LIVE REPORT - XSUMI 7/27 SUN
ナオユキ
酒場で繰り広げられる泣き笑いのブルース
ブルージーということでは、冗談抜きで今回のフジロックに出演しているアーティストに引けを取らないだろう。というか、まはやブルースそのものであるといっても過言ではない。フジロックの「ところ天国」にある青空寄席「筍亭」に出演するスタンダップコメディアン・ナオユキは、大阪出身のピン芸人である。
酒場で織りなす人々の人間模様を細かく切り取り笑いにしてお焚き上げしていく。ガード下の安酒場、くたびれたスナック、大阪の西成……を舞台にしょうもない人間が起こすしょうもない出来事を語り笑ったあとで気づく。「それはもしかしたら自分もそっちの人間になっていたかもしれない」。同じフレーズを繰り返す語り口は独自のグルーヴを生み出し、聴く人たちを引きずり込んでいく。まさにブルースである余韻をもたらした。
[写真:全10枚]