FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - GREEN STAGE 7/26 SUN

MASSIVE ATTACK

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TEXT BYnob

Posted on 2026.7.27 04:17

怒りを静かに燃やし続けている

最後の“Teardrop”で重低音が主体のゆったりとした音にのってエリザベス・フレイザーの澄んだ声が静かな苗場に響いたとき、それまでおびただしいほどのメッセージ、情報の洪水をを映していたスクリーンはただ黒かった。このステージを締めくくるのにふさわしい曲だろう。バンドはアンコールもなく去っていった。

マッシヴ・アタックのフジロック出演は2010年以来16年ぶりだった。その間に世界も日本もいろいろあったし、テクノロジーも進化していった。巨大なスクリーンにメッセージを映すのは変わらずだし、メッセージの根本は変わらない。

すっかり暗くなり気温も下がってきた苗場グリーンステージ前は3日目のヘッドライナーを観にたくさんの人たちで埋まっていた。雨が降ったり止んだりする不安定な気候である。オープニングからSNS時代の人々が抱える問題をスクリーンに映していく。“In My Mind”から始まる。元コクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーが現れて“BLACK MILK”。音質がめちゃくちゃよいので、各楽器がちゃんと分離して聴けるし、重低音がしっかり出ているし、音も適度に大きい。こうしたメッセージを持つバンドであるなら、心地よく聴ける音であることが重要だけど、リスニング体験としても素晴らしかった。

スクリーンには、イスラエルによるガザ侵攻、トランプ批判、AI監視社会への危惧、西洋列強によるアフリカや中近東の分割、おびただしいフェイクニュース(日本の芸能人やミュージシャンのネタも多く、思わず笑ってしまうものもあった)など「今、世界中にある問題」を映すものとなっている。そのメッセージの根本は「己の欲望のために他人を利用するな(特に殺すな)」ということで難しいこともなく至ってシンプルなものである。

韓国で80年代に起きた政府が民衆を弾圧した光州事件への抵抗からK-POPが誕生したとのことでソテジワアイドゥルの“Regret of the Times”(時代遺憾)をカヴァーしたり、ティム・バックリー“Song to the Siren”、アヴィーチーの“Levels”のカヴァーもあった(他のところでは初期ウルトラヴォックスの“ROckwrok”もやっていたけど今回はなかったのが残念)。

終盤のいい時間帯に“Safe From Harm”と“Unfinished Sympathy”と初期の曲を連続でやったことが自分の中ではハイライトになった。たくさんのメッセージについてはいろんな人たちがいろんなことを言うだろうけど、マッシヴ・アタックにとっては通常のことだし、それが通常のことになっていることに対しての怒りを静かにずっと燃やし続けていることを苗場の人たち、配信で観ている人たちは受け取らざるを得ない。いやだと思ってもすでに受け取ってしまったのである。

[写真:全10枚]

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7/26 SUNGREEN STAGE