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25歳・Hi-STANDARDライヴにて人生初ダイブに挑戦~汗だくカオス~
ハイスタ・ダイブの保証書
ダイブに説明書はない。その場で実践し、体で覚えるしかない。
フジロック`26が7月24日に開催。初日から多くのアーティストがライヴを行ったなか、27年ぶりに苗場へ帰還したHi-STANDARDのライヴがとにかくカオスだった。
ファンの方々にとっては、あれが“普通”なのかもしれないが、ハイスタ未経験の僕にとっては特別な体験となった。
フジロック開催前、ハイスタのライヴにて人生初ダイブを経験してみてはどうかと、音楽の先輩から提案を受けた。ものは試しだと、楽しみと不安が入り混じった感情を抱えて、いざ夜のGREEN STAGEに向かった。
言わずもがな、場所は汗だくサウナ状態のステージ前である。後ろの人の吐息がかかるレベルのギチギチぐあい。朝の通勤ラッシュにも負けていない。
この時点でなかなかにカオスだったが、楽曲が始まるやいなや、人と人がぶつかり合う極限状態に。ピンボールのように弾かれ、足首ぐにゃりとイキそうになっても、ギリギリのところで踏ん張るべし。
そんな修行にも似た時間を味わった先に、お目当ての瞬間が待っていた。
オーディエンスたちは前の人の肩を借りながら、続々と人の波に乗ってステージ前方へ消えていく。ダイブ発生である。僕も負けじとテイクオフしようとするが、うまくいかない。たぶん思い切りが足らなかった。
そんな僕を見かねてなのか、後ろのおじさんが声をかけながら、文字通り背中を押してくれた。「もっかい!もっかい!」。はじめましてのおじさんとアイコンタクトをして、いざ再び飛び乗る。
このとき学んだことは、ステップにさせてもらう人の体格をデカければ、デカいほどいいということ。体重80キロの身体を、若くて細い女性が支えられるわけがないのはもちろんだが、前の人がデカいと何よりもこちらの安心感が違う。それによって、ダイブへの思い切りの良さも向上するのだ。
そのことに気が付いてからは一気にコツをつかんだような感覚になった。前にいた体格のいいアメリカ人と、トラックの運ちゃんのようなお兄さんの肩に手を置き、全体重をかけながら一気に飛び乗る。
そうして体がエビ反り状態になると、今度は後方からサポート隊が登場。千手観音でもいるかと思ってしまうくらいの無数の腕が、僕の足を持ち上げて地面と平行にする。
ダイブ成功だ。
Hi-STANDARDライブを最前線からお届け。
フジロックでの人生初ダイブは最高だった。ハイスタのファンたちのチームワークがすさまじかったのです。
※映像が乱れます。@fujirockers_org @fujirockexpress pic.twitter.com/ApeSvNhONT
— 浅野凜太郎/ Rintaro Asano (@rinta_asano) July 24, 2026
0120-107-929。城本クリニックも驚きのローリングをかましながら、前へ前へと運ばれていく
「え、楽しいぞ」
途中で落ちそうになるも、救いの手。沈みかけていた僕の背中を誰かがぐいっと押し上げ、再浮上。油断は禁物だった。
多少の緊張感をはらみながらも、気分は最高。自分がハイスタのライヴと一つになった感覚である。この気持ちよさは、たぶん実際にダイブしてみないと分からなかった。
あと、ライヴ中はそれなりに長い間ダイブしていたと思っていたが、あとで映像を見返すと、波乗りしていた時間はわずか数秒だった。無料の数秒であの満足感。ダイブはコスパ最強である。
そうしてステージと観客席の間にあるフォトピットの到着すると、若いスタッフの兄ちゃんが僕を安全に地面に降ろしてくれた。無事に人生初ダイブをやり切ることに成功した。
そこからは一気にダイブのトリコに。フォトピットを駆け抜けてはステージ前に戻って、再びダイブ。この工程を3、4回も繰り返せば、ハイスタのライヴとダイブ未経験だった男が、すっかり両方のファンに変ぼうしていた。
ライヴが終わり、カオスも沈静。あたりにはダイブした人々が落としていったものが散乱している。すると、それまで気が狂っていたように暴れていたファンたちが、「これ誰のー!?」とまた違った形で協力しあう。ダイブを終えた後は、みんながお互いのことをライヴ前よりも信用しあっているように見えた。『俺ら、支え合った仲じゃねぇか』といったぐあいだ。
しばらくは興奮で足が震えた。そしてライヴ前に感じていた不安感はもうどこにもなかった。次もまたハイスタのライヴに行くことがあれば必ずまたダイブしたいと思う。
ダイブについて安全の保証はできないが、最高だという保障はできる。この記事が、ダイブ未経験の誰かにとっての、「ハイスタ・ダイブの保証書」なれば幸いだ。説明書はいらないが、保証書は大切に保管しておくといい。いずれ使うはず。
