LIVE REPORT - ROOKIE A GO-GO 7/27 SUN
テレビ大陸音頭
将来、ゲートを潜れるバンドへ……
月並みなことをいいますが、いろんな大人がいろんなことをいってくるけど、真っ直ぐに育ってほしいです。
フジロック最終日の深夜ルーキー・ア・ゴーゴーに出演したのはテレビ大陸音頭。今話題のバンドだけあって人はたくさん詰めかけていた。リハーサルの段階で千代谷竜司のギターの弦が切れていた。みんながどうするんだろう?とみていると、そのまま本番になった。
演奏が始まっていきなりステージに投げ込まれるひまわりの花。ステージに水仙がよく投げ込まれていたモリッシーみたいだな〜と思っていたら凶暴な音が鳴り響く。千代谷はアディダスのジャージを着てマイクを頭にぶつけたりペットボトルをステージ背後のバックドロップに投げつけたりしてやりたい放題。
Black midiみたいなマスロック的なものに影響を受けているのだろうけど、千代谷の自由な動きによって何か別のものになっていっている。この日のライヴでお客さんたちはテレビ大陸音頭がどのようになっていくか育っていく過程を目撃していたのた。
早くも“俺に真実を教えてくれ!!”を演奏してステージ前は狂乱を作りだす。鈴木隆太郎のギター、トガリハレアのベース、ヤナガワヒロトのドラムは、変拍子を巧みに生みだすと共に、凶暴なノイズを放つ。それでいて“夜について”のようにスローで美しい曲も歌うこともできる。去年、渋谷クワトロで観たときも感じたけど若いのに物怖じせず、堂々しているのが大物感というか、自分の土俵で勝負できる能力というか、スタート地点が抜きんでている感じがする。
ルーキーから始まってフジロックのゲートを潜ってメインのステージに出演できたバンドは今年でいえばSuchmosとかCreepy Nutsなどいるけど、テレビ大陸音頭もゲートを潜れるバンドになるのではないか。そのためには真っ直ぐに育ってほしい。
[写真:全10枚]