MOREFUN - PEOPLE 7/24 THU (EVE)
ギャルの親友、初めてのフジロック
Posted on 2025.7.30 16:35
まさか苗場で会えるなんて!
東京で大学生活を始めて間もない頃、初めて音楽の趣味で意気投合した友人がいる。
そんな彼女が、今年のフジロックに客としてではなく、出店スタッフとして来ていた。
オアシスエリアの沖縄料理、「かりゆし」で、朝7時から夜7時までの長丁場。会計担当として働きながら、長くて短い4日間を過ごしていた。
前夜祭で彼女と合流したとき、不思議な感覚があった。
東京ではいつでも会える距離にいるのに、苗場で再会することが、なぜだか特別に感じられた。非日常の中で会うだけで、こんなにも心が動くなんて!
最終日の深夜、仕事が全て終わった後に、レッドマーキーで Nujabes Metaphorical Ensemble を観たあと、クリスタルパレスのVEGAS in MILKへ。東京のクラブとは雰囲気が全然違うことに2人ともテンションが上がり、睡眠不足なことを忘れて踊りまくり。爆踊り。
朝から撤収作業があるというので、オアシスエリアに戻りながらフジロックの感想を聞いた。
「ステージごとにちゃんと色がある。アーティストに合った演出がされていて、自分も“見る”というより、その空間ごと楽しんでるような感覚だった。がむしゃらに最前を狙うような気持ちはなくて、アーティストと観客と自然、全部ひっくるめて一つの作品みたいだった。」
クラブやライブハウスで観ていた音楽とは、明らかに違う体験だったという。
VJや照明、アーティストの煽りに導かれて盛り上がる瞬間もあれば、ただじっと音に耳を傾ける人たちの姿もある。
「みんなが同じ振りをするわけじゃない。ヒップホップで拳を挙げる人、謎の踊りをする人、それぞれが、自分のやり方で音楽に向き合っているのがすごくよかった。“音楽ってだけでいいんだな”って思った。」
また、フジロックのお客さんの年齢層は、他のフェスに比べると少し高めだったという。
「でも、それが逆によかった。お酒を片手にのんびり観ていたり、子ども連れの家族もいたりして、初めてでも怖くなかった。むしろ、自分のペースで飛び込んでいける空気があった。」
彼女は沖縄出身で、沖縄のホテルで働いた経験もある。
今回、「かりゆし」の出店では、久しぶりに海外のお客さんと英語でコミュニケーションを取ることもあり、それがすごく楽しかったという。
彼女が楽しみにしていたのは、ステージだけではなかった。
「謎のDJブースで踊ったり、お客さんのファッションを見るのもすごく楽しかった。子どもがごんちゃんのTシャツを着てたり、一人ひとりのファッションからフジロックへの愛を感じた。」
もちろん、楽しいことばかりではなかった。
フジロックの出店スタッフとして、一番つらかったことを聞くと、彼女は即答した。
「12時間、立ちっぱなしだったこと!」
お客さんが芝生や椅子に座ってライブを観ているのを横目に、出店ブースではずっと立ち続けて、ひたすら接客と会計の繰り返し。
「正直、座れてるの羨ましすぎた。フェスって、観客だけじゃなくて支える人がいるからこそ成り立ってるんだなって、
実際に立ってみてすごく実感した。」
私も彼女の話を聞いてこれからは出店している方々にもっと感謝とリスペクトを持って接したいと思った。
さらに彼女は、忘れられないハプニングとして、2日目の大雨の話もしてくれた。
雨具を持ち歩いていなかったため、お店の大きなゴミ袋を頭から被って、それをレインコート代わりにしてステージ移動したそう。
びしょ濡れになりながらも、その“即席雨具”でなんとか楽しもうとする姿は、まさに彼女らしかった。(写真2枚目参照)
「来年も絶対来たい!このフェスマジで中毒性ある!」と彼女は4日間で何度も言っていた。お客さんだけではなく、出店側も楽しんでいる、それもフジロックの魅力の一つだろう。
彼女と2人で東京で何度も観たラッパー、JJJの舞台を苗場で観れたことが何よりとても嬉しかった。欲を言えばJJJがホワイトステージに立っているところを彼女と2人で観てみたかったが!
いろいろな偶然が重なって、フジロックで出会えたからこそ、また新しい彼女の感性に触れることができた。
東京では何度でも会えるけれど、あそこで交わす会話は、なぜかずっと残る気がする。
[写真:全2枚]