FUJIROCK EXPRESS '26

MOREFUN - AREA REPORT 7/25 SAT

ぼくらのサイコロの旅

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やるなら、今しかねぇ

朝11時。それはおもむろに始まった。
サイコロの旅と称したフジロックをすみずみまで楽しむこの企画。インスタライブをしながら、さまざまなエリアでお客さんにサイコロを振ってもらい出た目に書かれた指示に従いながら進んでいく、すごろく方式だ。5項目はすでに埋まっており、6項目の枠にはお客さん自身に書いてもらうというもの。ゴールはオレンジエコーに定めた。
朝11時。入場ゲートからスタートしたのだった。
まず最初にサイコロを振ってくれたのは、タイのおにいさんと中国のおねえさん。出た目はところ天国だった。順調な滑り出し、足取りも軽い。ところ天国には、ギネスが900円で飲めることも知っている。最初の向かう最高のポイントだ。ところ天国では、お兄さんにサイコロお願いした。
出た目は、木道亭。
おいおい。これ、一発で終わっちゃうんじゃないの?ってくらい順調。それはそれで企画倒れなんだよな、なんて、今考えたら馬鹿みたいな会話をしながら、木道亭へと向かった。木道亭は、森のピアノという、誰でも弾いていい場所がある。今年は、奇妙さんがライブとかしてたみたい。こういう特別な場所では、サイコロの目も、現場を楽しむ項目を用意していた。そして、お姉さんに渡したサイコロが指した目は、「Play the Piano」。
おいおい。俺達どっちもピアノをまともに弾けないぞ。どうするんだって考えていても始まらないので、勢いでピアノの前に立ち、僕たちが披露したのは、『西新宿の親父の唄』。
つたないピアノの弾き語りで、やるなら今しかねえ!とおじさん二人で熱唱を見せ、少しの拍手をもらい、次に出た目は、オアシスだったのだ。
バチが当たった。本当にそう思った。この企画をなめたこと、スナックみたいな雰囲気を出したこと。きっと、そのすべてが祟ったのだろう。ぼくたちは、オレンジとは全く逆方向に道を進むことになったのだ。
オアシスについた僕らは、ホームであるフジロッカーズラウンジへと向かった。そこで出た目は、いいちこチャレンジ。11.15秒をストップウォッチで当てたら、また飲めるというもの。オアシスでは人気のアクティビティだ。無事なにももらえなかった僕らは、フジロックエキスプレスのカメラマンリーダーに、賽を託した。そして出た目は、パレスオブワンダー。
順調に反対方向へと進んでる。まずい。
パレスオブワンダーについた我々は、おしゃれな女の子二人組に、運命を託した。ここで最果てまでいくのか、前進するのか。祈る想いで見つめた先には、残酷な現実が待ち受けていた。
ピラミッドガーデン。
さっきまで木道亭で、やるならいましかねーーなんて、上機嫌で歌ってたのが嘘のよう。でもね、これより悪くはなることはないし、おれたちピラミッドガーデンが好きだから、足取りは不思議と軽かったんだ。1回目のピラミッドガーデンだし。1回目のね。1回目の。
涼しい風が吹くピラミッドガーデン。そこで出た目は、イエロークリフ。よしよし少し前進じゃないか。と向かっていくと、知り合いに合う。こんなことやってるんだ、なんて挨拶をしていたら、サイコロを振る流れになってしまい、運命を託すことに。
今思えば、こういうのが良くないんだよ。イエロークリフまで行けばよかったんだよ。
ピラミッドガーデン。
おれたちは踵を返し、歩いてきた道を引き返すことになったのだった。そうしたら、さっき振ってくれたおねえさんがまだいたもんだから、なんで!?なんて言いながら、またサイコロ。今度はオアシスだ。
よしよし。オアシス。この時点で、時間は17時近く。もう気がつけば6時間もサイコロをやってる。エリアからエリアが長いから、想定よりも時間ばかりかかる。そして、疲労がやばい。このくらいのころから、ゴールできないかも……という気持ちが芽生えはじめ、それを後押しするように、閲覧者の数も減っていく。すがる想いで、我らがフジロッカーズラウンジサイコロを託す。出た目は、
ピラミッドガーデン。
心が音をたてて折れました。嘘だろ?なんでこうなった?いつからズレたんだ、運命は。おれたちは、重い足取りと言葉少なに、パレスを横断していた。ふと目に入るレコードシティ。
「ちょっと休憩しない?」
どちらともなく、レコードシティの裏にあるチルスポットへ向かい、椅子に腰をおろした。そこで何を話したかは覚えていない。気がついたら、切っていたインスタライブを再び回し、僕たちはゴールへたどり着けませんでした、と、白旗を上げたのだった。
企画倒れだと思ってる?と問われるならば、おれたちはそう思っていない。なぜなら、さまざまなドラマがあったし、みんなの前で歌った「やるなら今しかねぇ」も忘れない。ゴールというのは、ひとつの主観的概念でしかなく、そこにたどり着くという目的なだけで、結果よりも過程が大事なこともあるのだ。やり遂げることよりも、まずやってみることに意味がある。たとえそれが無謀だったとしても。
これを経験したおれたちは、ひとつの共通した解にはたどり着けたんだ。
”もう二度とやらねぇ”

[写真:全7枚]

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7/25 SATサイコロの旅