FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/24 FRI

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Posted on 2026.7.24 13:39

受け継がれるロック・イズムの継承と覚醒

今年フジロック初出演となる若手ロックバンドの雄、w.o.d.(ダブリュー・オー・ディー) 。長きにわたる歴史のなかで育まれてきた多様なロックの系譜が持つ重厚な音の美学を継承しながらも、今の時代の閉塞感を爆音で切り裂く、彼らの現代のロックサウンドがレッド・マーキーに鳴り響く瞬間がついに訪れた。そこに集まった多くのファンに向けて彼らが放った演奏は、どこまでも熱く、そして強烈だった。

巨大なテント屋根の下、 ヴァニラ・ファッジによる“Ticket to Ride”(ビートルズのカヴァー)のSEが流れる中、サイトウタクヤ(Vo/Gt)、Ken Mackay(B)、中島元良(Dr)の3人がステージに登場。オープニングを飾った“STARS”の重厚なギターリフが鳴り響いた瞬間、フロアはエモーションの渦に包まれる。焦燥感と渇望を叩きつけるようなダイナミックなアンサンブルが、レッドの空気を震わせていく。間髪入れずに叩き込まれた“イカロス”では、疾走する歪んだベースが刻むビートに乗せて、飛躍と破滅の危うさを秘めたサイトウの歌声が響く。現代の若者の誰もが抱える歪んだ孤独を肯定し、それでもなお恐れずに突き進むことを鼓舞するような言葉たちが、爆音とともに身体に伝わってくる。

バンドの勢いは止まらない。初期衝動を宿した“1994”の骨太なガレージ・ロックの荒々しさと、ブルース・ロック的グルーヴが地鳴りのように轟くと、フロア全体が音の渦に包まれる。続く“モーニング・グローリー”では、ケミカル・ブラザーズを彷彿とさせるサウンドとノイズが鮮やかに交差。そこに確かに有るエモーショナルな旋律が、観客の感情を揺さぶっていく。「フジロック、調子どう?遊ぼうぜ」とサイトウがオーディエンスに投げかけ始まった“Mayday”では、変則的なリズムと、Kenの地を這うようなベースラインが緊迫感に満ちたスリルを生み出し、w.o.d.のライブをさらに加速させていった。曲が終わり、MCでサイトウが「ファーストから1曲やります」と口にすると、不穏でダンサブルな“スコール”へ。大粒の雨粒が降り注ぐ映像をバックに、鬱屈した日常をバッサリ振り払ってくれると、“オレンジ”では歪んだギターの奥から滲み出る切なさと温かさが聴き手の胸を締め付けた。

しかし、この熱狂の裏では、ある“事件”が巻き起こっていた・・・。サイトウが思いっきりセットリストを間違えていたのだ。中島が「なんか、サイトウがセットリスト間違えたんで、次新曲の方やっていきますー」とサイトウのミスを暴露すると、思わずサイトウは吹き出し「ごめんなさい。セトリ間違えました」と白状。ふっと会場の雰囲気が和むと、そこから始まった新曲 “RISE” の地鳴りのような重低音が鳴り響くと、フロアのボルテージは一気にピークに達した。

ライブも終盤に突入していく。ノイジーなリフが炸裂する“TOKYO CALLING”ではフロアからは地鳴りのような歓声が上がり、続く“RE:PLAY”のダンサブルなビートは、日常を脱ぎ捨てて踊り明かす最高の快楽を提供した。そして「踊る阿呆に見る阿呆」という言葉の通り、無心で音に身を委ねさせる “踊る阿呆に見る阿呆” の圧倒的なグルーヴが、会場全体を一つにしていく。そして、ラストを締めたのは、彼らの絶対的なアンセム“My Generation”だった。「俺たちの時代だ」と無言で示すかのような圧巻の音圧と佇まいは、まさに時代を力強く切り拓く声明そのものだった。

ガレージ・ロック、ブルース・ロック、グランジにオルタナ、そしてUKロックからブリット・ポップまで。脈々と受け継がれてきたロック・イズムを血肉化し、現代社会の閉塞感や剥き出しの衝動を凄まじい音圧で鳴らしたw.o.d.。レッド・マーキーで僕らの中に生まれたのは、刹那的な熱狂を超え、彼らが次世代のロックシーンの旗手となることへの確信だった。

<セットリスト>
STARS
イカロス
1994
モーニング・グローリー
Mayday
スコール
オレンジ
RISE
TOKYO CALLING
RE:PLAY
踊る阿呆に見る阿呆
My Generation

[写真:全9枚]

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7/24 FRIRED MARQUEE