FUJIROCK EXPRESS '25

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/26 SAT

GINGER ROOT

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Posted on 2025.7.26 19:54

ジンジャーが贈るギフトボックスの中に閉じ込められてみては?

開演5分前から「姜根」とかかれた電飾ポップが登場。これからギミックゲームが始まることを示唆する。1曲目“Better Than Monday”から始まったGinger Rootのパフォーマンスで、オーディエンスは踊らされる。一瞬にしてグルーヴ感溢れるフロアと化したレッドマーキー。「フジロックのみなさん、こんばんは!ジンジャールートです!!一緒に踊りませんか?じゃあ踊ってよ。」流麗な日本語でボルテージを上げにかかってくジンジャー。80年代JAPANテクノを彷彿とさせる都会的な楽曲“All Night”を披露した後、初めて彼らを観に来たオーディエンスの多さに喜ぶジンジャー。同バンドを知る上での名刺代わりの楽曲と語る”Over The Hill“ではハイネケン片手に踊るファンが楽しそうであった。頭上のミラーボールがキラキラと輝き、フロアの熱気を加速させる。夜景をバックにハイウェイを走っているみたいな楽曲”Over The Hill“では、まるで遠くにネオン灯る高層ビル群が見えてくるようだった。

ジンジャールートは、「音」と「視覚効果」で魅力を急上昇させる。後ろに映し出される映像は、パフォーマンスには無くてはならないもので、昭和、平成初期のような番組前のテロップ、セーラー服、スマートフォンとは異なる電話、ブラウン管テレビ、ビデオテープ…昔懐かしの想い出が蘇ってくるようだ。オーディエンスの中には、「ビデオテープとは何ぞや?」と思う世代もいたことだろう。そのジェネレーションギャップが面白いところでもある。彼は終盤、“YMOメドレー”も披露していたが、時代背景を上手く反映しつつ、あえてハイレゾなカメラを使用した演出をすることによって、前者とはさらに違った色を醸し出す。また、カルフォルニア出身のジンジャーが映し出す世界観は遠いようで近く、少なくとも“日本の歴史”を辿っていることは間違いない。実際に、外国人も大勢見受けられたが、終演後「日本文化はこんなにも面白いんだね」と教えてくれるファンもいた。これは筆者個人の意見だが、音楽は「ルーツを辿る旅」だと考えている。だから、これを機に新たな日本のバンドに入門してくれれば嬉しいと思うし、それによってジンジャーのシティポップ・テクノに対する解像度の高さを感じてくれればいい。

最後に、彼は究極のエンターティナーである。竹口希美子役のアマイワナを登場させたのも勿論だが、楽曲性はかなり特殊だ。アンビエントミュージックで開始したかと思えば、C-POPのテンポを打ち出し、シティポップに着地する。予測不可能な展開にぐるぐる目がまわるようで楽しい。アミューズメントパークのアトラクションに乗っているような感覚に陥るので、むしろ一回も聴いたことない方にオススメしたい。聴いたが最後、彼のワールドに吞み込まれていることだろう。

[写真:全10枚]

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7/26 SATRED MARQUEE