LIVE REPORT - GREEN STAGE 7/25 FRI
ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(feat. 山下久美子、甲本ヒロト、釘屋 玄、US、Liam Ó Maonlaí)
今年もただいま、ROUTE17!
ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAのステージを待っていると、「今年もフジロックに戻ってこれた!」と思う。クリス・ペプラーのMCで12人のメンバーが登場し、まずは暴動クラブから釘屋玄が登場し、New York Dollsの“JET BOY”!2024年デビュー。衣装だってヒョウ柄のシャツに赤ネクタイですよ?マイクスタンドを持ちながら、ステージを歩き回る姿も初めてGREEN STAGEに立ったようには見えないほど、貫禄たっぷり。若干20歳だとはまさか思えない堂々としたいで立ちに、ぴったりのしゃがれ声を聞かせてくれる。THE ROLLING STONESの“Paint it Black”でも、エネルギッシュな歌声を披露してくれた。
次は、先ほど演奏を終えたばかりのUsからTeo、Max、Panの3名が再登場し、Joe Cocker の“Feelin‘ Alright“、Creedence Clearwater Revivalの“Travelin‘ Band”を披露してくれる。Usといえば去年も最多出演だったけれど、今年だって負けないくらいいろんなステージに出てくれるのではないでしょうか?ヒートアップしていくダフゾンビのトランペットにブルースハープの音が響けば、観客たちからも歓声が上がる。先ほどまで降っていた雨も止み、風が気持ちいい。身体を揺らしながら聞き入りたくなる。ギターソロでは、管楽器メンバー4人が前方に出て来、観客たちもクラップ&ハンズで答えていく。Usもガレージロックだからこそ歌声が見事にマッチしていたし、今までなじみのあるミュージシャンの新しい一面が見られるのも、ROUTE17ならではだと思えた。
次に名前を呼ばれたのは、Liam Ó Maonlaí!The WhoのPinball Wizard、The BeatlesのWith A Little Help From My Friendsと、往年の名曲が次々と演奏され、会場が徐々にヒートアップしていくのがわかる。時折、ステージを歩き回りながらもタニー・ホリデイ(Backing Vo) と向かいあって歌う姿を見せてくれるシーンもあった。
山下久美子が出てきたのなら、“So Young~My Way”、それから“赤道小町ドキッ!”でしょう!エネルギーを感じながらもかわいらしい歌声、そして原曲とは異なるバンドサウンド、管楽器のアレンジはきっとこの場限りだけで、さまざまな身振り手振りをしながら元気に歌う山下の姿を見ていると、こちらまで笑顔になってしまう。
それから甲本ヒロトが出てきたと思えば、骨折しているから両腕に松葉杖を持っていたし、大丈夫なのかな?なんて思ってしまったけれど、演奏が始まったらそれは杞憂であると思い知る。“無敵のダイナマイト”を歌えば、まるでこのグリーンステージがヒロトのために用意された時間であるようにも思ったし、The Marvelettesの“Please Mr.postman”ではヒロトのための曲であるようにも思えた。もう何度だって聴いてきた声というのもあるかもしれないけれど、たった1人がステージに立つだけで、会場の空気がガラッと変わる。先ほどまで、心配していた自分が信じられないくらい聴き入ってしまう。まったく衰えないエネルギッシュな歌声には、その日一番の歓声が上がる。
最後には全員が出てきて、“ドレミの歌”が披露される。個性的なシンガーがそれぞれに歌い、さまざまな表情を見せてくれるのはやっぱりここだけの特別なステージだけなのだと思う。ただいま、フジロック!今年もありがとう、ROUTE17!
[写真:全10枚]