FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/23 THU (EVE)

FCO.

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Posted on 2026.7.23 23:05

前夜祭をロックオンした凶暴なグルーヴ

Tempalay、saccharin、MIZが出演する今年のフジロック。だからと言ってメンバーが重なるFCO.の前夜祭登場を予見した人はどれぐらいいるのだろうか。いやむしろ多かったのか。というかFCO.ってフランチャイズオーナーの略じゃなかったのか?ライブ中盤で背景に映し出されたのはFucking Childs Orchestraだったんだが。メンバー同様、バンドの意味合いも流動的ってことだろうか。

沖縄民謡からハウスの流れでDJ MAMEZUKAがフロアを上げまくったところに小原綾斗(Vo,Gt/Tempalay)、佐々木集(Ba/PERIMETRON / millennium parade)、松浦大樹(Dr/saccharin / She Her Her Hers)、加藤成順(Gt/MONO NO AWARE / MIZ)、Kaya Liz(Cho)が登場。FCO.目当てのオーディエンスも「Tempalayのボーカルの人がやってるバンド」程度の認識の人も全く情報なしの人も歓待するのが前夜祭の良さだし、バンドにとって挑みがいのあるところ。私も曲名全ては覚えていないライトリスナーだ。まず目を引いたのはドラムがセンターの立ち位置で、小原と加藤はステージ両端に立ち、両翼から怪しい周波数を放つアイコニックな印象ですでに勝っている。

バックライトメインのサイケデリックなライティングとは裏腹に冒頭鳴らされたのは存外明快な音のレイヤーだ。ツインギターもベースも愚直なまでにリフを刻み人力で醸し出されるループ。しかしアタックは強い。徐々に毒が回るような周到なインストのループには小原の個性は顕然としているが、加藤には新鮮な側面を見る。飲み仲間の延長線で始まったバンドだからこそ特定の目的を持たないのか、センスを共有するミュージシャンだからバンドが成立しているのか。いずれにしても小原以外のミュージシャンはこれまで彼らが所属するバンドの曲調やプレイからはかなり跳躍があるんじゃないか?

加藤のレスポールが艶っぽい音色で蕩かせたかと思えば、小原の凶暴な音の壁が暴風のようにこちらを倒しにくる。かと思えば佐々木のベースがパーカッシヴなんて上品な表現を超えて“叩く”聴感で攻めてくる。唯一、曲名が判然とした“BAND A”のハンマービートもジャージークラブも混在したリズムは「これ人力でやる?」と笑いながら、ついていこうとすると体のどこかを脱臼しそうだ。でも周りを見ると誰もが自分の好きなところで拍を取って揺れている。そうなのだ。FCO.はビートで乗るだけでもない。ハウるギリギリのギターサウンドに翻弄されるのも、揺れる原因だったりする。小原の動物的な叫びや発声が時に歌と歌以外のあわい(間)の危うさを醸し、演奏も共振したり反目したりする。「フジロック」以外、単語を発さなかった小原をはじめ、5人はフジロックの前夜祭という、オーディエンスにとって最高の“突発事故”を創作した。なんて語義矛盾!でもそれこそがFCO.に相応しい。

なおTempalayは7月26日(日)20時からホワイトステージ、saccharin は7月26日(日)15:10から苗場食堂、MIZは7月24日(金)14:50からORANGE ECHOに登場する。

[写真:全10枚]

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7/23 THU (EVE)RED MARQUEE