LIVE REPORT - WHITE STAGE 7/25 SAT
TOMORA
幻想とビートが交わる夜。大自然をダンスフロアへ!
2日目の終盤を迎えるWHITE STAGEは大勢の観客たちで賑わっている。Tom Rowlands(The Chemical Brothers)とAURORAによるユニット、TOMORA。今年のCoachellaで披露されたステージ映像を目にし、この瞬間を待ち望んでいた人も多かったはずだ。
ビートの強いイントロが流れれば、白い衣装をまとった2人の女性が、まるで妖精のようにステージ上を舞う。まずは、大きなメガホンを持ち、1曲目は“RING THE ALARM”。AURORAが声を空高くにまで響かせれば、Tom Rowlandsが生み出す重厚なビートと幻想的な歌声が重なり合い、一瞬にしてWHITE STAGEをTOMORAの世界へと染め上げていく。
そのまま“MY BABY”へとシームレスに突入していく。AURORAとAmalie Holt Kleiveのふたりが祈りにも似た歌声を響かせながらも、転調を重ねるたびに壮大な広がりを見せる。静寂と高揚を行き来する展開、フロント2人のコンテンのポラリーに踊る姿に、観客たちは自然と引き込まれていく。
続く“Starvation”は、AURORAが2024年にリリースした1曲。身体の芯まで揺さぶるキックの音に神秘的な声を響かる。音源では古代的な儀式を彷彿とさせるが、Tom Rowlandsが手を加えれば、圧倒的なスケール感が生まれる。低く唸るようなビートに透明感のある歌声が混ざり合い、壮大な世界がWHITE STAGEを一に飲み込んでいく。
スローテンポに合わせた美しい歌声が会場を満たした“THE THING”が終わり、鳥のさえずりとともに印象的なスキャットが響けば、“SOMEWHERE ELSE”だ。観客たちからは待ってました!と言わんばかりの声が上がる。観客たちは思い思いに身体を揺らす。
先ほどのお返しと言わんばかりに、次はThe Chemical Brothers “Eve Of Destruction”のボーカル・フレーズが起こるたび、会場が更に高揚していく。Tom Rowlandsの真骨頂ともいえるダンスビートの推進力が前面に押し出され、大自然の苗場をダンスフロアに変化させていく。“I Drink The Light”では、音に呼応するストロボの演出も鮮やかであった。2人の妖精がステージ上を縦横無尽に駆け巡りながら、ときに向かい合い、ときに寄り添うように歌声を重ね、幻想的な世界をさらに広げていく。
“COME CLOSER”では、タイトルどおり観客たちを引き寄せていくようにAURORAが両手を広げる。柔らかな声に導かれ、まるで物語の1ページのようでもあった。
「あなたたちは完璧です」と繰り返すAURORA。ほぼすべてのMCをかわいらしい日本語で行うAURORAの姿もほほえましい。日本語を忘れてしまってステージ端にいたスタッフに教わりながら「フジロックのステージで歌うことがずっと夢でした」とも言っていたけれど、その思いの強さも流暢な日本語から感じ取ることができる。
まだリリースされていない新曲“What do we got?”でAURORAとAmalieのお茶目なファイティングシーンを見ることができたり、AURORA特有のヨイクを思わせるヴォーカルには目を奪われる。中盤でもフロントふたりでハートを作ってみたり、今年55歳になる大先輩のはずのTom Rowlandsにかわいらしいダンスをリクエストしてみたりと、自由気ままに振る舞うAURORAのキュートな姿にハートを射止められてしまった人も多かったのではないだろうか。最後は3人で並んでお辞儀をしていたけれど、お父さんと孫みたい……なんて思ってしまったのは内緒(笑)
“IN A MINUTE”の反復されるフレーズが大音量で響けば、観客たちは思い思いに身体を揺らし、最後の最後まで踊り続ける。Tom Rowlandsの圧倒的なビートとAURORAの幻想的な歌声が溶け合い、現実を忘れさせるような景色が広がっていた。
