっかり書き起こすことにしようと思います。

SEもないまま登場する4人のメンバー。スポットライトが尾崎世界観(Vo./G.)に集められ、疾走感を覚えるドラムが特徴的な“君の部屋”で本編がスタートする。そのままの勢いを取り残しながら、“一生に一度愛しているよ”は、軽快なリズムに反して皮肉な曲だよなあ、なんて思う。小川幸慈(G.)がステージ上を動き回る様子を眺めながら、ヒリヒリした空気を肌で感じる。

BGMを速めたままの“月の逆襲”では、長谷川カオナシ(B./Vo.)が尾崎そっくりの上に抜けていくような声で歌い、ツインボーカルが心地よく響く。「ありがとう、クリープハイプというバンドです。今年でこのメンバーになって15年になるけど、フジロックとかもうないだろうなって思ってて。もうないものとして覚悟を決めてやっていこうと思ったんだよね。15周年で。そしたら、オファーが来て今ここに立ってる。すごくうれしかった。クリープハイプが、邦ロックとかロキノン系とかちょっと音楽好きの人からしたら、舐められることもあるんでしょうけど、そういうバンドだと思ってます。邦ロック系バンド、ロキノン系バンドとして、誇りをもってこのステージに来ました。今日はよろしくお願いします。」と話す、尾崎。なんか、この時点でかっこいいなと思ってしまったんですよね。15年もやっていたら色んなことがあったのだと容易に想像はできるが、自分の音楽や思想に自信を感じられる。

長谷川カオナシ(B./Vo.)がキーボードを弾き、尾崎のアカペラもしっとり聴かせた“ナイトオンザプラネット”ではポエトリーリーディングのような歌詞がタイトルのごとく夜に月を浮かべたような音に乗せられる。耳に残るギターの音が印象に残る“キケンナアソビ”のあとは、「今度会ったらセックスしよう!」の合唱が起きた“HE IS MINE”。クリープハイプって、「ここまで言っちゃうんですか?」という恋愛や恋心に紐づいた関係から生み出された感情を生活感を残した状態そのままで歌詞に落とし込んでいると思うのだが、性別に関係なく、心の底の方に埋まった悲しみみたいなものが見え隠れするように思う。

毛色の異なるアグレッシブなサウンドの“身も蓋もない水槽”、“社会の窓”のあとのMCでは、「ありがとう」のあと、「今日はなんか、すごい楽しいな。楽しくて曲順間違えちゃった」という尾崎。正直に言えば、この演奏が始まったとき、「この人、音楽がすきじゃないのかな?」「バンド辞めたいのかな?」と思っていたのだが、中盤以降に差し掛かる頃には、時折笑顔を見せながら楽しそうに演奏する姿が印象に残っている。
「いつも楽しくないわけじゃないんだけど、やっぱりやらなきゃいけないことっていうのはあって。今日ももちろんそうなんだけど。もっとなんか、やることが決まっているっていうか。いつの間にか楽しめてなかったのかもしれないなって。久しぶりになんか、懐かしい気持ちで。別に来てもらっているのは全然うれしいしめちゃくちゃ幸せなんだけど、なんかこうこんな感じでやるのがいいっていうかね。聴きたきゃ聴けばいいっていう気持ちで久しぶりにライブができて、大事なものを思い出させれもらってうれしく思っています。ありがとうございます。」
「楽しいよ!本当に。楽しいよ!あとあの、やっぱりフジロックになると、普段連絡来ないうような人からも連絡が来て、今日見るからとか今更何年かぶりに連絡してきてなんなんだよとか思うだけど、それはそれで、みんなそれぞれ時間が経つと家庭を持ったりして。ああ、大人のなっているなっていうのを感じて。で、自分は今年40になるんだけどまだ独身で、ずっと同じことを繰り返していていいのかな?って思うんだけど、不安になるんだけど。こうやってステージに立ってるけど、満たされなさとか悔しさとか寂しさとかそういうものはずっと消えないんだなと。一緒にいた人が家庭を持って幸せそうにしていると余計思い。でも、そういう人に理解してもらえない気持ちだって、こんなフジロックのグリーンステージに立ってて何を満たされないとか言ってんだよって思うかもしれないけど、何か足りなくて。でもこの足りなさって、なかなかみんなが持っているものではないと思うし、これからも大事にしていこうと思いました。こうやってライブを通して、いろんな人の生活と一瞬でもつながることができてうれしく思います。残り時間短いけど、一生懸命やります。よろしくお願いします。」というMCにはやられてしまう。距離は遠いかもしれない。それでも同じ人間で、変わらないのだと思ってしまったのだ。
ああ、この人は自分のバンドで武道館にも立って書いた本が芥川賞候補作品に2回も選ばれるような人なのに。かっこつけることもなく、恥ずかしがることもなく、自分の満たされなさを平気で口にするのだ。歌詞が全て私生活や思想に反映されているとは思わないけれど、だから自分のすべてをさらけ出すような作品を作る。あの言葉で、随分と邦ロック・ロキノン系バンドとしてのクリープハイプに対する見え方みたいなものが一気に変化したように思う。

ギターのメロディが耳に残る“イト”のあと、「一生の思い出にするつもりで来たけど、思い出にするにはもったいないから、ぜひまた呼んでください。お願いします。」という言葉のあとは、ラスト“栞”で本編が終わる。本当なんだろうな。尾崎の心から楽しんでいることが伝わる笑顔が記憶に残る。

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Jim West https://fujirockexpress.net/24/p_1062.html Sun, 28 Jul 2024 09:55:52 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=1062 おとぎ話 https://fujirockexpress.net/24/p_984.html Sun, 28 Jul 2024 05:38:02 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=984 ENG: NO PARTY FOR CAO DONG https://fujirockexpress.net/24/p_856.html Sun, 28 Jul 2024 04:01:41 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=856 On the final day of the Green Stage, a special opening act was invited, Taiwan’s top indie act, No Party for Cao Dong. Despite the early hours, the cage in front of the stage was at capacity early on, and many other supporters filled the field area.

No Party for Cao Dong has won many musical awards in Taiwan, though some are still wondering if the stage is too big for them. As soon as they stepped on stage, they dispelled doubters with a powerful guitar sound a drumming that would rival any other act at Fuji Rock.

The band are composed of Wood Lin (Vo,Gt) and Judy Chan (Gt,Vo) are all dressed in black T-shirts and shorts, a simple fashion for summer, while Dennis Chang is wearing a T-shirt of the Japanese black metal/shoegaze band, Asunojokei. And new drummer Huang Shih-wei is the engine behind the band powering many of the songs with athleticism.

In the intro a guitar is pounded with a twin pedal that creates either post-rock nor shoegaze stands out. Wood Lin’s voice is deep and husky with the three singing in unison on occasion. For newcomers they are punk emo though no member has a charismatic attitude as they work together.

In “Gristy Me” and “Big Wind Simon Says,” they move from dance beats to slow down beat transitions, changing emotions within a single song. The audience knows all the songs well, and the sense of unity at the moment of explosion from the break was powerful enough to create a No Party For Cao Dong community wherever there is music.

Wood Lin muttered something like “we usually play at night so being in the sun is something strange for us.” Otherwise he kept talking to a minimum. It probably was not a coincidence that the song they played after saying “It’s a beautiful mountain…” was “The Human, the Hole and the Mountain”? Their performance, which depicts a vast landscape, was just right for the GREEN STAGE.

Near the end of the concert a circle mosh pit broke out during the tune “Emily the ghost.” The band has charisma, and it showed with “Sankai Wayfaner,” a number that is also famous in Japan. Finally, the band logo was projected large, and many people took out their smartphones.

The number of people singing along to the chorus was extremely high. It was shocking that a Taiwanese band could digest elements of post-hardcore, metal, shoegaze, and electro-dance.

The band’s popularity and appeal is growing along with the enthusiasm of Chinese audience members at Fuji Rock, where many overseas audiences participate. Sometimes music can help people understand each other. It was an hour of music which proved this point

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ENG: Gotch / Masafumi Gotoh Interview https://fujirockexpress.net/24/p_3125.html Sun, 28 Jul 2024 03:16:07 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=3125 We were fortunate enough on Friday to get a chance to sit and chat with Gotoh Masafumi about his appearance with the Route 17 Rock n’ Roll Orchestra, why he selected the songs he did and the social responsibility of the artist.

FR: This is not your first time performing with ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA, right?
Gotoh: No, It’s the second time. The first time felt a little more like being a cover band. Today, the character was a bit different.

FR: ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA has a slightly different atmosphere every year, doesn’t it?

Gotoh: Yeah, ROUTE 17 has a theme every year.

FR: What was this year’s theme?

Gotoh: I talked with Ikebata (the drummer) about playing songs that are related to our roots. It was about performing music we loved as students, like becoming a child once again.
I chose to cover John Lennon for this show. But then I really thought about the meaning of a Japanese person playing Western rock at a Japanese festival. So, I thought it was necessary to perform “Imagine” in Japanese so I could convey its message in our words.
It’s very difficult to know what to do these days, but standing with the people of Gaza at a festival in the far east of Asia and sending a message to the world that we see the ongoing violence and think it’s a problem is very meaningful to me. Solidarity across distant places is needed, and having a generational connection really gives power. It’s something that needs to be done, and this terrible violence must be stopped.

FR: Asian Kung-Fu Generation has more of an international focus when compared to other Japanese bands, you have lots of fans overseas. It is hard to explain, but perhaps this helps give you a greater sense of global artistic responsibility.

Gotoh: When I started playing music, I admired artists like John Lennon and Patti Smith, who didn’t separate music from society. Their messages became their music, and their way of life became their music. I think it doesn’t matter if it’s Western or Japanese music. There are many people in Asia who share the same thoughts..

FR: If you could choose the lineup for ROUTE 17 next year or the year after, who would you choose?

Gotoh: I think it would be great if younger bands performed. For example, Vaundy or King Gnu. If those young bands played music that reflects their roots and blended it well with the band’s veteran musicians, it would be amazing to show off Japan’s wonderful rock culture.

FR: The connection between new legends and old legends.

Gotoh: ROUTE 17, like Fuji Rock, includes both Japanese and international bands, creating a more global community. There are cool bands in Asia like South Korea’s HYUKOH or Taiwan’s Sunset Rollercoaster. I think it would be great to interact on stage with these kinds of bands and share our common mindsets and souls.
I feel that music helps us realize that borders are actually fictional. We can easily understand each other through music and we can all move our bodies to the same beat. This potential should be reflected at festivals, and I hope these special events can become places that embody that.

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後藤正文インタビュー https://fujirockexpress.net/24/p_3124.html Sun, 28 Jul 2024 03:14:56 +0000 https://fujirockexpress.net/24/?p=3124 ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤さんと短い時間お話しする機会を持ちました。金曜日のフジロックでのパフォーマンスについて、ROUTE 17 Rock’n’Roll Orchestraとの共演、フジロックのレガシー、そして世界の現状について話しをしました。

FR: ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(以下:ROUTE 17)の出演は初めてではないですよね?

Gotoh: 2回目ですね。1回目は、覆面バンドみたいな感じで出たので。今日とはちょっとキャラクターが違うというか。

FR: 毎年ちょっと違う雰囲気があるのが、ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAですよね。

Gotoh: 毎年ROUTE 17にはテーマがあって。

FR: 今年のテーマはなんだったんですか?

Gotoh: 池畑さん(ドラマー)と話したのは、僕のルーツにあるような楽曲を演奏したらいいんじゃないかという話で 。学生とか子供の頃に好きだった音楽をここでもう1回演奏するみたいな。

Gotoh: 今回選んだThe Whoとジョン・レノンは僕から提案しました。でも、日本人が欧米のロックを日本のフェスで演奏する意味っていうのは、ちょっと考えなきゃいけないなと思って。だから、 イマジンを日本語でやったのも、自分たちの言葉でやらなきゃいけないなって気持ちがあったからなんです。

Gotoh: メッセージを、ちゃんと自分が歌う2曲の中で作らなきゃいけないなと思ったから。 最初の曲は、My Generation。僕たちの世代、何をすべきかと考えて、 真っ先にパレスチナが浮かんだんです。もうこれは絶対に終わらせなきゃいけない。だから、プラカードを友達のアトリエで作って、持ってきて掲げて。

Gotoh: 何ができるかっていうのはすごく難しいけれど、でも、こうやって アジアの一番東のフェスで、僕らがガザの人たちと共に立っているみたいな、 今行われている暴力をちゃんと見てるよ、ちゃんと問題だと思ってるよっていう意思を世界に発信することはすごく意味があると思う。いろいろな場所で連帯していく必要があるし、そうやって、ジェネレーション的な繋がりを持つと、本当に力を持つというか。 もしかしたら、このひどい暴力が止められるかもしれない。そして、止めたいという気持ちがあるというか。

FR:アジカンは、他の日本のバンドより海外に向いている印象があります。海外の人気もあるし。そして、このような考え方って 海外のマインドだからか、伝えにくいけど、ちょっとわかります。

Gotoh: でもね、やっぱり音楽を始めるにあたって、ジョン・レノンだったり、パティ・スミスだったり、 音楽と社会を切り離さないで、メッセージが音楽になって、 生き方が音楽になっている、アートとライフが切り離されていない表現者たちに憧れてきたから。洋楽だからとか、日本だからとかって全然関係ないと思う。アジアにも同じことを思ってやってる人たちはたくさんいるし。

FR:  例えば来年、再来年とか、自分がROUTE 17 のライナップを決めることができたら、誰を選びますか?

Gotoh: 僕はROUTE 17の演奏でもっと若いバンドが歌ったらいいと思うから、例えばVaundyとか、King Gnuとか。ああいう若いバンドたちが自分たちのルーツの音楽を演奏して、 ちゃんと融合して、日本の素敵なロックのツリーが見せられたら最高なんじゃないかなと思います。

FR: ニューレジェンドとオールドレジェンドの繋がり。

Gotoh: ROUTE 17もそうだけど、フジロックは日本だけじゃなくて、海外のバンドも入るからもっとグローバルコミュニティな感じになる。韓国のHYUKOHとか、台湾の落日飛車とか。アジアにもすごいかっこいいバンドがいるから。そういう人たちと交流しながら、 同じマインドとかソウルとかシェアできたらすごいいいなって思います。

Gotoh: 音楽って多分、実はボーダーっていうのがフィクションだってことを 認識するためにある気がするというか。ほんとに簡単に俺たちって音楽で分かり合えるし、同じビートで体をゆすれるし、でもこれって可能性だから、 それをフェスっていうのは体現していってほしいし、そういう場になっていってほしいという気持ちがありますね。

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